『ウルトラマンジード』Blu-rayBOXが発売に!映像特典はディレクターズカット版と劇中劇『爆裂戦記ドンシャイン』!!その見どころを坂本浩一監督にインタビュー!

このエントリーをはてなブックマークに追加 LINEで送る

クライマックスへ向けて最後の盛り上がりを見せていく『ウルトラマンジード』。シリーズ前半を収録したBlu-rayBOX1が2017年11月24日(金)に発売された今、あらためて作品を振り返るため、メイン監督を担当された坂本浩一監督に今後の物語の行方やBlu-rayBOX Iに収録された映像特典の見どころをお聞きしました!

 

 

『ウルトラマンジード』とは

2017年7月8日から放送中の『ウルトラマン』シリーズ最新作。本作の主人公・朝倉リク(=ウルトラマンジード)は、悪のウルトラマンであるベリアルの遺伝子を受け継いでおり、その斬新な設定で放送前から注目を集めた。ヒーローに憧れるリクは、その出自に悩みながらも自らの運命に立ち向かう。

 

 

坂本監督の経験と乙一さんのミステリー的要素が融合して生まれたウルトラカプセル

 

――TVシリーズの撮影を終えられたとのことですが、『ウルトラマンジード』で苦労された点は?

 

坂本浩一監督(以下、坂本):自分がメイン監督ということで、作品を引っ張っていかなければならない立場でしたが、毎年新シリーズが作られるなかで「歴史あるウルトラマンにどうやって新しい要素を加えていけるか」というプレッシャーはありましたね。前年度の『ウルトラマンオーブ』が好評で、それを受けての作品だったので「どうしたら今までのファンや新しく番組を見てくれる子どもたちに魅力的なキャラクターを伝えられるのか?」 というのが1番の苦労でした。

 

――どのような新しい要素を考えられたのでしょうか?

 

坂本:やはり、ベリアルの息子というところでしょうか。悪の因子を持ったウルトラマンが主人公になること自体が、今までにありませんでしたよね。僕が2009年に監督した『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場するゼロとベリアルが、本作に大きく関わるので今回も監督として参加させていただきました。

 

坂本:優等生のイメージが強いウルトラマンのなかで、悪のウルトラマンの息子が主人公という切り口が本シリーズの目玉だったのではないかと思います。その設定を受け、いかに子供たちにとって魅力的なキャラクターにしていくかが最大のチャレンジでしたね。

 

――まだ放送途中ではありますが、手応えのほどは?

 

坂本:オンエアの反響や関連玩具などの売れゆきをみると、好感度を持たれながらみなさんに受け入れられたのではないか?と思います。そのことは本当にうれしいですね。「ウルトラマンフェスティバル」などのイベントに行った際、子どもたちが目を輝かせながらジードのことを応援している姿を見て、とても嬉しくなりました。

またウルトラマンジード自体が、僕自身も思い入れのあるゼロやベリアルといったキャラクターから派生したものであり、撮影も楽しかったです。

 

――本作の特徴でもあるウルトラカプセルがウルトラマンにしか使えないという設定は?

 

坂本:ウルトラカプセルが特殊なアイテムで、貴重なものであることを意識させるために、ウルトラマンにしか使用できないというストーリー上の縛りを作りました。昔からウルトラマンシリーズを観てくれている方たちの心をくすぐる要素や、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の世界観を引っ張りつつも、新しい視聴者へと伝えていくという意味も含めて、乙一さんのミステリー的要素と僕の経験から得たヒーローやアイテムに関しての見せ方をミックスさせて、ストーリーを構成する作業を行いましたね。

 

――ちなみに監督の好きなジードのフュージョンライズ形態は?

 

坂本:やはりソリッドバーニングですね! 今回、どのようなフュージョンライズをするのかは、商品化の打ち合わせやキャラクターデザインの後藤正行さんとのやり取りのなかで僕からも提案させてもらっているので、自分が担当しなかった話に登場するフュージョンライズも含め、どの形態にも満足しています。

 

――その各フュージョンライズ形態の命名はどなたが?

