お笑いの“ツッコミ”と“ボケ”をカードゲーム化して大評判となった「ツッコミかるた」(CHOCOLATE Inc. 企画)が、新装版としてブシロードメディアが新たに展開するボードゲームブランド TERIYAKI GAMESより発売中!

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電撃ホビーウェブ読者のみなさんには、ブシロードといえばブシロードクリエイティブ社のカプセルトイ「TAMA-KYU(たまきゅう)」のイメージが強いかもしれませんが、今度はブシロードメディア社がボードゲームに新規参戦! しかも第1弾はTAMA-KYUで「押しボタンくん」や「奇跡の弾丸」、「極小モザイク」といったエッジの効いたアイテムの企画を担当したCHOCOLATE Inc.の「ツッコミかるた 新装版」、そしてPRをVTuberの服巻有香さんが担当するという……もうすでに“ツッコミ”どころ満載な状況ですが、ここ数年大きなブームとなっているボードゲーム市場にブシロードメディアが参入する理由を、代表取締役社長の成田耕祐氏に直撃! PR大使に任命されたVTuberの服巻有香さんと一緒にお話を伺いしました。

 

成田耕祐(なりた・こうゆう)

株式会社ブシロード 執行役員。子会社にあたるブシロードメディア、ブシロードクリエイティブの代表取締役社長を兼任。カプセルトイブランド「TAMA-KYU」の商品企画などプレイングマネージャーとしても業務にあたる。

成田耕祐氏Twitter:成田 耕祐|BUSHIROAD(@ohanakoyu)

 

服巻有香(ふくまき・ゆか)

ファッションと歌うことが好きな大学2年生。友人へのメイクやコーディネートが好きで、世話焼きなところも! 困っている人を放っておけない優しい性格。アニメやゲームが好きで、オタクな一面もあり、面白いと思ったものには、なんでも食いつく、明るく元気なファッションガール。今回、TERIYAKI GAMESのPR大使に任命されることに。

服巻有香氏Twitter:服巻有香(@fukumaki_1616)

 

 

すき間を埋める存在でありたい

――そもそもからのお話で恐縮なのですが、なぜボードゲーム市場に参入しようと?

成田:TERIYAKI GAMESを展開するブシロードメディアは名前のとおりブシロードの子会社なんですが、月刊ブシロードの刊行やコミックブシロードWEBといった無料漫画サイトを運営する出版社なんです。

今年の1月から代表を兼務することになったんですが、昨年からのコロナ禍でぶっちゃけた話、すごいヒマになっちゃったんですね(苦笑)。予定していたイベントなどが開催できなくなり、急に時間ができてしまった。

じゃあ、その時間を家族と一緒に楽しく過ごそうと、試しにいくつかボードゲームを買って遊んでみたらメチャクチャ楽しくて、子どもたちはもちろん、僕も妻もハマってしまったんです。コロナで沈みがちな気持ちを、ボードゲームが支えてくれたんですね。

あと、本には――漫画でも小説でもなんでもいいのですが――版を重ねて読み継がれていく作品があるじゃないですか。歴史的なボードゲームも正にそれで、何十も版を重ねて遊ばれ続けている。だから、ボードゲームなら書店はもちろん、それ以外の売り場で長く愛して貰える作品を創ることができるんじゃないか? と思ったのがきっかけですね。

 

どういう展開になるか全く予想がついてないんです

――初参入となるボードゲームのPRをVTuberの服巻さんが担当されるというのはかなりのサプライズでした。

成田:ブシロードで展開している「ヴァイスシュヴァルツ」と「Reバース for you」という2つのトレーディングカードゲーム(TCG)を紹介する「みて!み~Yeah!」という番組がありまして、そこで服巻さんにご出演いただいているんですね。

定期的にカードの紹介やオリジナル企画を配信する番組なんですが、それを見て服巻さんはゲーム好きなのかな? じゃあお願いしてみるかな? ってオファーしたんですよ。

服巻:え、そんな簡単に?

成田:ざっくりしすぎですかね。でも、ボードゲームというアナログ的なものの集合体とVTuberが組み合わさったらどういう化学変化が生まれるのか、想像も付かない面白さが生まれるんじゃないか? っていう期待があったんですよ。

それに普段から服巻さんが配信されている番組を見て、純粋に彼女の魅力が(TERIYAKI GAMESのPRに)向いているのかな、って。

まあ、僕自身、未だにどうしていくかは全く想像ついてないんですよね。

服巻:えーー!?

――服巻さんはオファーを貰ったときどんな感想を持たれましたか?

服巻:VTuberがボードゲームのPRをするっておそらく初なので、いやもうどうしようかな……と。あ、もちろんガンバってPRします! しますってば!

