『フレームアームズ』レイダオ・ジィダオを使って、仕上げ方の違いを考える。<その2>~ディテールアップ編~

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製作・文●ちいたわからし/編集●電撃ホビー編集部

2016年10月末に発売された『フレームアームズ』(以下、FA)の新作「JX-25F ジィダオ」「JX-25T レイダオ」。作品世界の中で新型主力量産機と設定され、共通化された多くのパーツ組換えと一部パーツの変更によって、汎用主力機と砲撃特化機という用途の違う2種類の機体として発売中の本キットを、ちいたわからし氏が製作。

 

前回はあわせ目消しを行わない「普通に塗っただけ」の完成品でしたが、今回からキットを細かく工作していった仕上げ方の解説をしていきます……って、前回2016年11月16日更新ですからもう2カ月以上も経ってますけど! そこんとこどうなんですかね!

 

第1回:『フレームアームズ』レイダオ・ジィダオを使って、仕上げ方の違いを考える。<その1>

 

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ちいた:どうも、ご無沙汰しております。

 

編集部:大変ご無沙汰しておりますね。もう「あけましておめでとうございます」も言う感じじゃないですしね。てゆーか「よいお年を」も言ってませんでしたね。あ、年末年始の挨拶も必要ないってことですかね? おぉ、中々いい度胸っすね!

 

ちいた:ごめん、ごめんよぉ……。

 

編集部:さて、ひと通り言いたいことも言ったので、現在の進捗を見せてもらいましょう。

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ちいた:こんな感じです。

 

編集部:なんかフィン上のパーツがあちこちに付いていますね。見た目の情報量も増えていい感じなんじゃないでしょうか?

 

ちいた:前回、なんでこの工作をするのか? という点を中心に紹介したいと言いましたが、まずはなんでフィンを各所に増設したのかを説明していきますね。コトブキヤ商品ページの解説によると、「東アジア防衛機構が〈SX-25 カトラス〉をもとにOEM生産したとされる汎用主力FAである。」とあります。

>>「JX-25F ジィダオ」製品ページ

 

編集部:前回、バーゼラルドが元になったと紹介してましたね。

 

ちいた:というわけで、前回のレイジィダオとバーゼラルドを比べてみましょう。

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編集部:レイジィダオ小さい!

 

ちいた:そうなんです! そして、このサイズ差で同等の性能という設定なんです!

 

編集部:すげぇ、東アジア防衛機構驚異のメカニズムですね……。

 

ちいた:FAにおいて設定は、「楽しむための調味料」みたいなものなのでツッコむのも野暮なんですが、模型作りにおいてこういった「違和感」は自分の改造をするうえで絶好のキッカケになるのです!

 

編集部:で、これがどうして「フィンモールドを増設する」に繋がるんですかね?

 

ちいた:コレを見てください。

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編集部::下腕部分ですね。これがどうしたんですか?

 

ちいた:あ、違和感ないですか。私はここがスゲー気になるのです!

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編集部:何か意味ありげに凹んでますね。

 

ちいた:そうなんです! 意味ありげでしょ! フレームに装甲を被せてる機体なので、このサイズにどんな機能を内蔵できるのか? バーゼラルドなど他のキットに比べると小さい装甲だけどどういうことなの? 気になって夜も眠れない! Twitterでデザイナーさんに直接聞いちゃおうかしら!

 

編集部:うわぁ、面倒臭い人だ……。

 

ちいた:こういったことを自分なりに解釈して工作の方向性にしていきます。

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ちいた:まず、感じた違和感を脳内設定で整理します。

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ちいた:次に、具体的にどんな意図を付与させるか考えます。

 

編集部:ほうほう。で、なんでフィン形状なんですかね?

 

ちいた:普段の生活の中で、放熱部ってどんな形状をするか考えてみます。例えばコレなんかは分かりやすい放熱機構ですね。

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編集部:パソコンのヒートシンクですね。万人が見たことがあるかといえば疑問ですが……。

 

ちいた:1例だからいいの! せっかく工作するんだから、見る人にできるだけ想像しやすい形状を模すことで伝わりやすさを心がけます。他にもバイクのエンジン部とか、空気に触れる部分を薄く広くすることで冷却効率を上げる機構ですね。

 

編集部:「フィン加工で情報量を増す」ということはキャラクターモデルの改造で定番の1つですが、そういった意図がを示すことができるんですね。

 

ちいた:同じフィン形状でも、排熱の方向を整える整流板的なモノなどもあるので自分が「こうしたい」って意図に合った形状、工作を選択することでそのロボットの機械としての説得力が上がる気がします。

 

工作していこう!

