S.R.G-S「シュロウガ・シン」見るがいい…さらなる罪に穢れたこのシュロウガを<第3回>【電撃スパロボNo.086】
次なる電撃スパロボの作例は、12月に発売された「S.R.G-S シュロウガ・シン」。これまで電撃スパロボでも何度か取り上げてきた機体ですが、いよいよ作例の製作に取りかかります。
前回の後ハメ加工および各パーツの穴埋めなどを行い、塗装にとりかかりました! 完成した「バリメカ」シュロウガ・シンをとくとご覧あれ!
▲「S.R.G-S シュロウガ・シン」 ノンスケールプラスチックキット 発売中 価格:9,200円(税抜)/Premium Edition【コトブキヤショップ限定品】 10,000円(税抜)
第1回:S.R.G-S「シュロウガ・シン」の後ハメ加工はどう処理するか?パーツ分割から読み解く<第1回>【電撃スパロボNo.084】
第2回:S.R.G-S「シュロウガ・シン」細かい後ハメと各部処理はどうなったのか?<第2回>【電撃スパロボNo.085】
■罪を重ねし者
スパロボ25周年のトリを飾ったシュロウガ・シンが発売されておよそ1カ月が経ち、すでに購入された方も多いかと思います。キットはデザインを担当された大張正己氏による監修が行われているため、設定画やゲーム画面における雰囲気を余すところなく再現しています。各部の可動も独特の構造を盛り込むことで、武器の両手持ちも決まるほど幅広い可動範囲を確保し、アクセントとなるクリアーパーツも、グリーン、レッド、オレンジの3種を贅沢に使用しているため、素組でも鮮やかさを実現しています。手首はPVCを採用したことで、シャープさと曲線が融合した特長的な形状の再現に成功し、平手はその表情と相まって、ポージングの引き締めに絶大な効果を発揮します。
ジェノシック・ノヴァ発動時における黒鳥形態への変形は、専用パーツを用いた大胆な差し替え方式を導入したことで、両形態のプロポーションが保たれています。さらに、コトブキヤショップ限定「Premium Edition」には、インテグラル・ディスキャリバー特殊表現パーツ、インテグラル・ディスキャリバー発現時に姿を現すディスキャリバー、ディスプレイが捗るフライングベースRも付属し、商品のプレイバリューをさらに高めるものとなっています。
今回の作例もレビューとしての一面に準じ、工作は部分的な後ハメ加工と肉抜き埋め、一部パーツのシャープ化に留めています。塗装に関しては前回のS.R.D-Sネオ・グランゾンと同様、「本体はソリッドなグロス、各部はメタリック」という塗装パターンで行いました。これは本体の黒をメタルブラックにしてしまうと、こちらもアストラナガンと被ってしまう懸念があったからです。しかし、このパターンは塗装のハードルが一気に上がります。その理由の大半は、ほとんどが挟み込み式のウイングにあり、うかつに後ハメ加工を行うと、跳ね上げた際の保持力がなくなる可能性が大きいことに加え、わずかな塗りもらしも致命的なダメージになりかねないからです。場合によっては合わせ目のモールド化で回避するか、光沢に固執しなければ、本体はセミグロスブラックを吹いて終わりにするというのも、ひとつの方法かと思われます。
頭部
鳥の頭を模したヘルメット、鼻と顎を覆うガードから見える口元と、大張氏のデザインと一目でわかる要素が盛り込まれた部位。頭部側の可動ポイントと首元のボールジョイントにより、顎を引いた表情や上を向く表情が用意に付けられます。フェイスパーツは後ハメ加工を行っていますが、途中写真のあとで仮の組み込みを行ったところ、はまらないことが判明したため、後頭部との接続ピンをすべてカットし、スチロール樹脂用接着剤で接着する組付けへと変更しました。また、耳側を含め、肩アーマー先端、背中、大腿部、ふくらはぎに存在する紫もしくはピンクの部分に関してですが、こちらを先に塗装してからマスキングを行い、それぞれの本体色を塗装すると上手くいきます。
胴体
合わせ目が目立つのは首周りと腹部のみで、その他は塗装後に組み込める構造となっています。肩甲骨部分のクリアーパーツは可動式のため、肩アーマーの動きを阻害しません。胸部と腹部の可動も、上体反らしや屈みが行えるほど幅広いです。腹部は表面処理のしやすさを考慮し、外装パーツとプレームに後ハメ加工を行いました。
