なりきりアイテムにしてロボットにも合体するオミコシフェニックスの制作秘話とは――バンダイ企画担当者寺野彰氏×山本瞳依氏インタビュー!
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場するDXオミコシフェニックスは、ドンモモタロウのパワーアップアイテムにして、ドンオニタイジンとも合体する新たなアイテムだ。玩具としてもDXドンブラスターやDXドンオニタイジンと連動し、新たな遊び方を提案するこのDXオミコシフェニックスは、どのように開発が進んでいったのだろうか? バンダイ企画・開発担当の寺野彰氏と山本瞳依氏にお話を伺った(文中敬称略)。
――オミコシフェニックスは、昨年のゼンリョクゼンカイキャノンに続くなりきりアイテムでありロボットにも合体する商品ですね。
寺野:『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ではアバタロウギアを中心になりきりアイテムにも力を入れているので、DXドンブラスターとの赤外線連動ができるアイテムを企画しました。一方、DXドンオニタイジンには昨年と異なりELが入っていなかったので、合体したらその要素も入れられるように計画していきました。
――DXドンブラスターのレールにはめることで、サングラス部分が重なるのも面白いですよね。
寺野:サングラスが特徴の作品ですから、強化するならそこ、ということで(笑)。
山本:DXドンブラスターに合体させてからギアをセットすると、ゴールドンモモタロウのパワーアップ音声が発動します。また、お尻にあるドンブラザーズマークのボタンを押すと必殺技音声が流れる仕組みです。DXドンブラスターだけでも近年放送された11戦隊の変身音声が鳴るギミックがありましたが、DXオミコシフェニックスと合体させると各戦隊のパワーアップアイテムの音声が発動します。さらにドンドラゴクウのアバタロウギアを入れると、龍虎之戟に入っていた音声も鳴るんですよ。
寺野:テクニカルな話をすると、実はレールにDXオミコシフェニックスを装着させた状態だと、DXドンブラスターからは音が出ないようになっているんですよ。DXドンブラスターからはギアを読み込んだ信号をDXオミコシフェニックスに送っているんです。その信号を受け取ったDXオミコシフェニックスは、そのIDに即した音を鳴らしているんですね。
――どちらも濱野大輝さんが声を吹き込んでいるので、鳴る場所が変わっていても自然に聞こえますね。
山本:付属する「ロボタロウギア 暴太郎極」を読み込むと、ロボットの合体音声も楽しめるようになっています。
寺野:普通でしたら、最終なりきりアイテムに付くギミックはこれで終わるはずなんですよ。
――今回はそれだけにとどまらず、DXドンオニタイジンとの合体要素がありますね。
山本:合体自体はとてもシンプルなものですが、余剰パーツはありません。ゴールドンオニタイジンになっても手持ち武器のギアを操作することで合体音声を楽しめます。合体遊びだけじゃなく音声遊びもできるようになっている点も、『ドンブラザーズ』の「やれるだけやってやろう感」だからこそです。
寺野:DX虎龍攻神の開発中から、いろんなアイディアをプレックスとうちの設計チームでブレストし合う環境ができました。その結果、DXオミコシフェニックスはこのような形になりました。
――DXオミコシフェニックスが武器と頭と胸のアーマーになっていて、実は腰から下は何もついていないんですよね。それでも、強化された印象が強くなっています。
寺野:これは僕や(デザインを担当した)プレックスの鶴巻(拓也)さんがBB戦士世代だからかもしれません。頭と胸が変わっていると、全体が強化された印象を受ける。
――DXオミコシフェニックスは、数種類の金色を使って塗り分けがされていますね。
山本:DXオミコシフェニックスは企画提案時から、かなり色が変わりましたね。というのも、最初は白が多くて、ところどころに金色が使われているくらいだったんです。その後、東映様とオミコシの上の鳳凰のイメージを加えた相談をして、最終的に今のような色になりました。
寺野:同じ色だったとしても素材ごとに異なる色味になることがあるんです。なので、全体の統一感やパーツごとに考えながら、主に四種類の金色を使い分けていきました。
山本:工場ともいろいろ調整させていただきましたね。かなりリッチな見た目になったと思います。
寺野:山本は「本当にコストがつらいんですが、メッキだけは外せません!」って常に言っていて。最終的に綺麗な見た目になったので、とても良かったですね。
――単体としても見栄えがいいし、DXドンブラスターやDXドンオニタイジンに合体した状態としてもとても遊びがいのある、素晴らしいアイテムに仕上がっていると思います。
寺野:スーパー戦隊の商品といっても、なりきりアイテムと合体ロボットはどちらか一方しか持っていないお子さんもいらっしゃると思います。なので、どちらにもどのような環境でも楽しんでいただけるように考えた結果が、このDXオミコシフェニックスなんです。
山本:成型色から塗装色まで、いろんな試行錯誤をした上でできたアイテムです。どの金色を使うのか、纏めることにとても苦労しました。だからこそ、愛の詰まったアイテムに仕上がったと思っています。
寺野:ぜひその結晶をお手に取っていただけたら嬉しいです。
そんな「DXオミコシフェニックス」は、10月15日より全国の店舗で発売開始。DXドンブラスターやDXドンオニタイジンとの合体を果たす、超ド級アイテムをその手で楽しもう!!
DATA
DXオミコシフェニックス
- セット内容
DXオミコシフェニックス本体…1
ロボタロウギア暴太郎極…1 - 使用電池:ボタン電池(LR44)3個(付属) ※セットされている電池はテスト用です。
- 価格:7,150円(税込)
- 発売元:バンダイ
- 2022年10月15日発売予定
※本商品に付属するもの以外すべて別売りです。
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