 

坂本:あれは実は、僕からアイデア出させてもらっています(笑)。各フォームの名前に加え、必殺技の名前も僕から提供させていただいています。一応、アメリカ人としての知識で、これをきっかけに子どもたちに英語を覚えてもらえたらいいなと(笑)。

それと、ウルトラマンじゃありませんが、劇中で登場する人物の名前は乙一さんが考えられていて。すべてSF作家さんの名前をもじっているんで、元ネタを探してみるのも面白いですよ。

 

――その乙一さんにご要望はありましたか?

 

坂本:僕からのリクエストはなく、映像化していくうえで、ジードのフュージョンライズの理由付けが、取ってつけたようにならないように組み込ませてもらったり、アイテムなどの必要性は意見を交わさせていただきましたね。

 

 

僕は強い女性が好きなんです!

 

――監督の作品は女性キャラが多く登場しますが、本作では?

 

坂本:鳥羽ライハという女性キャラが登場しています。『ウルトラマンギンガS』『ウルトラマンオーブ』などでは登場人物のアクションを売りにしていた部分も多く、作品としての起伏をつけるために、本作でもアクション要素を取り入れようとなったんです。

しかし、リクがそれほど肉体派というわけではない役柄なので、戦闘系のヒロインを登場させるのが良いんじゃないか?というのがシナリオ作りの中で浮かび上がってきて。これまでとは違うパターンとして、「剣を使う少女」という形で鳥羽ライハができました。過去を背負いながら、辛さと健気さを持ち合わせストイックに生きていく少女という役で、両親や友達を強く思う心などに目覚めていく彼女ならではの魅力が伝われば良いなと思っています。

 

――彼女がウルトラマンキングの力を宿していましたが?

 

坂本:ストーリー作りの早い段階で、彼女がリクにウルトラマンキングの力を与えるという役どころは決めていたんです。ただ、ヒロインとして活躍しながらも、そのタイミングをいつにするかというのは、段々と話が進む中で決まっていきました。現在、その役割は終わりましたが、彼女の人生の最大の問題点であった、両親の敵である伏井出ケイとの問題にどう決着をつけていくのかなどがラストに向けて描かれていきます。

 

――ライハは中国武術を使用しますが、あれは監督のご趣味ですか?

 

坂本:ライハ役の山本千尋さんのことは、別作品で仕事をして知っていました。彼女の魅力をもっと引き出したいと思うところと、彼女が世界ジュニア武術選手権大会で金メダルを獲得するくらいの実力者であったことで、プッシュはしていたんです(笑)。すると、オーディションで彼女を皆さんが「ライハのイメージにぴったりだ」ということでキャスティングされ、そこでライハが正式に中国武術を使うキャラクターであることも決定しました。

中国武術というものは歴史が長く美しいスポーツなのですが、日本ではまだ認知度が低いんですね。それでも中国武術は、経験者が演じないとすぐにバレちゃうんです。そういう点で、彼女は本当の武術の腕の持ち主なので、説得力もすごい。これからも、今までとは違う技を見せてくれると思いますが、視聴者が果たしてそれに気がついてくれるかどうか……(笑)。

 

――もう一人のヒロイン、愛崎モアについては?

 

坂本:作品のテーマには重い部分もあり、子どもたちの楽しみが少なくなってしまうのを避けるため、必ずポジティブな部分とコメディ要素を入れていきましょうということで、最初の打ち合わせの時から作られたのがモアなんです。ライハとは真逆の個性を持ち、ラブコメのような三角関係を取り入れつつ、リクにとってはお姉さん的なタイプとして活躍しています。

本当は芯が強いところもあるんですが、それを上回るドジっ子的な振る舞いを多く取り入れていて、その場を盛り上げてくれる元気なキャラクターとして描いています。ライハとモアの性格の差を極端に描くことで、それぞれの魅力をより引き出せるのと、視聴者の“どっち派?”みたいなところをくすぐれたら良いなとも思っています(笑)。

 

――本シリーズでは、ヒロインたちをはじめ多くの女性キャラが登場しますが、監督自身はどのような女性が好みですか?