腕部
肩周りの関節構造は、肩関節基部側のポリパーツせり出し、肩関節ブロックの二重ヒンジが用いられており、両手構えも決まるほど幅広い可動範囲を有するものです。合わせ目が出るのは肩関節基部と肩アーマー、前腕の3箇所で、肩アーマーは金のブロックを挟み込む基部の軸を部分的にカットして後ハメ化。金のブロックも軸受けにカットしたランナータグを接着し、取り付けた際のがたつきを抑えています。肩アーマー外装は目立つ部分の肉抜きをポリエステルパテ(以下ポリパテ)で埋めています。ヒジ関節はリングパーツがさほど厚くないため、軸にサフや塗料が付いていると、はめ込みの際に割れる恐れがあります。そのため、なるべく軸に塗料を乗せないようにするか、カンナかけで塗膜を落としながら勘合調整を行うとよいでしょう。その他の部分はほとんどが塗装後に組み込めます。PVC製の手首パーツですが、パーティングラインは600番のペーパーで消して、その跡を1000番のペーパーでならしておけば問題ありません。塗装はブイ・カラーで行い、各指の根元にある赤はマスキングが困難だったこともあり、下地を溶かさず、ある程度定着性のあるラッカー系塗料の筆塗りで対応しました。
腰部
腰はアーマー外周のフチの肉抜きをポリパテで埋め、なおかつ外側を薄く削りこんでいます。フライングベース取り付け用の穴を隠すパーツは、肉抜きをプラ板で塞いでいます。黒鳥形態では機首になるフロントアーマー裏側の肉抜きはポリパテで埋めています。
脚部
下に行くにつれて細身となってくる美しさと鋭角さを併せ持つ脚部。股関節は肩関節同様二重ヒンジ方式と横ロールの構造を有し、二重関節構造のヒザ関節、2箇所の接続軸可動と併用した足首関節との併用で、こちらも幅広いポージングをもたらしています。股関節は大腿部に挟み込む構造のため、下部を削って後ハメ化を行いました。これに合わせて、軸が入る部分の隙間もポリパテの削りカス、プラ板、黒い瞬間接着剤で塞いで密着度を高め、取り付けた際の外れにくさを実現しています。可動させた際に目立つ肉抜きはポリパテで埋めています。
ヒザ関節は変形の都合上大腿部側が外れるようになっているため、マスキングは楽に行えます。合わせ目が目立つスネは接着面積が小さいため、ここはなるべくスチロール樹脂用接着剤で接着し、合わせ目を消していく方が無難です。側面のクリアーパーツは凸部をエッチングノコでカットし、目立たないフチを削って勘合を調整しながら組み付けを行いました。足首は爪が入るグレーのパーツに後ハメを行い、爪は肉抜きをポリパテで埋めています。カカトの爪は強度維持のため、足の甲の赤は合わせ目消しの都合でそのまま組み込み、塗り分けはマスキングで対応しました。ヒザの突起は当初肉抜きを埋めようかと考えていましたが、埋めない方が正解であったのと、ヒザ関節の干渉を招く恐れがあったため、そのままとしました。
ウイング
本体に迫力を追加させている要素となるウイングですが、実はこのキットにおける一番の難所でもあります。安全な後ハメができるのは無加工でも後から組み込める先端部、加工を要する上部ブレードユニット、スタビライザーのみで、可動が多い本体は本文中でも触れていますが、定番のハの字加工を行うと、跳ね上げた際の保持力が確実になくなります。本文中でも触れていますが、光沢仕上げの場合、可動で隠れてしまう部分の塗りミスが見つかると、全体的な修正も余儀なくされるため、あえて合わせ目をモールド化し、「本体の余剰負念(マリス)を放出するためのスリット」に見立てるのもひとつの策です。それ以外の場合は、本体も含めてセミグロスブラックやつや消しブラックのみで済ませるのも良いかと思います。
先端部および先端から2番目と3番目のブロック上部には1ミリプラ板を貼って削り込み、シャープ化を行っています。装飾部が入る基部は合わせ目をモールド化し、塗装後に組み込めるようにしました。この装飾部も赤の部分を塗装した場合、クリアーパーツのはめ込みがきつくなってしまうため、カンナがけでフチを削り、メタリックテープと両面テープによる取り付けに変更すると良いです。
武器
