素組みでガンプラ!【基礎】ビルダーズパーツHDを使った改造方法 後編
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
ここでは「1/144 HGUC MS-07B3グフカスタム」を用いて、ガンプラのビルダーズパーツHDを使ったディテールアップ方法を紹介します。
前編では「MSパイプ」の使用方法を紹介しました。後編となる今回は「MSハンド02(ジオン系)」を使って、さらなるディテールアップをしてみましょう。
MSハンドには〈平手〉〈握り手〉〈武器持ち手〉の3種の手首が左右それぞれ入っています。パーツは〈手首〉〈手甲〉〈ジョイント〉の3ブロックに分かれており、塗装も考慮したパーツ分割となっています。
キットに付属している手首と「MSハンド」の比較。その精密なディテールは一目瞭然です。グフカスタムにセットされている手首もかなり良い形状をしているのですが、「MSハンド」はよりメカニカルなディテールが施されているのがわかります。
今回は塗装しないので〈手甲〉にスカイブルーのパーツを使ってみます。サイズも同じなので、取り付けピンを少々加工するだけで簡単に取り付けることができます。
前腕との取り付けに使う〈ジョイント〉は直径3.0ミリと3.5ミリの2種類が用意されているので、使用するキットに合わせて使い分けましょう。近年のキットの場合、ほとんど直径3.5ミリで問題なく取り付けられます。
手首と動力パイプをビルダーズパーツHDに交換したグフカスタムです。キット自体のポテンシャルは高いとはいえ、ビルダーズパーツHDを使用したことにより、さらにリアリティが増しています。グフカスタムの動力パイプは本体と同じスカイブルーなのですが、F2型ザクのようにグレーの動力パイプも魅力的な仕上がりです。
さて、「MSハンド」にはジオン系のほかに「MSハンド01(連邦系)」も発売されています。パーツの構成やパーツ分割は同じです。
こちらもかなり良い手首パーツが入っているのですが、やはり「MSハンド」の方がより繊細でメカニカルなディテールが施されているのがわかります。
先ほどの〈ジオン系〉との比較です。〈ジオン系〉の指は断面が丸いのに対し、〈連邦系〉の指は断面が角ばっています。他にも掌のディテールが異なっているほか、〈手甲〉も〈ジオン系〉は全体が丸みを帯びているのに対し、〈連邦系〉はエッジの効いた角ばった形状をしています。
〈手甲〉はキットのオリジナルパーツを使い、色分けされた部分を無塗装で再現します。左手は〈握り手〉、右手は〈武器握り手〉を使用。
手首はモビルスーツの演技力や表情を大きく反映する部位です。パーツを交換しただけでも、完成品の表現力は大きく変わります。
さらに〈連邦系〉の「MSハンド」にはサイズ違いが2タイプ用意されています。
「MSハンド03(連邦系Sサイズ)」と「MSハンド04(連邦系Lサイズ)」です。
前者は設定全長18メートル以下の小型モビルスーツ用でスタンダードサイズに比べ90%の大きさです。後者は18メートル以上の大型モビルスーツ用で、スタンダードタイプと比べ110%の大きさとなっています。連邦系のモビルスーツは時代によって大きさが変化していますので、それぞれのサイズを使い分けると良いでしょう。
さらに「MSハンド」には特別な成形色のものが発売されています。「連邦系(ガンダムホワイト)」と「ジオン系(ザクグリーン)」です。
本コーナーのテーマである“成形色を活かしたフィニッシュ”をするには最適なパーツといえるでしょう。〈手首〉本体と〈手甲〉で別の成形色を組み合わせれば、完璧な色分けを再現することも可能です。
完成写真はコチラ!
ここではビルダーズパーツの「MSパイプ」と「MSハンド」にポイントを絞り、簡単なパーツ換装で最大の効果を発揮する活用法を紹介しました。
次の機会でもう少々難易度の高い使用方法を紹介する予定です。一昔前、これらのパーツはさまざまなパーツから工夫して使用したり、手首などはポリパテからスクラッチしていました。その頃に比べると、とても幸せな時代になったものです。これらの便利なパーツが簡単に手に入る時代ですので、皆さんもビルダーズパーツを使って、さらにハイエンドな作品を作ってください。
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