【ガンダムビルドファイターズ連載】機体解説:ルナゲイザーガンダム/作例:AXオベロン&AXタイターニア

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機体解説・文●千葉智宏(スタジオオルフェ)/作例製作・文●フクダカズヤ/編集●電撃ホビー編集部

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<ガンダムビルドファイターズD-Rまとめページ>

 

月刊ガンダムエース(毎月26日発売)連載のガンダムビルドファイターズ外伝『ガンダムビルドファイターズA-R(アメイジング レディ)』は、既刊の『ガンダムビルドファイターズA』の続編としてユウキ・タツヤの新たなる戦いが描かれています。

 

▲『月刊ガンダムエース』2017年2月号。好評発売中!

▲『月刊ガンダムエース』2017年2月号。好評発売中!

 

本連載『ガンダムビルドファイターズD-R』は、『ガンダムビルドファイターズA-R』と連動し、その登場機体を外伝のシナリオを手がけるスタジオオルフェ 千葉智宏先生に解説していただきます。今月は、レディのガンプラ「ルナゲイザーガンダム」が登場!

 

 

さらに、解説を行った機体は作例も製作! 今回は、プリンセスのAXタイターニアとAXオベロン。簡単ミキシングでの作成をコンセプトに、フクダカズヤが製作しました。誰でも作れるようにほぼ、パーツの組み替えのみでまったく別の機体に生まれ変わるその様子をご覧ください!

 

 

それでは、まずは千葉智宏先生による機体解説をご覧いただきましょう!

 

 


レディ・カワグチが少女時代に作り上げた無慈悲な夜の女王

ルナゲイザーガンダム

 

アニメ本編の中で、多様なガンプラを使いこなしているレディ・カワグチ。彼女のガンプラの中でも、特に印象に残っているものの1つとして回想シーンの中に出てくるスターゲイザーがあると思います。

 

外伝「A-R」では8話でこのシーンを描いています。スターゲイザーは彼女がはじめて製作したガンプラであり、ヤシマ商事によって復活したガンプラバトルを試すために、思い入れのあるこのガンプラを使用して大会に参加していました。

 

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▲『ガンダムビルドファイターズA-R』第8話(2016年12月号)にて、タツヤとアランの回想シーンに登場したレディのスターゲイザーガンダム。

 

 

物語では、彼女は新たなガンプラも完成させています。それがルナゲイザーガンダム(以下、ルナゲイザー)です。百式をベースにスターゲイザーの機能を加味した彼女オリジナルのガンプラです。物語の中では、まだ完成したばかりであり、名前も付いてません。どうしてルナゲイザーという名になるのかは、今後物語の中で語られることになります。

 

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▲月刊ガンダムエース2016年10月号に掲載された特別編にて初登場したルナゲイザーガンダム。

 

 

ルナゲイザーと死闘を演じたのは、前回紹介したプリンセスの愛機AXオベロン&AXタイターニアの2機です。どのような戦いが繰り広げられたのかは、漫画の中でご確認ください。また、このバトルにはまだ続きがありそうな予感も……期待してお待ちください!

 

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▲プリンセスのAXオベロン・AXタイターニアと激戦を繰り広げるルナゲイザーガンダム。

 

 

ルナゲイザーは、レディの少女時代に作られたガンプラですが、カワグチを襲名後にも使用しています。テレビスペシャル「アイランド・ウォーズ」の直前を描いた漫画に登場しています。こちらは、2017年1月26日発売の単行本「ビルドファイターズA-T」に収録されます。タツヤのメイジン襲名後の読み切りエピソードを集めたもので、本コーナーで扱ったホットスクランブルガンダムも大活躍しております。

 

 

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▲月刊ガンダムエース2016年10月号に掲載された特別編より。「アイランド・ウォーズ」直前、メイジンとともに戦うレディ。2017年1月26日発売の単行本「ビルドファイターズA-T」に、このエピソードが収録されます!

 

 

ルナゲイザーは、バンダイホビーからキット化も! これまでも「ビルドファイターズ」本編、外伝から多くのガンプラが商品化されていますが、その中でもルナゲイザーはこれまでにない特徴を持ってます。それは、「宇宙世紀」と「コズミック・イラ」という二つの世界のモビルスーツの特徴が合わさっていることです。百式のフレームによる高機動性に、スターゲイザーのヴォワチュール・リュミエールによるエネルギーコントロール能力を組み合わせた、ガンプラでしかありえない夢のモビルスーツなのです。キットでは背中の変形システムもしっかり再現されておりますので、ぜひ入手して脳内バトルを繰り広げてみてください!(キットのパッケージは、「A-R」の今ノ夜きよし先生が描かれてます。ここにも注目してください)。

 

 

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▲HGBF 1/144 ルナゲイザーガンダム 価格:2,160円(税込) 20117年1月発売予定! 本連載でも、来月作例が登場予定です!

