「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その4>
コトブキヤの人気オリジナルコンテンツの『フレームアームズ』より、倉持キョーリュー氏による新たなデザインで構成されたバルチャーの製作をお届けする、製作記事第4回!
今回は各種『フレームアームズ』や、M.S.G(モデリングサポートグッズ)を使用して、電撃ホビーウェブならではの「オレバルチャー」を形作っていきます。
■モデラー:ちいたわからし……電撃ホビーマガジン2015年7月号ではフレームアームズ・ガール 轟雷の作例も担当した、フレームアームズ大好きモデラー。
■第1回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その1>
■第2回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その2>
■第3回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その3>
編集部:さて、第4回目です。さすがに発売から時間が経ってくると、各所で「オレバルチャー」が上がっていますね。
ちいた:そうですね。ストレートな製作例より先に「オレのバルチャーの楽しみ方」みたいな自由な画像が上がっていて見ていて楽しいです。
編集部:早い方はもう塗装込みで完成されている作品もチラホラ……(チラッ)。
他所様とのネタ被りとかも気になりますし、なるべく早めに完成品の記事をあげたいな~(チラッ)。
ちいた:あ、その辺は大丈夫です。
編集部:なぜですか?
ちいた:ほら、今月はコミケがあったじゃないですか。
『フレームアームズ』のファンは大多数が男性ファンです(ちいた調べ)。
きっと今頃は戦利品を楽しむのに忙しくて、模型どころじゃないです。
編集部:……あなたは大丈夫なんですよね?
ちいた:……。
で、では気を取り直して前回のおさらいから……。
編集部:前回予告画像で使った画像ですね。
ちいた:バルチャーを最初に見たときに、コレがやりたかったんですよ!!
編集部:お、おう……急にテンション上がりましたね?
ちいた:『フレームアームズ』って制作を楽しむための最低限のストーリー(設定)はありますが、作る方各々が自由に「オレがカッコイイと思うメカ」を追求できる懐の深さがあるんですよね。
幸いコトブキヤさんにはそのイメージを形作るのに便利なM.S.Gも豊富に発売されているので、私は鳥は鳥でも「怪鳥」をイメージして製作しました。
編集部:確かに禍々しさが強調されて、怪しい感じになってますね。
ちいた:素のバルチャーに戻せるように追加パーツで構成してますが、元のM.S.Gから加工しているパーツも多いので、パーツ別に紹介していきますね。
編集部:これは、前回紹介した「ユナイトソード」の基部を使用した電池BOXですね。
ちいた:はい。上部を5ミリプラ四角棒に変更しウィルバーナインのブレード部を取り付けて、ロボ形態ではロングヘアーに、鳥形態では尾羽に見立てています。
※参照:コトブキヤ RF-12 ウィルバーナイン 製品ページ
※参照:コトブキヤ RF-12/B セカンドジャイヴ 製品ページ
ちいた:次は頭部です。
頭飾りの位置を後頭部から背中に変更したので、隙間を埋めるカバーパーツを製作しました。
編集部:ちょっとヘアバンドっぽくもありますね。
ちいた:そうですね、塗装でその辺ちも活かせればいいなと思っています。
ちいた:バーニアノズルIVの一番大きいモノを分割し、ひっくり返して再接着して形状を作っています。頭部との接続箇所は多少強度が欲しい箇所なのでシンチュウ線で補強しています。
※参照:コトブキヤ P-122 バーニアノズル IV 製品ページ
ちいた:お次は爪です。こちらはスカルマサカーのパーツを使用。
※参照:コトブキヤ ヘヴィウェポンユニット07 スカルマサカー 製品ページ
ちいた:クローっぽさを増したかったので左右で2セット分使用していて、基部は展開できるようにプラ材とフリースタイルシールドの連結基部を加工して使用しています。
※参照:コトブキヤ MW-19 フリースタイル・シールド 製品ページ
編集部:これ、接続機部はどうなってるんですか? 軸がふさがっているように見えますが。
ちいた:そんなに保持力が必要な箇所ではないので、塗装の便を考えネオジム磁石を使用しています。磁力と摩擦だけで保持してるので力は無いですが、ポーズを決める程度なら充分だと思います。
※参照:ハイキューパーツ ネオジム磁石 N52 丸形 直径3ミリ 製品ページ
ちいた:さて、次は股間……もとい鳥頭です。
編集部:なぜ言い間違えた!?