成田:でも、ご家族や友だちとボードゲームって遊んだことあるでしょう? 大丈夫ですよ。

服巻:ボードゲームって、トランプとかも入るんですよね?

成田:もちろん。

服巻:それだと、家族で旅行にいったときとか、トランプを持っていって遊んだりしました。電車の中とかで手軽にできて、いい暇つぶしになるじゃないですか。いいですよね。

――いいですよね、ってだいぶ感想うすいなあ(苦笑)。

成田:いや、TERIYAKI GAMESが目指しているのは、まさにその“お手軽”なところなんですよ。

――ボードゲームもたくさんのジャンルがありますが、TERIYAKI GAMESはカジュアルに楽しめる作品で攻めていくと。

成田:ええ、いわゆるカジュアルラインを徹底的にやっていこうと思っています。

海外や先行している他社さんの重厚な作品は面白くて魅力的ですが、遊ぶのに相当の時間と気力が必要になりますよね。出版社である僕らには、そういった重厚な作品ではなく、漫画や雑誌とかに近いくらいのお手軽な作品が向いていると思うんですよ。

すき間時間、ヒマ時間をサクっと埋めてくれて、持ち運びが楽で手に取りやすい価格帯――そういった作品をこの先のラインナップでも用意しています。

 

第1弾がツッコミかるたなワケ

――「TERIYAKI GAMES」の第1弾として「ツッコミかるた 新装版」を選んだ理由はなぜですか?

成田:最初はオリジナル作品での参入も考えたんですが、まずはブシロードメディアがボードゲーム市場に参入したことを知ってもらうのが最優先だろうと。そうなると、オリジナルよりはすでに実績がある人たちと組むのがよいだろうな、と考えました。

CHOCOLATE Inc.さんとはTAMA-KYUでご一緒させていただいてて、彼らがものすごいアイデアマンでたのしみを産み出すことができるのはよく分かっていましたし、彼らが発売した初代の「ツッコミかるた」って、ものすごく知ってる人が多いんです。大ヒット商品ですから。ならば、価格をよりマス向けにした新装版を第1弾として我々から発売させていただければ、「ブシロードメディアがボードゲームを始めた」という人も多くなるのでは、と。

服巻:「ツッコミかるた」ってどんなゲームなんですか?

――え、服巻さん、「ツッコミかるた」に触ったことは……?

服巻:ありません!(ニッコリ)実は初見なんですよ。だって今回のお話、本当に急で……。

――な、なるほど。では成田さんから説明いただくのがよさそうですね。

成田:基本ルールはすごい簡単なゲームなんですよ。ツッコミカードを並べてトークテーマのカードに沿ってプレイヤーはフリートークをしてもらい、うまく突っ込めたらポイントがもらえるというルールです。

 

ツッコミかるたってどんなゲーム?

成田:例えば『昨日○○だったよね、面白かったよねモグモグモグモグ……』『急にメシ食うな!』――みたいなのをアドリブでやっていくんですけれど、ボケは並べられたツッコミカードを意識してボケをしなくちゃいけない。アドリブ力と恥ずかしがらない胆力が必要です。まあ、僕は素面(しらふ)じゃできないです、あははは。

――これ、お酒が入るとものすごく盛り上がりそうですね。

成田:そりゃあもう。個人戦も団体戦もできるので、どんなシチュエーションでも楽しめます。基本ルールはありますが、集まった仲間の特徴を考慮して独自のルールで遊んでもらってもよいと思います。

――普段から視聴者の方とコメントのやりとりをしているVTuberさんは得意そうですね。

成田: 服巻さんのチャンネルでも視聴者さんのボケ気味のコメントを一つ一つ打ち返しているじゃないですか。あの感じにとても似てますね。

服巻:うふふふふ、受けては返し、うけては返し、やってますよー(笑)。

成田:普段から「ツッコミかるた」をやってるようなもんなんですよね。

服巻:でも、うまくボケが意図を伝えられるか、これってめちゃくちゃセンスが必要ですね。

成田:まあ、ゲームとしてのルール(勝ち負け)はあるけれど、盛り上がればそれでOKなんですよ。ボケとツッコミが成立していないように見えても、盛り上がればポイントゲットです。このくらいライトなコンセプトで、コミュニケーションが盛り上がるゲームを今後もリリースしていきたい。

そもそもブシロードってカードゲームの会社で、コミュニケーションを楽しくしたい文化を持った会社なんです。そういう点では、TERIYAKI GAMESで扱っていくボードゲームは非常にウチらしいアイテムだと思ってます。

 

宣伝するならどんな風に?

――服巻さん、これをPRですよ、どうします?