 

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▲今ノ夜きよし先生によるルナゲイザーガンダムのパッケージ!

 

▲ルナゲイザーガンダムのベース機体となっている百式。写真は、8月に発売されたばかりの「HGUC 1/144 百式」。

▲ルナゲイザーガンダムのベース機体となっている百式。写真は、8月に発売されたばかりの「HGUC 1/144 百式」。

 

▲2006年に発売された「HG スターゲイザーガンダム」。

▲2006年に発売された「HG スターゲイザーガンダム」。

 

 

 


(ほぼ)パーツ組み替えだけで、まったく新しい機体を作る!

作例記事:1/144 AXオベロン&AXタイターニア

こんにちは。フクダです。
2017年も楽しい作例を心がけてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

今回はプリンセスが操る新たなガンプラ、AXオベロン&AXタイターニアと名付けられた2体を検討から製作まで担当しました。この2体は、ガンダムエース2017年1月号に掲載された『ガンダムビルドファイターズA-R』第9話「レディVSプリンセス」に登場していましたので記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

 

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▲AXタイターニア(左)と、AXオベロン(右)。「2体の白とエメラルドグリーンで統一された配色は、複数提出したカラーパターンの中から「妖精のイメージや透明感といった印象がある」と今ノ夜先生のご意見を参考に調整しました。立体物としてガンダムフェニーチェとメテオホッパーの関係に近いので似通った印象にならないよう注意しました」(フクダ)

 

今作のテーマは「2体のガンプラをミキシングビルドして比較的簡単な工作で再現可能なこと」です。

 

 

“工作初心者の方でも真似して作れる”という部分が最も重要ではあるのですが、一瞬「あれ? オリジナルかな?」と思わせる仕様にしたいなぁ、というのがボクの個人的なテーマでした。ですので単純にパーツを入れ替えるだけではなく、ニッパーで切る、ヤスリで削る、接着する、といった「作る」をあえて取り入れています。以前担当した「ザクアメイジング・ラピッド」では“接着する”という工作は取り入れていましたので、今回はもうちょっとステップアップした内容となりますよ。

 

使用したガンプラは、

 

  • HG 1/144 ガンダムダブルエックス
  • HG 1/144 ガンダムエアマスター

 

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▲「HG 1/144 ガンダムエアマスター」(左)と、「HG 1/144 ガンダムダブルエックス」(右)。

 

 

の2体。と、もうひとつ……

 

  • ビルダーズパーツHD ノンスケール MSバーニア02

※作例ではメカニックカラーを使用

 

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▲「ビルダーズパーツHD ノンスケール MSバーニア02」。

 

もAXオベロンには使用しています(AXタイターニアは使いません)。記事を参考にAXオベロン&AXタイターニアを製作し、1月発売予定の「HG 1/144 ルナゲイザーガンダム」とぜひ並べて飾っていただければと思います。

 

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▲AXタイターニア。ほぼパーツの組み替えだけで製作されています。次回、作り方を詳しくご紹介します。

 

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▲AXオベロン。こちらはAXタイターニア製作後の余りパーツを元に製作されました。AXタイターニアに比べ、工作する箇所が多くなっています。

 

 

 

塗装について

「比較的簡単な工作で」ということですが、今回実は、塗装面も“比較的簡単”を、多少考慮しています。つまりは、缶スプレーでランナーごと塗ってしまおう! という試みを行なっています。作例ではガイアノーツとGSIクレオスのラッカー塗料をエアブラシで使用していますが、作例の色分けは、ほぼランナーごとになっていますので、以下で説明するランナーを、缶スプレーで塗装してから組み立てれば、作例とほぼ同じ配色になります。缶スプレーを使用する場合は、GSIクレオスのMr.カラースプレーの66番・デイトナグリーンや64番・ルマングリーンといった塗料を使うのがいいでしょう。ただし、作例の緑とは色味が異なります。

 

 

と、いうわけで、塗装の項目はだいたい最後の方に掲載するのですが、異例ではありますが塗装から解説スタートです。

※細かいことを言えばゲート処理を行った後のリタッチや差し色のための筆塗り、こだわる方はマスキングといった作業は発生しますが、モデラーの皆さまならばご存知のことと思い、ご了承いただけたらと思います。

 

 