ちいた:スカルマサカーのパーツですね。そのまま使用しても良かったのですが、こか……首のフレームが露出すると貧弱そうな気がしたので、ここも分割したバーニアパーツでカバーを作っています。
股間にカバーを作っています。
編集部:なぜ言い直した!?
……なんか今回、下ネタ多くないですか?
ちいた:気のせいですよ(すっとぼけ)
ちいた:最後は鳥形態で翼になる鎌です。
ちいた:スカルマサカーとフレズヴェルク=アーテルの鎌を加工して、塗装時に楽なように後ハメ加工をしながら構成しています。
※参照:コトブキヤ NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル 製品ページ
編集部:折りたたんだ状態は斧っぽい感じもしますね。
ちいた:そう言ってもらえると嬉しいです。フレズヴェルク=アーテルの鎌が「斧・鎌・槍」と形態を変える設定の武器なので、その意匠を残すようにしました。
ちいた:ちなみに、刃の接続パーツは接着強度が心許なかったのでシンチュウ線を通して接着しています。
編集部:変形の度に動かすパーツですからね。「完成して遊んでいたら壊れた」なんて悲しいことにならないよう大事な工作だと思います。
ちいた:編集部に預けて撮影していただく機会も多いので、別の方が触っても壊れないような配慮は大事にしています。
ボクの場合は心配性なので、さらにプラ板で挟んで強化しました。
編集部:昨今はコンテストや展示会など、実物を持ち運ぶ機会も多いですからね。破損対策を講じておくことは良いことだと思いますよ。
ちいた:鳥形態時、本体との接続は加工したスカルマサカーの接続機部に引っ掛けて、つま先と斧の先端をネオジム磁石2ミリで固定しています。
※参照:ハイキューパーツ ネオジム磁石 N52 丸形 直径2ミリ 製品ページ
編集部:カカトの接続機部だけじゃ駄目なんでしょうか?
ちいた:カカトのベリルベーンを外して固定用のパーツを作ったのですが、塗装ハゲが怖かったのと、負荷がかかりすぎる気がしたので、ココは引っ掛けるだけにして最終的な固定はネオジム磁石に任せてます。
さて、追加パーツの説明は以上です。素のバルチャーと比較してみましょう。
編集部:重装備感はありますが、意外とシルエットは変わらないんですね。
ちいた:あくまで追加パーツですからね~。でも後ろから見ると……。
編集部:おぉ! ゴチャッとしている!
ちいた:追加装備が背面に集中しましたからね。
塗装前ではありますが、正面と背面でシルエットの変わる面白いバルチャーにできたかと思います。
編集部:鳥形態もこうやって比べると凶悪になってるのがわかりますね~。
ちいた:後は塗装でどんな感じに仕上げられるかですね。
編集部:おぉ……! やっと完成が見えてきましたね!
ちいた:はい。さすがにに5回目なのでそろそろ完成させないと……。
編集部:あれ? でも塗装編とか、説明できることはまだありますよね?
ちいた:ボク、気づいたんすよ。
編集部:何を?
ちいた:右手にエアブラシ、左手にパーツを持つとカメラ持って撮影できない!
編集部:……いや、そこはスタンドとか使いましょうよ!
というわけで、やっとこさ完成が見えてきたバルチャー作例。
次回最終、塗装&完成編もよろしくお願いします!
<DATA>
XFA-CnV バルチャー
■1/100スケールプラスチックキット
■全高:約165ミリ
■価格:3,800円(税抜)
■設計:毛利 重夫
■発売中
■発売元:コトブキヤ
※コトブキヤショップ限定:XFA-CnV バルチャーをお買い上げごとに、特殊メッキ加工の「エナジーウイングパーツ」をプレゼント(配布期間:バルチャー発売日より、特典がなくなり次第終了)
<関連情報>
アーキテクトマン公式twitter @faman_type001
■第1回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その1>
■第2回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その2>
■第3回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その3>
■第5回記事:「XFA-CnV バルチャー」(コトブキヤ)を作る<その5>
(C) KOTOBUKIYA