 

坂本:僕は強い女性が好きなんです! 子供の頃から強い女性への憧れがあって、女の子っぽい可愛らしい子も良いんですが、僕が魅力を感じるのはどちらかというと強い女性であり、その中にある健気さが両立するようなタイプが僕の好みなので、そういう女性キャラが僕の作品には多く登場したりします(笑)。

日本だと、アイドルにしてもそうですけど可愛らしい女子が一般的には好まれる傾向が多いと思うんです。ですが、僕が育った海外では逆の文化といいますか。セクシーで格好良い女性というのが、魅力のある女性の代名詞的になっているんです。僕にとって理想的な女性像を、作品を通して描いていきたいというのもあって、僕の作品にはそういった女性が多く登場するのかもしれませんね(笑)。

 

――さらに本作には幼い女の子から若い奥様まで様々な女性が出てきますが……(笑)。

 

坂本:そうですね(笑)。今回はレイトというキャラクターがいて、その奥さんのルミナさんや、娘のマユちゃんもいる。そんな家族の良さって、家庭のある人じゃないと気付けない。実はあの伊賀栗家というのは、僕の家での経験をもとに作っていっているんです。(奥さんに)「帰ってきたらすぐ手を洗いなさい」とか「大きな声出して(娘を)起こさないでね」とか言われたりするのは、自分がよく体験していたところを題材にしながらベースを作っているんです。

 

坂本:ルミナ役の長谷部瞳さんは、実際に結婚されていてお子さんもいらっしゃるので、母親ならではの芝居の作り込みをされています。その魅力を見せられればいいなと。またレイトも、僕の娘が小さい頃の経験を活かしながら、父親とはどうあるべきなのか、レイト自身の父親として持っている強さや弱さなどを描くことによって、よりお父さんたちが共感できるキャラクターにできたら良いなとも思っています。

 

――銀河マーケットの店長の妹である原良子も魅力的ですよね(笑)。

 

坂本:あれは、三輪ひとみさんにオファーを承諾していただけたのは本当にラッキーでしたね。僕も彼女とは以前から一緒にお仕事をさせていただけたら良いなと思っていたので……(笑)。

 

――そして物語も後半戦ですが、今後登場するキーパーソンとなる女性キャラは?

 

坂本:後半から登場した石刈アリエが、物語を大きく動かす存在になっていきます。僕は彼女のエピソード話数は担当していないですが、彼女が今後の話の鍵になっていくので、気に留めていただけたらなと思ってます。

 

 

他の監督たちがどのような演出をするのかは常に意識していました

 

――本シリーズでの特撮作品としての意識は?

 

坂本:今回はリク自身がウルトラマンなので、ウルトラマンの目線というよりはリクの目線で描くというのがあり、より巨大感を出すための演出として、ローアングルやハイスピードによる撮影を多用しています。『ウルトラマンギンガ』や『ウルトラマンX』は、人間に憑依したウルトラマンたちの話だったので、人間目線もあり、ウルトラマン目線もありました。

 

坂本:そんな憑依型と異なるジードは、インナースペースの世界の描写も、「リク自身がウルトラマンである」というところを顔を重ねて表現したり、地球人からどのように見られているのかという目線を意識して画面を作っていっています。そのため、セットも美術さんに無理を言って、街並みの手前の飾り付けを増やしてもらったりして、人間目線のウルトラマンというのを意識しながら撮影した部分は大きかったですね。

田口清隆監督の担当話では、人間が戦っている屋上越しに怪獣とウルトラマンが戦っているという演出もあり、刺激を受けました。そういった点では、他の監督たちがどのような演出をするのかは気になりましたね。お互い、相手がどうやってくるのかは常に意識して影響しあっていました。

 

――坂本監督は特にどのような刺激を受けられましたか?