ランナーごとに色を塗る

まずダブルエックスとエアマスターの「白色のランナー(一部差し色があります)」と「灰色のランナー」および「クリアパーツ」ですが、こちらは色を変更していません。

 

それ以外のパーツ(ランナー)には、以下の色を塗装しています。

 

  • 緑1…No.018・エメラルドグリーン(ガイアノーツ)/缶スプレーの場合は似た色を塗装しましょう
  • 緑2…No.018・エメラルドグリーン:60%+Ex-01・Ex-ホワイト:40%(ガイアノーツ)/缶スプレーの場合は似た色を塗装しましょう
  • 金…GX210番・GXブルーゴールド(GSIクレオス)

 

「緑1」はパステル系、それより明るい「緑2」、そして「金」は青系のものになっています。缶スプレーについては、後述します。

 

 

緑1で塗装するランナー

 

ダブルエックス
F2ランナー(赤色のランナー)
※顔を構成する「F2-6」は塗装しないまま使用するので、切り離しておきます。

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エアマスター
Cランナー(赤色のランナー)

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A4、7、9、12(すべて2個ずつ)のみ塗装。それ以外は切り離します。

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緑2で塗装するランナー

ダブルエックス
Dランナー(紺色のランナー)
※D6、7、9は塗装しないので切り離します。

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金で塗装するランナー

ダブルエックス
Eランナー(黄色のランナー)

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エアマスター
D2ランナー(黄色のランナー)

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※上記ランナー以外に一部筆で塗装をする部位もあります。

 

 

 

缶スプレーいろいろ

模型メーカー以外にもホームセンターにはペンキメーカーのホビー用缶スプレーなどもあります。これらの缶スプレーは直接吹き付けることを想定して作られていますので、サーフェイサーなどの下地処理を省略しても発色がよいのも特徴です。また大きな家具などにも対応しているためか缶も大きくガス圧が安定しています。意外と明度、彩度の高めのパステル系塗料も豊富にありますので選択肢のひとつとして一部ご紹介します。

 

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▲左から、カンペパピオ「水性スプレーHG サーフグリーン」、カンペパピオ「水性スプレーHG ライトグリーン」、アスペン「ラッカースプレー エメラルド」。

 

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▲写真の缶スプレーを吹き付けたサンプル(上段)と、エアブラシによる塗装(下段)。

 

 

サンプルはあえて下地が黒という悪条件で発色をお見せしています。比較してしまうと作例とはだいぶ色は異なりますが、缶スプレーでもパステル系の明るい緑がある、ということが確認できると思います。

 

 

作例の金色は王冠や洋服の装飾品をイメージして青系を使用していますが、特に決まりごとはありません。金の塗装面はそれほど大きくはないので、缶スプレーにこだわらず、筆塗りでもよいかもしれませんし、場所によってはキット付属のシールを使うのもいいでしょう。

 

 

ホームセンターのホビー用、家具用のゴールドの缶スプレーは真鍮をイメージした青系のものも多くそろっています。自動車のホイール用缶スプレーも同様の色味を持つものもあります。

 

 

ボクの経験上、ホームセンターの缶スプレーを使用してプラスチックが溶けた! ということはないのですが、初めて使う場合や使い勝手、色味を確認するためにも、不要なランナーなどに試し吹きすることをオススメします。また模型用缶スプレーよりも乾燥が遅いものもありますので、乾燥は十分に行なった方がよいでしょう。

 

 

なお、缶スプレーに抵抗がある場合は、筆塗りする方法もあります。この場合は、使い勝手がよいと評判のGSIクレオスの「アクリジョン」、少々高価ではありますがカラーバリエーションが豊富な「シタデルカラー」といった塗料を使ってもいいでしょう。

 

次週はAXタイターニアの組立て方を紹介します。お楽しみに!

 

 

COLORING DATA

白…Ex-01・Ex-ホワイト(ガイアノーツ)
緑1…No.018・エメラルドグリーン(ガイアノーツ)
緑2…No.018・エメラルドグリーン:60%+Ex-01・Ex-ホワイト:40%(ガイアノーツ)
紺…326番・ブルーFS15044:70%+14番・ネイビーブルー:30%(GSIクレオス)
金…GX210番・GXブルーゴールド/一部ガンダムマーカーのガンダムゴールドも併用(GSIクレオス)
灰…333番・エクストラダークシーグレー(GSIクレオス)

※白と紺と灰はキット成型色の近似色を再現しています。簡単フィニッシュで仕上げる方は塗装は不要です。

 

 

関連情報

 

(c)創通・サンライズ・テレビ東京

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