素組みでガンプラ!「RG 1/144 ユニコーンガンダム」を作る(RGキットの攻略法)【後編】

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

前編では、「RG 1/144 ユニコーンガンダム」の基本的な製作方法とスミ入れについて紹介しました。後編となる今回はユニコーンガンダムをより魅力的に見せる方法を解説したいと思います。

4849

 

※バックナンバーもあわせてご覧ください。

 

 

61スミ入れで使う色は黒や茶、グレーが一般的ですが、今回はサイコフレームの光が装甲の繋ぎ目から漏れて見えているような効果を加えていきます。使用するのはGXクリアピンクです。

 

63 68 64まずは何も考えずにクリアピンクでスミ入れをしてみます。矢印の凹モールド部分などはクリアピンクではなく、通常のスミ入れ色を使いたいのですが、毛細管現象で全てのスジ彫リ、凹モールド、逆エッジにスミが流れてしまいます。

 

7767そこで模型用のタガネ(幅0.2ミリ)を使用して、クリアピンクでスミ入れしたい部分はキットのスジ彫りより一段深く掘り込みます。

 

69 65こうすることで通常のスミ入れ色と、クリアピンクの流れるスジ彫りの高さが変わるので、狙った箇所にだけ流せるようになります。

 

70その後、通常のスミ入れ(今回はダークブラウン)を行います。

 

66塗料の流れるルートが別なので、それぞれのスミ入れ色が流れる道筋をコントロールすることが可能になります。

 

79 78同じ方法で外装パーツにスジ彫りとスミ入れを2色で行います。このときクリアピンクを流す箇所はPG独自の“アンチェインモード”をイメージして、さらに装甲が展開する部分を中心に行うと、より説得力のあるスミ入れに仕上げることができます。それぞれのパーツの形状とスジ彫りを確認してからスミ入れを行うようにしましょう。

 

81

82その後、付属のマーキングシールを貼ります。これで作業は完了です。

 

101なおGXクリアピンクは蛍光成分が含まれているので、紫外線ライト(ブラックライト)に反応し、暗闇で光ります。いかにも装甲の隙間からサイコフレームの光が漏れている感じです。

 

109 119 102ユニコーンガンダムのイメージ的に光沢仕上げや、完全ツヤ消しといった極端質感は避け、今回は半ツヤ仕上げを選択しました。足首やランドセルも含め、全ての外層にマーキングシールを貼り、最後に半ツヤのトップコートを吹きつけ外部装甲の作業は完了です。

 

9791逆にグレーの通常フレームはカサカサのツヤ消し仕上げにし、外部装甲との差別化を図ります。ピンクのサイコフレームはキットのままでツヤのコントロールはしていませんが、ここは光沢仕上げにしても面白い効果が生まれると思います。

 

83さてユニコーンの外見的特徴といえば、2つに割れる角です。キットにはデストロイモードの開状態、ユニコーンモードの閉状態。さらに展開する可動角の3種類が入っています。

 

8586デストロイモードで展開した角には付属のメタリックシールを貼ります。左右別々になっているので、片側ずつ慎重に位置を決めてパーツの上に置きます。

 

87その後、綿棒などを使ってパーツの凹凸に沿ってシールをなじませます。

 

88 89エッジが立っている部分などは、爪楊枝などを使って、角になる部分をきっちりと密着させます。あまり強く擦ると、表面の印刷を傷めてしまうので、優しく押さえつけるように貼るのが良いでしょう。

 

104105最後に目(カメラ)を仕上げます。クリアグリーンで成形されているので、外周部をツヤ消し黒で塗装します。少々はみ出しても気にせず塗装しましょう。

 

106 118はみ出した部分は先の細い綿棒に溶剤を付け拭き取ればOKです。綿棒の先端よりも、腹の部分を使う方が上手に仕上がります。キットには黒部分のシールも付属しているので、こちらを使用しても良いでしょう。

 

114 108バーニアはメタルカラーのダークアイアンを使って仕上げることにしました。メタルカラーは粘度も低くサラサラなうえ、速乾性で筆ムラが出にくい塗料なので、今回のような成形色を活かしたフィニッシュには適した塗料です。

 

115 116 113十分に乾燥させたら綿棒やティッシュペーパーで軽く擦れば、メタルカラー独特の輝きに仕上がります。この塗料の上からトップコートを吹くと、ただのダークグレーになってしまうので、メタルカラーを使った場合、トップコートは使わないようにしましょう。

 

 

完成!

120

 

121

 

122

 

123

 

これで完成です。ユニコーンガンダムに限らずRGシリーズは、メインとなる白や他の色についても複数の成形色が使われています。キットにパテやプラ板で改造を加えた場合は別ですが、素組みで仕上げる場合はフルペイントをするよりも成形色を活かしたフィニッシュの方がキットの特徴を最大限活かすことができます。特にユニコーンガンダムは各部がスライドして変身するため、この部分に塗装を行うと、変身時に塗膜が剥がれてしまう危険性があります。この点からも今回はウェザリングも含め、極力塗装を行わずに仕上げてみました。2017年秋にはお台場に実物大ユニコーンガンダムが登場します。新たなランドマークに想いを馳せながら、夏の終わりにRGユニコーンを作るのが楽しいと思います。

 

⇒素組みでガンプラ! ~組み立ての基本から簡易塗装まで! おすすめプラモデルをきれいに作るコツ~(目次) へ

 

関連情報

 

 

(C)創通・サンライズ

上に戻る