ちいた:では、具体的に作業していきます。まずは基本のフィンの作り方から。

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ちいた:目的のサイズに合わせて必要数切り出していきます。

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ちいた:フィンの中の部分、外の部分を分けて切り出していきます。今回は0.5mmプラ板を使用しています。0.5×枚数になるので、必要なサイズが計算しやすいのです。

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ちいた:露出部分を考えながら貼り合わせていきます。今回は真ん中寄りの部分に貼っていますが、背面が見えないのであればどちらかに寄せてもいいでしょう。

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ちいた:重ねて接着していって……。

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ちいた:乾燥後にヤスリ整えて、基本形が完成しました!

 

編集部:なんだかサクッと完成しましたね。

 

ちいた:基本形ができてしまえば、ナイフやヤスリで好きな形状に加工もしやすいです。

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編集部:機体に配しているフィンは全部長方形から製作してるんですか?

 

ちいた:ソレだと複雑な形状は整えにくいので、ある程度目的の形状に合わせて切り出しています。特にココ!

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編集部:フィン形状が斜めに傾いてますね。

 

ちいた:こういうところはパーツに合うように配置するのが難しいので……。

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ちいた:斜めに組みあわせて、近いサイズのに切り出したプラ板を、治具を使って斜めに張り合わせていきます。

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ちいた:余分な部分を削ってサイズを整えます。

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ちいた:パーツに合うサイズに削って調整します。削り過ぎるとやり直しなので、慎重に作業します。

 

編集部:一気に面倒臭い感じになりましたね。

 

ちいた:面倒臭いついでにもう1パターン紹介しますね。

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ちいた:頭部の隙間にもフィンを配置しました。

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ちいた:形状的にもスペース的にも事前にパーツを作成するのが難しいので、現物合わせでプラ板を貼っていきます。

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ちいた:頭部がハマるスペースを削って確保します。

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ちいた:最初のままではフィンが厚いので、縁を削り込んで薄く見えるようにしました。

 

編集部:等間隔に並べるのが面倒くさそうですね……。

 

ちいた:大体平行に見えていれば、それでいいと思いますけどね。それよりもこっちのほうが面倒臭いかもです。

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編集部:うわっ彫ったんすか!?

 

ちいた:はい。彫りました。こうやっていくつかのパターンを使い分けることで全体にフィンモールドを配しています。ここからはどうやって組み込んでいるのか、分かりにくそうなところを説明します。

 

ちいた:胴体&腰部です。

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ちいた:今回使用予定のない3mm穴やチラッと見えてしまう肉抜き穴も埋めておきました。

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ちいた:脚部です。

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ちいた:脹脛部はサブジェネレーターのように思えるので、エンジン=超熱いという理屈で大量にフィンを配置。

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ちいた:脚装甲の隙間は冷却した気体を吹き出すような処理にしたかったので排気部を開口、パーツ内部にフィンを収めています。

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ちいた:腕部背面はスペースの都合上ディバイダーでアタリを付けて彫り込みで表現しました。取り急ぎ、今回はこんな感じで続きは次回ですかね。

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編集部:最後にもう一回全体像を見てみましょう。見たところ、フィン以外にも細かく弄ってるようですので続きは次回ということで。

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ちいた:ふふん、まだまだ説明できますけどね!

 

編集部:そういうことは、全て完成してからいいましょうね。(怒)

 

DATA

JX-25F ジィダオ

  • 1/100スケール プラモデル
  • 全高:約160mm
  • 設計:田村 充伸
  • 価格:4,200円(税抜)
  • 発売中
  • 発売元:コトブキヤ

 

JX-25T レイダオ

  • 1/100スケール プラモデル
  • 全高:約155mm
  • 設計:田村 充伸
  • 価格:4,200円(税抜)
  • 発売中
  • 発売元:コトブキヤ

 

関連情報

 

(C) KOTOBUKIYA

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