 

坂本:田口監督は、もともとミニチュア特撮を経験されている方なので、ミニチュアセットの使い方が非常に上手いんです。普通だとスケジュールがタイトなので、遠慮してしまいそうなカットも恐れず挑戦され、それで迫力のある画面を作り出している。僕はどちらかと言うと畑違いのアクションから入っているので、そのことが非常に新鮮に感じられましたし、影響も受けましたね。やはり、撮影と照明と美術の飾り付けの組み合わせによって、どれだけミニチュアを素晴らしいものに見せて巨大感を実際に出していくのかは毎回の勝負どころなので、監督の皆さんは苦労しながら頑張られているところだと思います。

 

――坂本監督的に「ここがすごい特撮なので見てほしい」というのはありますか?

 

坂本:ここがすごいというのはないんですけれど、「普通の市街地や山の中で戦わないシチュエーションを考えたい」というテーマがすごくありました。僕の中では、昭和のウルトラマンシリーズ(主に1970年代)というのは、泥の中で戦ったりとか、すごい雨や水の中で戦ったりしているイメージがあるんですね。特に僕が好きな『ウルトラマンレオ』では、ほぼ毎回そのようなシチュエーションがありました。

『ウルトラマンジード』を監督することが決まった後、レオを演じられた殺陣師の二家本辰己さんと対談をする機会があったんですが、そこで僕は「二家本さんに負けないようなシチュエーションをがんばりますよ!」なんて話をしたのもあったので、『ウルトラマンジード』第1話では意地でも水を使った特撮をやりたくて。「1話だけなんでとりあえずやらせてください」と無理を言ってやらせていただいたんですよ(笑)。しかも二家本さんに豪語した手前、水の中、夜のビル壊しといった昭和のウルトラマンシリーズへのチャレンジもやったりしましたね(苦笑)。

 

ほかにも第16話で泥の中で戦ったりとか、精神世界でもリクが雨の中で戦ったりと、最近あまりなかったシチュエーションにもチャレンジしました。普通の市街地だけでなく、それにプラスワン要素を加えたシチュエーションにチャレンジしたんです。最終回近くでも“こんなのやったのか!?”というところが出てくるので、それを観て欲しいですね。きっと「やっぱり昭和のウルトラマンシリーズが好きなのね」というのがわかると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。

 

――精神世界でのリクとベリアルとの肉弾戦も新鮮でした。

 

坂本:ベリアルも殴った後に「息子よ」って言って抱きしめるしね(笑)。

 

――ベリアルの市街戦も新鮮でした。

 

坂本:そうですね、ベリアルは今まで宇宙でしか戦ったことがなかったですから(笑)。

 

 

最終的にリクが立ち向かっていく敵は誰なのか

 

――それと坂本監督担当話では、リクが窓を突き破って屋外へ飛び出すシーンが多いように思うんですが、クライマックスでもあるんでしょうか?(笑)。

 

坂本:リクではないかもしれないですが、もう1回誰かが窓突き破って飛び出すシーンはありますね~(笑)。誰が突き破るかはお楽しみということで!

 

――そして、いよいよ迫るクライマックスへ向けて期待してほしいところは?

 

坂本:ジードとベリアルの決着も着き、残った伏井出ケイが今後どう動いていくのか? そして、物語を混迷させていく謎の人物・石刈アリエという展開はあるのですが、さらにその先も見どころです。そして、最終的にリクが立ち向かっていく敵は誰なのか……という面白さもあり、リクがこれからヒーローとして認められていく過程も、もうひと曲がりふた曲がりあるので、期待してください。

 

――クライマックスを迎える前にもう一度チェックしておいたほうが良いポイントなどありますか?

