素組みでガンプラ!成形色を活かしたフィニッシュの基本工作【後編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回も成形色を活かした組み立て方法のコツを解説。今回は合わせ目消しも含めて、残りの作業を行っていきましょう。

 

※バックナンバーもあわせてご覧ください。

 

 

合わせ目消しの前に、パーツを加工することで部分塗装を回避する方法を解説。これは肩アーマーのサブスラスターです。これはMGオリジナルの設定ですが、スラスターなのでこのままではグレーに塗装する必要が発生します。そこでこのモールドを削り落して、アニメ設定に合わせた形状にしてしまいましょう。こうするだけで部分塗装を回避可能。ときにはこのような思い切ったアレンジを加えることも必要です。

 

さて、問題の合わせ目消しです。頭部は前後分割になっているので、この部分の合わせ目を消す必要があります。今回は流し込み接着剤を用いて作業します。

 

まずは前後のパーツを合わせます。このとき髪の毛1本分くらいの隙間を残しておき、この部分に流し込み接着剤を入れます。その後両パーツを圧着して、接着剤で溶けたプラがはみ出すように組み合わせます。

 

このはみ出した接着剤を削ることで合わせ目を消せます。やはり最初は棒状のヤスリではみ出しを削り、その後紙ヤスリなどで傷を消すようにすっていきます。その後目の細かいスポンジヤスリなどで表面を磨いておくと、より平滑な表面に仕上げられます。

 

これで作業終了です。合わせ目部分を段落ち処理してしまうのも1つの方法ですが、頭部のデザインを考えると、やはり合わせ目がきれいに消えているほうが好ましいでしょう。

 

最後にちょっとしたディテールアップを紹介します。シャアのゲルググには頭部にブレードアンテナが存在。このパーツをシャープに削ると見栄えをよくできます。

 

このような工作はパーツ全体を薄く削るのではなく、先端部分のみ薄く削ることで効果を生み出します。パーツ強度を保つためにもこの方法が適しています。パーツの先端部分を刃物のように薄く削るだけで終了です。

 

トップコートを吹いて完成です。トップコートを施すと、ヤスリ作業でできたパーツ表面のツヤ感が均一になります。加えてパーツの発色も変化するので、見た目的に塗装を行ったように色味が変化。機体の色にもよりますが、半ツヤ程度が好ましいでしょう。今回は変化の違いがわかりやすいようにツヤ消しをコートしています。ウェザリングなどを施す場合は、トップコートを一度吹いたあとに行います。

 

最後に余談ですが、シャア専用の機体についてキットによる成形色の違いを比べてみましょう。このゲルググはVer.2.0、ザクはVer.1.0です。キットによってシャアピンクの色合いが大きく異なることがわかります。

 

これは今回製作したONE YEAR WAR 0079版のゲルググと、ザクVer.1.0を並べたものです。この成形色の違いが、合わせ目消しの効果に大きく影響を及ぼすことがあります。合わせ目がきれいに消える成形色と消えない成形色が存在し、今回ONE YEAR WAR 0079版を使用ししたのも、その理由からです。

 

また使用する接着剤によっても、合わせ目の消え方に変化が現れます。これは「FG 量産型ザク」のモモパーツですが、左は流し込み接着剤、右は通常の接着剤を使用したものです。一見しただけで合わせ目の消え具合の違いがわかります。じつは誤解されがちなのですが、成形色によっては流し込み接着剤よりも通常の接着剤のほうが合わせ目をきれいに消せる場合もあります(今回製作したゲルググは成形色がパステル調ピンクなので、流し込み接着剤でもきれいに消せるので流し込み接着剤を使用)。

 

塗装せずに合わせ目を消すことは、それだけ条件と使用する材料に左右されるということ。合わせ目消しはそれだけ奥が深いので、次の機会にいろいろと検証してみたいと思います。

 

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