素組みでガンプラ!AFVモデルの製作【前編】
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
ここでは、EXモデル「マゼラアタック」を使い、AFV(装甲戦闘車両)を製作していきます。
本商品は他のMSなどと組み合わせられるよう1/144スケールでモデライズされています。1/144のAFVキットはかなりの小型モデルとなるのですが、マゼラアタックは全長が10mを超える大型車両のため、メカコレクションサイズよりもひと回り大きいくらいのサイズでキット化されています。また、通常カラーのダークグリーンとダークイエローのデザートカラーの2機セットとなっています。
AFVといえば、まずは脚まわりの製作。これは転輪のパーツで、外側と内側の2パーツで構成されています。外側・内側の両パーツとも、ゲートを1箇所だけ残し、ランナーから5個のパーツが付いた状態に切り取ります。
ランナーにパーツが付いた状態のまま、外側と内側のパーツを組み合わせます。この方法だと、一気に5個の転輪を組み立てられます。
その後、残ったランナーを切り離します。1両につき片側5個、両側で10個を製作します。
最後にゲート跡をヤスリで成形します。この時、ヤスリで削った面が平らにならないよう、転輪のカーブに合わせてヤスリを動かします。これで完了です。他にも起動輪・遊動(誘導)輪なども同じ方法で製作しましょう。
転輪をはじめAFVの各種車輪は、外側にゴムが装着されています。実際の戦車の中にはスチール転輪を装着したものもありますが、模型的には色数が多い方が華やかなので、外周部を黒く塗装します。
最も簡単な方法は段ボールなどに両面テープを貼り、外側部分を下にして固定します。その後黒いサーフェイサーを吹きつければOKです。
サーフェイサーが乾燥したらパーツを外し、車体に取り付けます。黒い塗装が少々はみ出しても、この後ハードなウェザリングを施すので、問題ありません。
次に履帯(キャタピラ)の製作です。これは履帯のランナーで、直線部分は一体成形されていますが、車両前後のカーブしている部分はパーツがバラバラになっています。
パーツを切り離すとわかりますが、履帯1ピースのもの、3~5ピースまとまったもの、10ピース以上一体になったものがあります。これらを組み合わせて製作していきます。ここは説明書の指示通り、履帯上側と下側をそれぞれ接着して2ブロックに組んでおきます。
この作業には速乾性の流し込み式接着剤ではなく、乾燥にある程度時間の余裕がある、通常の液体接着剤を使用すると調整しやすくなります。まずは履帯片側を車体に接着します。
その後、もう片側の履帯を乗せ接着します。この時、前方と後方のカーブにあわせて調整します。換装時間に余裕がある接着剤を使用したのは、この調整をしやすくするためです。作業が終了したら接着剤が完全に乾燥するまで待ちましょう。
脚まわりの製作が終わったら、車体上部の製作です。EXモデルシャープなディテールが特徴のキットなので、スミ入れとウォッシングでディテールを強調させます。使用するのはMr.ウエザリングカラー「グランドブラウン」と「ステインブラウン」です。
車体のスジ彫りや凹モールド部に面相筆を使い、Mr.ウエザリングカラー「グランドブラウン」を流していきます。ウォッシングのように薄Mr.ウエザリングカラーを全体的に塗布しても良いですが、繊細なディテールをより強調したいため、今回は丁寧にスミ入れします。
Mr.ウエザリングカラーが半乾燥状態になったら、うすめ液を付けた綿棒ではみ出し部分を拭き取っていきます。
基本塗装をしていないので、ラプロスやスポンジヤスリ、コンパウンドではみ出しを拭き取っても良いでしょう。ただしスポンジヤスリを使用する場合は、繊細なディテールを削ってしまわないように注意してください。
ここでは、デザートカラーのスミ入れには「グランドブラウン」より明るい「ステインブラウン」を使用しています。車体の色に合わせてスミ入れ色を変化させると、2両並べた時に変化が出て面白い効果が生まれます。ですが、どの色を使うかは個人のセンスで自由に選んで問題ないので、デザートカラーに「グランドブラウン」を使用してもいいです。むしろコントラストが強いメリハリの効いた効果が生まれます。
次回はさらに表面ディテールを強調し、ウェザリングを加えていきます。
⇒素組みでガンプラ! ~組み立ての基本から簡易塗装まで! おすすめプラモデルをきれいに作るコツ~(目次) へ
関連情報
関連記事
(C)創通・サンライズ