服巻:どうしましょう……。

成田:どうしましょうかね。

服巻:えー(戸惑い)。

成田:真面目な話をすると、服巻さんにはVTuberさん同士やファンのみなさんとのコミニュケーションにTERIYAKI GAMESの作品を活用して欲しいと思っています。PR大使的な扱いでのオファーではありますが、単純な宣伝ではなく、みんなと楽しんで欲しい。幸いなことに黙々とプレイするタイプのボードゲームではないので、比較的活用しやすいと思うんですよ。

服巻:VTuber同士なら、画面にカードを表示して対戦とかできるし、プレイ後の振り返りとかもすごく盛り上がりそうですね。

成田:個人戦も団体戦もできるから、VTuberさんによる大会なんかできたらいいね。

野呂(服巻さん担当プロデューサー)さん、ちょっと企画考えてくれる? お願い!

野呂:え? あ、はい!

成田:よし、すぐコラボ企画やろう!

服巻:早っ! も、もうちょっとゆっくりでいいです。

――さきほど「楽しんで欲しい」というリクエストがありましたが、その他にTERIYAKI GAMESから服巻さんへ、なにか要望的なものはありますか?

成田:うーん、いまはメインで動いているのが僕だけなので発売点数が安定していないんですが、できれば月1本ぐらいのペースで新作を発表していきたいと思ってるんです。だから、その都度お渡しするので遊んで感想を聞かせてほしいです。

服巻:遊びます!

――いずれ服巻さん発案のゲームが登場するかもしれませんね。

成田:それいいですね! いま何かないのかな、と思いました。こういうのがあったらいいな、とかない?

服巻:そういうのは事前に言ってくださいよ!? あらかじめ言ってくれれば一所懸命考えてきますから。急に言われても持ってこられないじゃないですか!

成田:えー(残念)、じゃあ服巻さんのスキなことから拾ってみましょうか……ご趣味は?

服巻:質問が雑! えーっと、えーっと、なんだろう……アニメと漫画はよく見ますね。ゲームは下手ですけど遊ぶようになりました。あとはあとは……あ! 妄想するのがスキです。

成田:妄想!?

服巻:推しとカレシになったらどういうデートをするのか、みたいなのをよく妄想します。

成田:“妄想”というキーワードはいいかも。

服巻:んふふふ、楽しいですよ、妄想。その妄想を友だちと共有して『この推しだったらこうじゃない?』『そのプランはいいね!』みたいな感じで語り合います。

成田:なるほど? “妄想デート”で1本作れそう。

――デートの最後にキュンとさせる一言を言った方が勝ち、みたいな?

服巻:そうそう、そういうのスキです!

成田:服巻さん発案のゲームが登場するのは、思いのほか早いかも。

服巻:えー!? も、もうちょっとちゃんと考えたのでお願いします……。

成田:いやいや、そのぐらいカジュアルな思いつきがいいんですよ。

企画の種をもらえたら、発芽から育てるまではこちらでやるので、今回の“妄想”みたいな種をいっぱい用意してほしい。あと、服巻さんのファンのみなさんから「どういうのが欲しい?」みたいな意見も定期的に吸い上げてもらえるとウレシイですね。

 

 

ポスト トランプは「サルゴリラチンパンジー♪」!?

――今後の作品についても教えてください。第2弾は「サルゴルラチンパンジー♪」とのことですが、タイトルからしてだいぶパンチが効いていますね……。

成田:これは4歳以上の方なら誰でも遊べるゲームとして、ザリガニワークス(※編注)さんと一緒に作りました。対象年齢のこともあるので食品衛生法の検査も通してあります。みんな知っている有名な替え歌からインスピレーションを受けて企画されています。

(※編注)ザリガニワークス:「コレジャナイロボ」や「石膏ボーイズ」などの企画・デザイン、玩具の開発など幅広く展開しているコンテンツスタジオ。TAMA-KYUでも「お家アニマル」や「石」、「鈍器のようなもの」などエッジの効いたアイテムを多数企画している。

成田:この動画はザリガニワークスさんの関係者のみなさんが収録したんです。写っているお子さんも撮影者も編集者も、みんなザリガニワークさんの関係者。歌もザリガニワークスさんのご一家が歌ってるんですよ。

服巻:うふふふ、かわいい。これはどうやって遊ぶんですか?