 

坂本:やはり、最終回はそれまでの物語の積み重ねの上に成り立っているので、リマインドとして最初から見直していただくのが良いですね。リクの成長や変化を見ても、主演を努めた濱田龍臣くん自身が、撮影中にどんどん成長していって、ヒーローとしての自覚みたいなものが出てきている様子がよくわかると思います。

この半年間、僕らもその様子を自分の息子のように見ていましたが、彼がどのくらいの成長を遂げたのかを一緒に見て、共に体験していただきたいと思いますね。濱田くん自身、現場でもずっとウルトラマンの話ばかりしているくらいウルトラマンが大好きで、だからこそ、彼はジードを大切にしてくれているし、イベントで子どもたちにふれ合ったりしているうちに、段々と自分の中にもヒーローとしての自覚みたいなものが出てくる……そんな雰囲気がよく伝わるんじゃないかな。

 

――まるでドンシャインみたいですね。

 

坂本:そうそう、まさに! まさに劇中のリクのように、一人の少年がヒーローになっていく過程というのを、僕自身も目の当たりにしている実感はありしましたね。

 

 

劇中劇の『爆裂戦記ドンシャイン』が楽しくて熱い!

 

――ドンシャインとは、どんなキャラクターなんですか?

 

坂本:ヒーロー番組を観て育った方々に共感してもらえるように作ったキャラクターで、劇中ではリクが子供の頃に憧れ、その存在があったからこそベリアルの息子という辛い状況の中で、心の支えになってくれた重要なヒーローなんです。僕自身も、子供の頃からジャッキー・チェンに憧れた原体験があり、今の自分がある。それと同じような経験は、男の子なら誰しも経験する部分があると思うんです。そういったことを、この番組を観ている子供たちにも伝えたかったし、ヒーロー番組を観て育った大人の方々にも共感してもらえる部分があるといいなと。

そんな気持ちで作ったヒーローで、『ウルトラマンジード』本編にはちょっとしか出てこないのに、スタッフたちの遊び心で劇中にはいろいろなグッズが登場してきたりしてます(笑)。

 

――『爆裂戦記ドンシャイン』はどのように作られたんですか?

 

坂本:『ウルトラマンジード』劇中のところどころで使用するのはわかっていたので、はじめにシチュエーションっぽいものを演出部に考えてもらい、台本っぽいものを作ってもらいました。それを僕が手直ししたのですが、劇中で叫ぶ「君の笑顔を取り戻す!」とか、臭い決め台詞なんかも遊び半分で書いていったんですけれど、その時は、まさかそれが本編で重要な台詞になってくるとは思っても見ませんでした(笑)。とにかくスタッフみんなで楽しみながら撮ってました。

 

――では、もともと劇中劇にも関わらず、最初に1本の作品として作られたんですか?

 

坂本:そうです。劇中劇がきちっと作られるというのは、なかなかないですよね。なので、これはこれでスピンオフをどんどん作っていってほしいという狙いもあったりするんですけどね(笑)。

 

――劇中では「第43話」というセリフもありますよね(笑)。

 

坂本:そうそう、だから『ウルトラマンジード』のTVシリーズが終わっても『爆裂戦記ドンシャイン』を続けていけばいい! これ以上楽しみながらできる仕事もなかなかないですから(笑)。

 

――ちなみに、リクとモアが挨拶代わりにするドンシャインの独特のポースは監督が考えられたんですか?

 

坂本:そうです。“みんなを笑顔にする”というあのポーズは、実は元ネタがあって、ジャッキー・チェン主演の映画『クレイジーモンキー 笑拳』(1980年日本公開)の笑いの拳のポーズそのままなんですよ。それも、よほどのジャッキーファンじゃないとそれに気づかない。だから濱田龍臣くんがイベントなどであのポーズをしているのをみると、僕が子どもの頃に真似していた“笑拳のポーズ”をみんなやってるよ、しめしめとほくそ笑んでいるんですよ(笑)。

 

――では、『爆裂戦記ドンシャイン』の見どころはズバリどこでしょうか?

 

坂本:昔懐かしい昭和風のヒーロー番組として作られていますが、『ウルトラマンジード』本編では部分的にしか使用されてないので、まるまる1本を観られるというのが見どころでしょう。それと、リクもハマった臭い決め台詞ですかね(笑)。さらに、TV本編の『爆裂戦記ドンシャイン』はフィルム傷とかTV放送風の加工がされているんですが、今回映像特典として収録されているのは、画角も4:3で本来の綺麗な映像という、Blu-ray仕様に合わせたデジタルリマスター版が収録されているんです! これはTVでは観られませんよ!(笑)

 

 

ディレクターズカット版は画や音の迫力が全く違う!

