素組みでガンプラ!MG 1/100 高機動型ザク “サイコ・ザク” Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)の製作方法 前編

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

ここでは「MG 1/100 高機動型ザク “サイコ・ザク” Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)」を使って、主にデカールの貼り方を説明します。

 

キットの特徴や組み立て方は別記事(⇒【ガンプラ新作レビュー】MG 1/100 高機動型ザク “サイコ・ザク” Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)を作ってみた!!! )をご覧ください。

 

006 010「Ver.Ka」のキットといえば、精悍なスタイリングと、精密なマーキングが魅力のシリーズです。本キットにも通常のテトロンシールやガンダムデカール(ドライデカール)ではなく、精密なマーキングを再現できるよう、本格的な水転写デカールが入っています。水転写デカールを貼るのが苦手な人もいると思いますが、貼り痕が目立たず、よりリアルにマーキングを施せるのが水転写デカールの特徴。みなさんにもぜひチャレンジしてもらいたいので、デカールの貼り方を紹介していきたいと思います。

 

022014 025これがキットに付属している水転写デカールです。国章やラインマーキングに加え、コーションマークがずらりと並んでいます。

 

さらに、現在、鏡面仕様のメタリックシールがもらえるキャンペーンを実施中。このプレミアムデカールは、MG Ver.Kaのキットに付いています。なくなり次第終了なので、この機会をお見逃しなく!(⇒キャンペーン詳細:ガンプラ「MG Ver.Ka」に鏡面仕様のプレミアムデカールが付属するキャンペーン!全国の模型店で12月16日開始

 

 

デカールの貼り方を説明する前に、ちょっと話がそれますが、本キットの製作ポイントとなる点を紹介しましょう。

031GUNDAM THUNDERBOLT版キットには他のシリーズには見られない特殊な仕様となっている部分があります。関節と動力パイプに施された“シーリング”です。ミリタリーモデルではよく目にする“キャンバス表現”をMGではビニール素材で再現しています。

 

042シーリングは熔着され円筒形になっています。加工前に爪楊枝などで口を開けておきます。

 

説明書のとおり、パーツに直接通して“シワ”を付けても良いのですが、よりリアルなシワを施すのにおすすめの方法があります。まず一番細い動力パイプ用のパーツでチャレンジしてみましょう。

045 048 051直径3ミリのプラ棒をビニール素材に通して、両端を中央部に向けゆっくりと押すと“シワ”がつきます。皆さんも“紙袋に入ったストロー”の袋をクシャクシャとやった経験があると思います。あの要領です。

 

054次にヒジ関節とヒザ関節用のシーリングです。ここではマジックペンを使い“シワ”を形作ります。ヒジ用にはスタンダードな太さのマジックを使い、ヒザ用には極太マジックを使用しました。作業を行うビニール素材よりも少々細めのものを使うとピッチの細かい“シワ”を作ることができます。

 

059これはヒザ用のビニール素材に、先ほどヒジ用に使用した細めのマジックペンで“シワ”を付けたものです。このようにビニール素材と中に通したマジックがブカブカの場合、ピッチが広い“シワ”が発生しますが、もちろん失敗ではありません。このような“シワ”が好みであれば、これで正解です。

 

065それぞれのシーリングが完成した状態です。リアルな“シワ”を作るのに参考にしてください。

 

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0069_161220さて、もうひとつコツがあります。動力パイプはともかく、ヒザ・ヒジの関節は可動するため、この薄いビニールにかかる負荷を軽減させておくに越したことはありません。そこでヒザ・ヒジの関節のフレームパーツ、そのエッジ部分や不要な突起モールドを削っておくと良いでしょう。

 

076 078それぞれの関節にシーリングを通した状態です。特殊な素材を使用することで、ディテールと可動を両立した見事な構造です。この“シワ”付け作業は慣れてくると楽しくなってきますよ(笑)。

 

089工作が終わったら、いよいよデカール作業に移ります。本キットに付属のような大判デカールは、このまま水に浸けてはいけません。必要部分だけを切り取り水に浸けていきます。大きさにもよりますが、最多でも5枚程度切り離して作業するようにしましょう。

 

090 093お皿に水を入れ、切り離したデカールを水に浸します。表面だけでなく、裏面も水に浸けて、しっかり台紙に水を含ませましょう。

 

095水の中にデカールを浸けたままにしてはいけません。デカールにじゅうぶん水を含ませたら、ティッシュペーパーなどの上に乗せて余分な水分を吸い込ませ、台紙とデカールが剥離するのを待ちます。約1分でデカールが台紙から剥がれます。慌てるとデカールが切れてしまうので、じっくり待ちましょう。

 

099デカールが台紙から剥がれて動くようになったら、ピンセットで台紙ごと貼る場所に持っていきます。

 

100 103その後、デカールの端を指で押さえ、ピンセットで挟んだ台紙を引き抜きます。そうすればデカールを傷めることなく上手に貼れます。

 

0107 109指でデカールをそっと動かし、貼り位置を確定します。その後、綿棒で余分な水を吸い取りデカールを固定します。綿棒は平行移動させるのでなく、デカール表面を転がすように動かします。通常の拭き取りのように綿棒を動かすと、やはりデカールが破れてしまいますので注意しましょう。

 

111これでデカール貼りの基本は終わりです。この方法で貼れば大きなマーキングでもデカールを適切な位置に貼ることができます。デカールはとても薄く破れやすいのも確かです。しかし、この薄さが不自然な貼り跡や段差を生じさせず、リアルな書き文字や部隊マークを模型に再現できるのです。ぜひみなさんもチャレンジしてみてください。

 

後編では、デカールの別の貼り方や少しイレギュラーな位置への貼り方を紹介したいと思います。

 

 

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