素組みでガンプラ!ガンダムデカールの貼り方【前編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』のラストに登場した「HG 1/144 MS-05S シャア専用ザクⅠ」を使用して「ガンダムデカール」の使用法を解説します。

 

01 02このS型のザクⅠは通常タイプと異なり、左肩アーマーに3つのスパイクが付き、右肩にシールドを装備しています。加えてオリジン版の特徴的なベルト給弾式マシンガンを持ち、ザクⅡと同形状のバックパックを備えた形状はMS-06を連想させる機体です。

 

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04せっかくなので今回は月面での戦闘でシャアが使用していた、通常のMS-05版「HG 1/144 ザクⅠ(シャア・アズナブル機)」も並行製作していきます。2機を並べることで「MS-05」→「MS-06」への進化と系譜を立体的に理解できます。MS-05S/MS-06Sとは異なり、シャアのパーソナルカラーである“赤”の配色がザクⅠ一般機のブルー&グリーンと同じパターンで塗られているため、新鮮な印象を与える機体です。

 

08-3HGシリーズのスタンダードとしてテトロンシールが付属しています。パーソナルマークや基本的なコーションマークが付属しており、1/144というスケールとしては十分な種類のマーキングが再現できるようになっています。

 

09 10テトロンシールは薄く、完成後もあまり目立たない素材ですが、大判マーク周辺の二スは多少目についてしまいます。また曲面に貼りつける場合、ある程度の柔軟性はありますが、曲率が大きいものにはなじみにくい素材でもあります。

 

そこで使用するのが「ガンダムデカール THE ORIGIN汎用①」です。

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本デカールはHG 1/144用で、〈シャア専用ザクⅡ〉〈シャア専用ザクⅠ〉〈局地型ガンダム〉〈プロトタイプグフ(戦術実証機)〉〈ドム試作実験機〉――の5タイプのマーキングが入っています。

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8-1 8-2それぞれ付属のテトロンシールに対応した同じものが入っているので、インストラクションと照らし合わせて貼るだけで、よりリアルにキットを仕上げられます。

 

デカールは「必要部分だけハサミで切り取り、水に浸して使う」のが普通ですが、今回はちょっと変わった貼り方をご紹介します。

11まずは必要部分の外周を、カッターで軽く切れ込みを入れます。このとき決してデカール台紙の裏側まで切らないようにしましょう。“上の皮1枚分”程度、カッターの刃を入れるのがコツです。

 

12その後、切れ込みの端にカッターの先端などでひっかけデカール台紙をめくり上げます。“上の皮1枚をめくる”感じです。

 

13その後ピンセットなどで、切れ込みをいれた必要部分をめくり取ります。

 

14最初は戸惑うかもしれませんが、写真で見るほど難しい作業ではないので、すぐにできるようになると思います。自信のない人は不要な部分や古くなって使っていないデカールなどで練習してみると良いでしょう。デカールの必要部分を台紙ごと切り抜いてしまうと、最終的に台紙がバラバラになってしまいますが、この方法だと最後まで一枚の台紙としてまとめて保管することができます。

 

めくり取ったデカールの裏側を見てみます。

15紙を剥がしているので、裏側は紙の繊維がむき出しになってケバ立っています。しかしこのケバ立ちは水を吸収する際の毛細管現象を促進するので、通常よりもデカールの剥離時間短縮につながります。加えて台紙自体も薄くなっているので、表面のデカールに水が到達する時間も短く、作業時間の短縮にもつながります。

 

この後の作業方法は通常と同じです。

16 17復習の意味も兼ねて改めて解説します。必要なものはお皿に用意した水とピンセット、キッチンペーパーやティッシュペーパーです。まずはデカールを水につけます。

 

18デカール台紙が水を含んだらキッチンペーパーなどの上に置いて余分な水分を吸い取らせます。前述のように、台紙の裏側がケバ立っているのであっという間に水を吸収します。

 

19デカールが台紙の上で動くようになったら(台紙から剥離したら)貼りたい箇所に台紙ごと移動させます。

 

21デカールの貼り位置が決まったら、デカールの端を指で軽く押さえ台紙を引き抜きます。

22こうすると、デカール本体がキットの表面に残ります。

 

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24最後に綿棒で余分な水分を吸い取りながらデカールを密着させれば完了です。

 

10枚以下のデカールを貼る場合、あまり作業時間は変わりませんが、キットが大型になれば、1キットに対し100枚以上デカールを貼ることもあります。この場合、1枚当たり5~10秒の節約が最終的に大きな時間短縮につながります。

 

曲面へのデカールの貼り方を説明する前に、合わせ目処理について触れておきましょう。

25 262パーツ以上を組み合わせた部分にデカールを貼る場合、合わせ目が未処理では段差や隙間が生じています。そのためにもゲートを含めきちんと処理しておくことをオススメします。

 

27 28 30曲面で構成された肩アーマーやスパイクは、丸・半丸といった棒ヤスリか、サンドペーパーなどを使用し、曲面を意識しながらヤスリがけしていきます。

 

合わせ目消しで消えてしまったスジ彫りは、ケガキ針やその他のスジ彫り用のツールを使って復活させましょう。

31 32ちなみに僕の場合はデザインナイフの先端を使ってスジ彫りを行います。スケールモデルなどの繊細な彫刻の場合は専用ツールを使用しますが、キャラクターモデルの場合はデザインナイフで処理することが多いです。

 

33 34上手に作業を行えば、無塗装でも合わせ目はかなり見えにくくなります。

 

35こちらは通常の05ザクの肩アーマーです。成形色が05Sよりも濃い赤ですが合わせ目はほとんどわからなくなっています。肩アーマーなどは合わせ目がない方が自然な処理といえるので、肝心なポイントだけはきちんと作業するといいでしょう。

 

46ラインデカールは細く切れやすいので注意して貼りましょう。特にスパイクの外周に貼る場合は始点と終点がキチンと重なるように位置決めしてください。

 

47肩アーマー側面には緩やかな曲面にデカールを貼ることになります。曲率はそれほどキツくないので、きちんと貼ることができます。

 

48しかし、より確実に曲面に密着させたい場合は「マークソフター」を使用するのがいいでしょう。初心者の方にはデカールの軟化具合も激しくなく、接着効果もある「マークセッター」をオススメします。

 

49 50デカールの上から「マークセッター」を塗り、しばらくしてデカールが軟化したら、優しく綿棒などで曲面に密着させれば作業終了です。

 

44 45先ほどのラインデカールは、スカートの外周やソール部などにも貼り込みます。貼る際はラインがきちんとつながるように、それぞれの貼り位置には十分注意をしてください。

 

36ここまで作業した状態のデカール台紙です。台紙そのものを切り抜いていないので、1枚の台紙として残っています。さらに台紙1枚を全体的に見ることができるので、まだ貼っていないデカールや、未作業の部分が一目瞭然。作業の進捗状態が把握でき、貼り残し・貼り忘れの防止にもつながります。

 

後半も残りのデカールの貼り方について解説していきます。

 

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(C)創通・サンライズ

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