通常版にも付属するインテクラル・ディスキャリバーは十分なサイズで再現されており、柄の長さも両手構えができるほどの適度な長さになっています。Premium Editionにはパースが付いた特殊表現パーツとディスキャリバーが追加され、特殊表現パーツと組み合わせた場合、伝統的な構えにさらなる迫力をもたらします。スミ入れと塗り分けのためのスジ彫り修正を行ったほかはすべてキットのままです。刀身の赤は下地を金にしたことで、本体との差別化を図りました。
黒鳥形態
黒神形態とは著しく各部の形状が異なるボディで構成されたパーツで、本体のウイング、リアアーマー、フロントアーマー、肩アーマー、前腕、ヒザ下を取り付け、足首に延長パーツをかませることで黒鳥形態が完成します。機体下部には3ミリ径のポリパーツがあり、ここにベース用の3ミリ軸を差し込んでディスプレイします。左右のブロックに存在する赤の部分は凸部を削って後ハメ化を行い、ここの目立つ肉抜きと肩アーマー、前腕を差し込むフレームの肉抜きをポリパテで埋めています。
■僕は辿り着く、あの門に
こちらの予想をはるかに超える難易度に加えて塗りミスの連発と、ゲーム本編同様の手強さを実感しましたが、その分1つ1つのハードルを越えた時の達成感も大きいものです。皆さんも独自の発想で取り組み、完成を目指してください。Premium Editonはメーカーおよび直営店での在庫がなくなり次第終了となりますので、お買い求めはお早めに!
カラーリングデータ
- 本体黒:GX2番・ウイノーブラック→GX100番・スーパークリアーIII
- 手首黒:2番・ブラック(ブイ・カラー)
- 本体金:ウイノーブラック→G122番・スターブライトゴールド
- 本体赤:ウイノーブラック→G121番・スターブライトシルバー→G41番・クリアーレッド+G42番・クリアーオレンジ少量+スーパークリアーIII少量
- 手首赤:158番・スーパーシルバー+クリアーレッド
- 本体銀:ウイノーブラック→スターブライトシルバー+G37番・純色バイオレット少量
- 本体グレー:72番・ミディアムブルー→XC5番・サファイアブルー
- 宝石状の部分:GX1番・クールホワイト→GX206番・GXメタルパープル
- 眼:クールホワイト→GX212番・GXメタルピーチ
- 武器赤:ウイノーブラック→スターブライトゴールド→クリアーレッド+クリアーオレンジ少量+スーパークリアーIII少量
- 武器金:ウイノーブラック→G10番・ブライトゴールド
- 武器緑:ウイノーブラック→スターブライトシルバー→138番・クリアーグリーン
- クリアーパーツが入る部分の一部:ウイノーブラック→スターブライトシルバー
※Gはガイアカラー。その他特に記載のないものはすべてGSIクレオス「Mr.カラー」、「Mr.カラーGX」、「Mr.メタリックカラーGX」、「Mr.クリスタルカラー」
DATA
シュロウガ・シン
- ノンスケールプラスチックモデル
- 全高:約181mm
- 価格:9,200円(税抜)
- 発売中
- 発売元:コトブキヤ
※フライングベースは付属しません。
シュロウガ・シン Premium Edition
- ノンスケールプラスチックモデル
- 全高:約181mm
- 価格:10,000円(税抜)
- 発売中
- 発売元:コトブキヤ
※インテグラル・ディスキャリバー特殊表現パーツ付属
※ディスキャリバー付属
※フライングベースR付属
※コトブキヤショップ限定品
関連情報
- スーパーロボット大戦 公式サイト
- コトブキヤ 公式サイト
- シュロウガ・シン コトブキヤ製品ページ
- シュロウガ・シン コトブキヤオンラインショップ
- シュロウガ・シン Premium Edition コトブキヤ製品ページ
- シュロウガ・シン Premium Edition コトブキヤオンラインショップ
- 第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇 シュロウガ・シン 全高約181mm NONスケール 色分け済み プラモデル
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