 

――今回、ウルトラマンシリーズ初とも言えるディレクターズカット版(以下、DC版)誕生の経緯は? また、TV放送版との違いはどのようなところでしょう?

 

坂本:今までも多くの作品では、基本的にTV放送版が最終的な完成形として作られてきたんですが、本当は演出意図のもとで撮影していながらも、放送時間の制約などでやむなく切らなければならなかったシーンなどが出てきてしまうんですね。それがこれまでの経験から、平均的に大体、1話につき2~3分ほど。このシリーズでは、その部分をファンの方にしっかり見ていただこうというご提案をバンダイビジュアルさんからいただき、ソフト化の際にはDC版として収録したいというお話になりました。

 

坂本:最初は本当に出来たら良いなという程度で、何話ぶんやるのかなども決まっていなかったんです。でも、第1話と第2話をまとめるだけでは、基本設定を描ききっていないので、観ている側も消化不良になってしまう。そこで、メインキャストも出揃う第4話までをまとめれば、各話の追加部分も10分程度のボリュームになるので良いのではないでしょうか?という提案をしました。

 

坂本:DC版も物語自体が大きく変わったりする部分はないのですが、シーンに余韻を残したり、キャラクターをよく知るためのセリフをひとつふたつ加えたり、シーンの終わりを追加するなど、これを観ることによって、作品をより深く味わえるようになっていると思います。また、第1話から第4話までを1本の作品として仕上げているので、ウルトラマンジードのビギニング、シリーズの序章として楽しめると思います。

 

坂本:そして、TV放送版と最も違うのが、画と音なんです。TV放送では放送基準で、画面の明るさや音の大きさなどの制限が決められているため、僕たちが本来望む効果が発揮されていないんです。ですが、このDC版は僕らが目指したオリジナルの映像や音で収録されているので、設備さえ整っていれば僕らが試写室などで観ているものと同じ状態を楽しめるんです。怪獣の鳴き声から建物などの破壊音、それらの効果音や、美しく仕上がった画面の効果を唯一楽しめるのが、このDC版といえるでしょうね。

 

 

劇場版の見どころは「リクたちの世界にオーブがどう関わっていくのか」

 

――TVシリーズがひと段落し、春には劇場版が公開されるということですが?

 

坂本:『ウルトラマンジード』では、近年よくあったウルトラヒーローの客演話がないんですね。それは、豪華な客演は映画でやろうという話が最初からあったからなんです。今回、TVシリーズの後日談的な要素はあるものの、ウルトラマンオーブが登場して共に戦うストーリーになっているんです。もちろんTVの内容は踏まえており、観たことがない人も楽しめる作品になっているのですが、その中で『ウルトラマンオーブ』の作中で未解決だったことや、それに『ウルトラマンジード』の登場人物たちがどう関わっていき、解決していくのかなど、単なるウルトラマンオーブが客演として現れるだけではなく、オーブがいなければ成立しない話になっています。

また、ロケ地である沖縄を舞台に、二大ウルトラマンが共に戦っていくというものになっています。そういう点では、リクたちの世界にオーブがどう関わっていくのかは、楽しみにしてほしいですね。

 

――映画の見どころは?

 

坂本:やはり『ウルトラマンジード』の集大成であり、TVシリーズに比べてスケール感もアップしている点と、ヒーローとしてのジードがどういう困難な立場に立って、次のチャレンジをしていくのかというのが、劇場版としての見どころになると思います。それと、劇場版ウルトラマンシリーズも何かしら新しいものを、というところで沖縄の綺麗なロケーションを舞台に、これまでと違ったストーリーが展開されるところでしょうか。

 

――監督にとって、『ウルトラマンジード』とは?

