模型づくりにも役立つ!?プロライダー宮城光氏がRC213V試乗体験を語る!

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2016年3月12日に新橋のタミヤプラモデルファクトリーにおいて、「タミヤ 1/12 レプソル Honda RC213V ’14」の発売記念トークショー(入場・観覧無料)が開催された。ゲストとして招かれたプロライダー宮城光氏(写真左)の貴重な実車体験談に、詰めかけた多くのバイクファンや模型ファンは興味深く聞き入った。

 

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タミヤから3月26日に発売が予定されているプラモデル「1/12 レプソル Honda RC213V ’14」(税込4,320円)は、マルク・マルケスが駆り2014年のモトGPチャンピオンとなったマシンを1/12 スケールで忠実に再現したもの。

 

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キットは2014年のモトGPで18戦中13勝をあげた、ゼッケン93番のマルク・マルケス車を徹底再現。

 

宮城氏のHonda RC213V試乗体験とは?

ゲストの宮城光氏は、昨年ツインリンクもてぎで実車のレプソル Honda RC213V ’14に乗った体験談を披露。「1速から6速まで、ずっとフロントタイヤを10センチほど浮かせたままウイリーをさせたのですが、これは電子制御されたウイリーコントロール機能のなせる技。でもコレ、見た目は迫力があって速そうなのですが、電子制御が入っているということで実は遅いんですよ(笑)。マルケスなどの現役GPライダーはウイリーコントロールが入るギリギリ手前で、効率的な加速をするんです」と、元GPライダーらしいコメントを披露。

 

05宮城光氏はバイクレースファンなら誰もが知る伝説的人物。元ホンダのワークスライダーで、現在は日本テレビのモトGP解説や、ホンダコレクションホールのテストライダーなどで活躍中。

 

06昨年2015年、ツインリンクもてぎで実車のRC213V ’14を試乗。近代GPマシンの電子制御されたメカニズムやタイヤの進化に驚いたという。

 

また、宮城氏は小学3年生の頃に、近所の模型店でタミヤ初のバイク模型である「1/6 Honda ドリームCB750FOUR」の完成品を観て以来のタミヤファンとのこと。「精巧につくられたこの模型が大好きで、バイクに興味を持つきっかけにもなった」とバイク模型との出会いのエピソードを語った。

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バイク模型RC213Vが出来るまで

トークショーの後半では、「1/12 レプソル Honda RC213V ’14」の開発を手掛けた、タミヤ 企画開発部の古谷隆久氏が、こだわりの開発手順を披露。

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09実車のデータをとるために色々な場所に出かけて写真を撮影し、その写真をもとに、PC上でスケールをあてて実際の寸法やエンジンレイアウトなどを検証しいくとのこと。

 

宮城氏曰く、「これやられるとレースメカニックやエンジニアは嫌がるんですわ~、僕も取材時には内ポケットにスケールを入れて入るんですが、さすがに実車にスケールを当てる度胸はないです」(笑)。

 

011CADでつくったデータをもとに、3Dプリンターで出力した立体モデルを使って各パーツの合いなどを検証。

 

随所に見られる模型ならではの工夫

しかし、実車を1/12に縮小しただけではバイク模型としては無理が出てくるとのこと。例えば、実車のカウルの厚さは約1ミリほどだが、模型のパーツはプラスチックの強度の関係上平均的な厚さが1ミリ。そこで、エキゾーストパイプなどと干渉する、アンダーカウル内側は薄く加工。カウルやウインドーシールドなどの縁も薄くすることで、スケール感を損なわないように工夫しているのだそう。

 

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013透明パーツであるウインドーシールドには、接着剤を使わずに固定できるような配慮も。

 

開発も大詰めにさしかかった頃、テスト組み立て中に問題が発覚! それは“ブレーキディスクとキャリパーが干渉すること”。通常、バイクモデルはフロントタイヤにブレーキディスクを取り付けてから、ディスクにキャリパーを挟み込むかたちで組みあげる。しかし、近代GPマシンであるRC213Vはブレーキディスクが大きすぎるために、プレーキキャリパーを後から取り付けるという通常の模型製作手順をとることができず、泣く泣くキャリパー裏の刻印を削ることで対応。最終的には“模型としての組み立て安さを優先”した設計にしたとのこと。

 

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014bこの話を聞いた宮城氏は「実車のブレーキディスクは340ディスクと320ディスクのふたつがあって、340がまさにこのとおり。メカニック達もブレーキディスクにキャリパーを挟み込んでから、ホイールに取り付けていました」と実車のメンテナンス方法を紹介。

 

さらに、マルケス車の特徴のひとつである、開き気味のハンドル角を忠実に再現している点に関心しつつも、「本当に良く実車を検証している。ホンダのライバルチームに、この模型の基になった分析データを売り込むのとか止めてくださいね?」と、会場に詰めかけたギャラリーの笑いを誘っていた。

 

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最後に宮城氏は「バイクでレースを始めた頃には、タミヤのYZRケニー・ロバーツモデルをつくり、車体を捻ったりして、コーナリングをイメージしていました。こういう事が出来るのも、緻密に検証し設計された精巧な模型の楽しみ方のひとつだと思います」と、自身のバイク模型への思い出で締めくくった。

 

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このトークショーの模様はYouTubeのタミヤ公式チャンネルでも配信予定とのこと。RC213Vの製作はこのトークショー動画アーカイブや、宮城氏解説によるモトGPの中継を見ながら行なうと、さらに楽しい模型づくりができること間違いナシですよ!

 

DATA

【1/12 オートバイシリーズ No.130レプソル Honda RC213V ’14】

  • 発売日:3月26日ごろ
  • 価格:4000円(税抜)
  • 発売元:タミヤ

 

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