【SNSをやめたくなる…】『アンフレンデッド』特に若者必見の超限定的シチュエーションホラー!

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『アンフレンデッド』ってタイトル、「デッド」なんてあるからオドロオドロしい意味かと思いきや、「フレンド(友人)」がないことを意味する形容詞。そんなことで、この作品、一見仲良しに思える若者グループの間に恐ろしい呪いが降りかかるというホラー映画です。主にパソコンを介して話が進行するところがとても今風で、情報の発信やつながり方に警鐘を鳴らす内容にもなっているようです。通信手段としてパソコンなどを使いこなしている人ほどコワくなる映画、かもです。

※一部解説にネタバレを含んでます。

 

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ストーリー

ブレアは恋人のミッチとSkypeを通じたチャットで盛り上がっていた。そこにハイスクールの友人たちが次々とログインしてきて、いつもの仲間たちとのグループ会話がはずむ。ブレアとミッチ、そしてヴァル、ジェス、アダム、ケン。6人の会話は、いつものように他愛のない雑談だった。ところがその日は、何かが違っていた。グループの中に、見知らぬアカウントがあったのだ。ブレアは不審に思いながらも、システム上のバグか何かだと思って気にしないでいた。そして、会話が1年前に自殺した同級生ローラ・バーンズのことにおよぶ。実はブレアは、ミッチとSkypeチャットを始める直前まで、YouTube上にアップされたローラの自殺映像を観ていたのだった。

やがて、ブレアのPCにFacebookのローラのアカウントからメッセージが届いた。

 

「ブレア、何を見ているの?」

 

Skypeグループにいる、謎のアカウントもローラのものだった。しかし、そのアカウントはどうしても削除することができない。

 

やがて、ヴァルのFacebookに、絶対自分で投稿するはずのない恥ずかしい写真がアップされる。日頃の言動や行動から、ヴァルはジェスを責めるが、当のジェスは自分ではないと言い張る。そうこうするうちに、それまで和気あいあいとしていた仲間たちの間に険悪なムードが漂い始める。

 

誰かがローラのアカウントを使って、悪質なイタズラをしているに違いないのに……!!
しかし、犯人が分からないまま、「ローラ」はブレアたちにゲームを仕掛けてきた。
正解を答えなければ“死”という、恐怖のゲームが始まった……。

 

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解説

『インシディアス』『パラノーマル・アクティビティ』、そして『パージ』と最新ホラーシーンを彩る数々の恐怖体験を次々に打ち出してきたジェイソン・ブラムが、新たに送りつけてきた新時代の究極ホラー作品。

 

まさにSNS時代のPOV“ポイント・オブ・ビュー”とでもいうべき、PCのデスクトップだけで物語が進む新感覚ホラーだ。設定上の舞台は、主人公の女の子ブレアが見ているPC画面。つまり彼女の目線を通して、事件は進行していくことになるのだ。

 

登場人物たちがそれぞれ別の場所にいながら、「ローラ」の“呪い”によって、変則的な“閉鎖空間”に閉じ込められているというのが本作の大きな特徴。簡単に言うと「PCの電源を落としてはいけない」「SNSから勝手にログアウトしてはいけない」、要するに「PCの前に居続けなければいけない」状況で「ローラ」が主催する“ゲーム”に参加し続けることになる。

 

その参加者は、元々は「ローラ」も含めた7人が普段から仲良くしていた仲間たちで、その中に「ローラ」が自殺する原因を作った張本人がいるというわけ。だからと言ってそのゲームは、その張本人を探すことが目的というわけでもない。自分を“いじめていた人物”を探すわけでもない。たぶん、「ローラ」はそんなことは“知っていて”、あくまでも“知らないふり”をしつつ“友人たち”を試していく。

 

そして、ルール違反をすると“死”という罰ゲームが待っている。ほとんど逃れる術はない不条理極まりない呪いで、ひとりまたひとりと“死”へと追い込まれていく仲間たち。

 

それが、主人公ブレアの目を通して描かれるので、登場人物の死は画面上のアカウントが減ることで表現される。
もちろん、PC画面を“観ている”のはブレアだけではなく、そう本作を鑑賞している人々全員もそれを実感するなのだ……!!