成田:カードの表面は共通で裏面が「サル」「ゴリラ」「チンパンジー」になってて、トランプとほぼ同じ遊びができます。

神経衰弱なら数字のペアで(カードを)取るけど、こっちではサル・ゴリラ・チンパンジーの順で返せたら取れる、みたいな。だからダウトやスピードなんてゲームも遊べるんですよ。

服巻:1プレイ、めちゃくちゃ短そうですね。

成田:そう、何をやってもすぐに決着しちゃう。ルールも簡単になるしプレイ時間も短いから飽きないんですよ。だから僕らが想像していないような遊び方を子どもたちが発明すると思います。

――トランプ的な位置づけになれると面白いですね。

成田:正にそこを狙ってます。“サルゴリラチンバンジー”って知らない人はいないじゃないですか。流行廃りもないですし、間違いなくみんなが10年、20年後も知ってる。なにより子どもたちがあの歌を大好きなんですよね。だから、このゲームも長く売り続けていきたいな、と。はい。

 

――その他にも、先日開催されたゲームマーケットでは「アドリブ総選挙」を発表されていましたね。

https://twitter.com/bushi_media/status/1462237898829287425

成田:こちらはTAMA-KYUでご一緒させていただいてるekōD Works(エコードワークス)(※編注)さんと企画したのですが、ランダムで作られる選挙ポスターと選挙公約を元に、その候補者になりきって演説してもらうというゲームです。

(※編注)ekōD Works(エコードワークス):「お昼寝コミックブランケット」や「妄想マッピングTシャツ」など、思わずクスっと笑ってしまうアイテムを企画・開発しているクリエイティブ・スタジオ。TAMA-KYUでは「狛いどうぶつ達」や「マジでピンポンダッシュ」などのアイテムを企画している。

服巻:え、演説(笑)。

成田:候補者だけでなく有権者もランダムのカードで配られるので、候補者はその有権者――例えば中年無職とかSDGsに興味アリとか――に向けて演説しなきゃダメなんです。

服巻:候補者が有権者に寄せて行かなきゃダメなんですね。

成田:そうそう。実際の選挙でも演説しているときに「みなさん!」ではなく「そこのアナタ!」ってやるでしょう? けれどあまり有権者に寄せすぎると本来の公約から離れがちになるから難しいです。これもコミュニケーションを楽しむゲームですね。

服巻:VTuber版でバリエーションを作ったらイベントとかできそう!

成田:それはいいね! 野呂さん、ちょっと企画考えてくれる? お願い!

野呂:え? え?? あ、はい!

服巻:ちょっ、またこのパターン!?

 

永遠に重版したい

――「サルゴリラチンパンジー♪」も「アドリブ総選挙」も、パッと見のインパクトは大きいですが、その実、内容は非常に手堅くて古くならない普遍的なものを感じます。

成田:僕らは出版社なので、商品企画の根っこが本的な発想だからなのかもしれません。この手の企画をクリエイターさんたちに依頼しながら商品化しています。

じつは絵本にもチャレンジしたいと思っていたんですが、絵本ってものすごく難しいジャンルなんです。でも、ものすごく長く読み継がれて、気がついたら何十も版を重ねている作品がたくさんある。

最初に言ったことと重なってしまいますが、TERIYAKI GAMESのゲームも、長く手にしてもらえるボードゲーム業界の絵本的なものを目指しています。版がダメになるまで永遠に重版していきたい――いや、ホントに真剣にそう思ってるんですよ。

 

そういえば……

服巻:そもそもの質問なんですけれど、何で“TERIYAKI”なんですか?

成田:レーベルの名前を考えたとき、カジュアルで普遍的でみんなの生活に溶け込んでいるものの名前を付けたいと思って。4通りぐらいの候補を作って、個人のTwitterでアンケートをとったのね。

服巻:結果は?

成田:ぶっちぎりで“TERIYAKI”だったんですよ。みんなテリヤキスキなんですかね?

成田:“TERIYAKI”って外国人の方にもなじみがあるし、いずれ作品がローカライズされて海外で発売できるようになった時もそのままの名前でイケると思うんですよ。むしろ、積極的に目指して行きたい。

あと、これは個人的な好みなんですが、TERIYAKIってちょっとネッチョリしてるからいいかな、って。

服巻:ネッチョリ……

成田:普遍的なものでサラっとしているのは世の中にたくさんあるけど、ちょっとネッチョリしたのは余りないので。服巻さん、テリヤキって食べます?

服巻:あんまり食べないですけど……。

成田:食べなかったかー。じゃ、じゃあ何が好き?

服巻:うーん……(しばらく考えて)どっちかというとポン酢のほうが好き。

成田:じゃあ「PONZU GAMES」に改名しようかな!

服巻:えー!? そんな風に決めちゃっていいんですか?

(※TERIYAKI GAMESからレーベル名は変わりません)

 

DATA

ツッコミかるた 新装版

  • セット内容:ツッコミカード100枚、ルールブック1枚
  • プレイ人数:3~8人
  • プレイ時間:10~20分
  • 対象年齢:12歳以上
  • 企画・デザイン:CHOCOLATE Inc.
  • 発売元:ブシロードメディア
  • 価格:1,650円(税込)
  • 2021年10月2日(土)発売

(C)CHOCOLATE Inc. (C)TERIYAKI GAMES

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