 

坂本:僕が日本に来て最初に撮った作品である『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』から派生したキャラクターの、ゼロとベリアルが深く関わる話でもあり、ベリアルの息子が主人公であることや、主演の濱田龍臣くんが、自分にとっても可愛い息子みたいな存在であります。

そういったなかで作っていった作品なので、まさに自分の息子的な感じのする作品なんです。作品に最初から関わらせていただき、ウルトラマンのデザインなどを作るところから参加させていただいた作品なのもあり、息子のように可愛い作品になっていますね。

(2017年11月、円谷プロにて)

 

以上、坂本監督の“息子”である『ウルトラマンジード』は、Blu-ray BOX Iがただいま好評発売中! インタビュー中でも盛り上がった劇中劇『爆裂戦記ドンシャイン』やDC版も、映像特典として収録されています。ぜひ手に入れて、『ウルトラマンジード』の世界観をお楽しみください!

 

 

DATA

ウルトラマンジード Blu-ray BOX I

  • 第1話~第12話収録
  • 発売元:バンダイビジュアル
  • 価格:22,000円(税抜)
  • 発売日:2017年11月24日(金)

 

ウルトラマンジード Blu-ray BOX II

  • 第13話~第25話収録
  • 発売元:バンダイビジュアル
  • 価格:22,000円(税抜)
  • 発売日:2018年2月23日(金)

 

劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!

  • 2018年3月10日(土)よりロードショー
  • 当日鑑賞料金:一般 1,600円/小人 900円(税込)
  • オーシャンブルークリアver. ジード プリミティブ指人形つき親子ペアムビチケ:2,200円(税込)で発売中
  • 入場者特典:ウルトラマン フュージョンファイト!スペシャルカード
  • 上映尺:約70分
  • 出演:濱田龍臣/山本千尋/長谷川眞優/小澤雄太/本仮屋ユイカ/宍戸開/ジャッキーちゃん/青柳尊哉/石黒英雄
  • 声の出演:小西克幸/三森すずこ/潘めぐみ/浅沼晋太郎/宮野真守/緑川光/神谷浩史/関智一/入野自由/田中秀幸/池田昌子/西岡德馬

 

スタッフ

  • 監督:坂本浩一/脚本:根元歳三/脚本協力:安達寛高/監修:大岡新一/チーフプロデューサー:北浦嗣巳/プロデューサー:鶴田幸伸/撮影:新井毅/照明:武山弘道/録音:藤丸和徳/美術:木場太郎/編集:矢船陽介/アクションコーディネート:寺井大介/キャスティング:空閑由美子、島田和正/VFX:三輪智章/音楽:作・編曲:川井憲次、主題歌:May J./制作支援:沖縄県/撮影協力:OCVB OKINAWA/製作:劇場版ウルトラマンジード製作委員会/配給:松竹メディア事業部

 

イントロダクション

目覚めよ!最強の遺伝子!!
滅亡の瞬間が迫る中、“願い”の力はジードにさらなる進化をもたらす!
全宇宙の知的生命体の抹殺を図ろうとする巨大人工頭脳ギルバリス。
ウルトラ戦士たちの光の力さえも跳ね返す強大な敵に、過酷な運命を乗り越えたウルトラマンジードが立ち向かう!
地球がデータ化して消え去るという危機に、ウルトラマンオーブ、ジャグラス ジャグラー、そしてウルトラマンゼロが駆けつける!
そして、リクの熱い想いが、ジードを究極形態ウルティメイトファイナルへと目覚めさせる! 最強の武器・ギガファイナライザーが唸りを上げる!

 

 

関連情報

 

 

関連記事

 

(C)円谷プロ
(C)ウルトラマンジード製作委員会・テレビ東京
(C)劇場版ウルトラマンジード製作委員会


このエントリーをはてなブックマークに追加 LINEで送る
電撃ホビーウェブにいいね!して
最新情報を手に入れよう


ピックアップ

Gallery

  • eye
  • I201712XBM1_i
  • I201712SP6_i
  • 2017as1ps1hf (1)
  • 2017gar12upa9k2 (2)
  • xbase_171208_main
  • mari_bfp_main
  • I201710SP5_i