 

細かいポイントとしては、PCがMACなので、appleユーザーにはおなじみの画面。なので、Windowsユーザー、さらにパソコン音痴の人には、難解なところもあるかもしれない。なぜなら見どころは、画面上に表示されるマウスポインターやプルダウンメニュー、キーボードによる書き込みや削除作業だから。

 

登場人物は、音声チャットで会話していくのだが、その裏でブレアは恋人のミッチや他の仲間たち、そして“ローラ・バーンズ”とも文章でやりとりすることになる。

 

そこで、ブレアがタイピングで文章を作成する際、勢いでタイプした後で思い直して修正したりする。この工程があからさまになるところが、舞台がPC画面という設定をもっとも効果的に利用している部分だろう。つまり、ブレアが“本当に言いたいこと”と“とりあえず言ってみたこと”が歴然となり、本心と建前があからさまになると言っても良い。さらに、マウスポインターが画面上を彷徨う様子も、ブレアの迷いや決心など、色々な心情を表現するのに一役買っている。

 

そんな“見慣れた”PC画面が舞台なわけなので、本作を観ているうちに、本当に自分がPCの前にいるような錯覚を覚えることもあるだろう。その一方で、このイマドキなティーンエイジャーな女子の“神業”のようなPC操作に付いていけなくなるという“違和感”も覚えるかも。とにかく、タブから必要なメニューを選択するのも、必要なウィンドウを一瞬で選んだりするのも、もちろん、タイピングの早さも含めて、まさに“神業”!!

 

もちろん、演出上モタモタした操作ではテンポがグダグダになるだろうけど、いかにもイマドキ女子を表現するには、ちょうど良いスピードなのかもしれない。

 

そのくらい他人が操作するPCと分かっていながら、例えば画面上で「着信」があった時、ごく自然に聞きなれたPCの着信音が効果音として使用されるのだが、つい「うるさい」と思って“いつものように”音量を下げたくなるはず。
こんな感覚は、間違いなく他の映画では味わえないだろう。

 

04左が主人公のブレアで右が恋人のミッチ。ブレアを演じたシェリー・ヘニッヒは、2004年度のミス・ティーンUSAで、本作が長編映画のデビュー作品。ミッチを演じたモーゼス・ストームは、こう見えて脚本家、俳優、そして監督であり、しかも漫談、司会にショートコントまでこなすというコメディアン。本作が長編映画のデビュー作品。

 

05最初はこの7人から始まる。上段左からヴァル、ケン、ジェス。下段左からブレア、ミッチ、アダム……そして“ローラ・バーンズ”だ。最初のうちは、この7つのアカウントがリアルタイムチャットをしているのだが、やがて恐ろしいことが起こり始めて……。

 

06手を挙げて、自分はタイプしていないことを証明する仲間たち。しかし、もうこの世に存在しないはずのアカウントからは、容赦なく次の“質問”が送られてくる。果たして冥界にもPCがあるのだろうか……!?

 

07とにかく、ほぼリアルタイムでPC画面上で事件が起きていく。時には実際の“現場”のシーンに切り替わることもあるが、気にならないくらいほとんどの事象はPC画面上で表現される。

 

もちろん、本作をいち早く劇場で観てもらいたいのだが、将来映像ソフトが発売されたら、やっぱり自宅のPCで鑑賞してみたいかも!?

 

DATA

アンフレンデッド

  • 監督:レヴァン・ガブリアゼ/脚本・製作:ネルソン・グリーヴス/製作総指揮:ジェイソン・ブラム/出演:シェリー・ヘニング、レニー・オルステッド、ウィル・ベイツ、他
  • 配給:ミッドシップ
  • 上映時間:83分
  • 7月30日より全国ロードショー

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