素組みでガンプラ!【応用】ビルダーズパーツHDを使った改造方法 前編
ここでは「HGUC 1/144 RMS-106 ハイザック」を使って、ガンプラのビルダーズパーツHDを使ったディテールアップ方法を紹介します。以前、基本的な使用方法を解説しましたが、ここではさらなる活用方法をお届け!
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ハイザックはナンバー〈012〉のHGUCシリーズでも初期のキットのため、近年のキットと比べた場合、関節機構や各部のディテールをもっと細かくしたいと思う方もいるかもしれません。そこでビルダーズパーツHDを使用し、現在のHGUCと同レベルに仕上げる改造を行っていきたいと思います。
まずは動力パイプです。軟質樹脂を使用しているのは同じですが、ポリキャップとほぼ同質の素材のため、接着や塗装が非常に困難な樹脂で成形されています。また腕部などは、ハードなポーズをとらせた場合、若干ですが支障がでてしまうことが考えられます。
この商品は大小2種類の〈パイプ〉に加え、〈基部〉が大小それぞれ3種(計6種)、〈中間基部〉が大小それぞれ2種(計4種)、〈中心軸〉が大小2種類セットされています。一般的な“ザクタイプ”のモビルスーツに使用するのであれば、頭部・胴部・脚部の1セットで十分ですが、今回は2セット使用します。
まずは胴部の動力パイプを〈パイプ・大〉に交換します。動力パイプの末端、胴体正面側は〈中心軸〉のまま本体に取り付け、胴体側面は〈基部〉を使って取り付けます。胴体側面のように急な曲がり方をしている部分は、無理に〈中心軸〉を曲げると動力パイプが不自然なカーブを描いてしまうので、〈基部〉を使って取り付けるのが良いでしょう。
次は肩と上腕部を繋ぐ動力パイプです。キットのオリジナルパーツは上腕部・ヒジ関節付近に取り付けた後、軟質パーツを折り曲げ、肩パーツに差し込む構造になっています。
ここでは〈パイプ・小〉を使用します。キットのオリジナルパーツの中央部分を残し、パイプ部分だけ交換しても良いですが、完成後の強度を考慮すると〈パイプ〉の取り付け部分もスチロール樹脂同士の方が確実に接着することができます。そのため、ここでは〈基部〉を2つ使用し〈中心軸〉を固定します。
頭部の動力パイプは容易に「MSパイプ01」に交換できます。気を付けたいのは動力パイプの曲がり方。ザクもグフもハイザックも、それぞれが独自の曲がり方で頭部に取り付けられており、それが各モビルスーツの個体差を現す重要な要素になっています。パッケージやキットのオリジナルパーツを参考にして、独自のカーブを作るように心がけましょう。
さて、今度は前腕部のパイプです。ここは通常の動力パイプとはデザインが異なっており、メッシュ状のディテールが施されたハイザック特有の形状をしています。
ここは市販のガラスチューブを使ってディテールアップします。しかしパーツを接着するのに難しい素材なので、“取り付け基部”を設けてガラスチューブを固定することにします。このとき“基部”として使用したのが〈パイプ・小〉です。〈パイプ・小〉を半分の長さに切断し、上下両側に接着します。その後〈パイプ・小〉の内側にガラスチューブを差し込むように固定して完成です。瞬間接着剤で接着すればより確実です。
これはハイザックの手首。左が銃の握り手で、右が通常の握り手です。最新キットを見慣れた目で見ると、ディテールや構造が全く違うのがわかります。このようなキットをディテールアップするためにビルダーズパーツHDが存在するといえるし、むしろディテールアップの甲斐がある箇所といえます。
使用したのは「MSハンド02(ジオン系)」です。ここで一つ考えなければいけないことがあります。形状としては“ザク”の延長上にあるのが“ハイザック”ですが、これは“連邦軍の機体”です。手首はそれぞれの特徴が現れる部位なので、「設定優先で連邦系の角指を使うか?それともデザイン優先でジオン系の丸指を使うか?」は悩ましいところ。ここに関しては個人の好みで選択して良いでしょう。今回はジオン系の手首を選びましたが、連邦系の手首をしようするのも、かなり面白い選択です。このあたりの考証は機動戦士Zガンダムに登場するモビルスーツを作る際、楽しい部分ですね。
ビルダーズパーツHDの手首に、キットの〈手甲〉を取り付けます。ですが、サイズが合っていないため、取り付けピンを切り取り、接着面をヤスリで削って微調整する必要があります。
実際には〈手甲〉の前方部分を斜めに削るだけで写真のように取り付けることができました。取り付けには接着剤をでしっかり固定するようにしましょう。
動力パイプや手首をビルダーズパーツHDに交換しただけで、HGUC初期キットの印象をかなり変化させることができます。後編でも引き続き「HGUC 1/144 RMS-106 ハイザック」を使ってビルダーズパーツHDのさらなる活用方法を紹介するので、お楽しみに!
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