筆塗り補助の新作M.S.Gを使って大河原邦男氏デザインの新世代フレームアームズ・信玄をとことん楽しむ!その5

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

製作・撮影・文●ちいたわからし/編集●電撃ホビー編集部

日本を代表するメカニックデザインの巨匠、大河原邦男氏によるフレームアームズ、信玄。電撃ホビーウェブではこの信玄を複数回に分け、簡単フィニッシュから改造作例までとことん楽しむ記事を掲載していきます。

 

第5回目の今回から簡単フィニッシュ完成編です。今回は筆塗りが中心となりますが、記事内では一部の作業を紹介していますが、実際の作業方法は動画でご確認ください。

 

 

また、前回ご紹介した4月発売の新作M.S.G「フィンガーパレット」の使い心地なども合わせてご紹介していきたいと思います。

 

なお、今回の簡単フィニッシュ作例ですが、すでにヨドバシカメラ 新宿西口本店 ホビー・おもちゃ館2F、「夕方5時プラ〜ソーシャルディスタンス編〜」作品の展示されているショーケースにて、完成状態を展示していただいています。制作工程はこれから記事内で紹介していきますが、機会があればご覧いただけるとうれしいです。

 

ということで、前置きが長くなりましたが製作に入ります。前回、エアブラシが中心の塗分けでしたが、今回は残った部分とマスキングだけでは塗分けしにくかった部分(赤丸)を筆塗りしていきます。

 

金色の部分は、エアブラシで塗装をした部分と色味を揃えるために黒を最初に塗装していきます。今回はガイアノーツさんのサーフェイサーエヴォ ブラックを使用しています。サーフェイサーは塗料の収縮率が高い?ので筆ムラになりにくいため、細かい筆塗りの際に好んで使用しています。

 

銃の引き金部分など、黒のみで良い部分はコレだけで済ませています。乾燥したら金を塗っていきます。金属系の塗料の筆塗りは薄めすぎると粒子がまとまらず下地が透けやすいので、ソリッドな色を塗る際よりも濃いめの濃度で塗っています。

 

続いて、前回マスキングで塗装した鞘部分です。ここも飾り部分のマスキングが複雑で面倒そうだったので、マスキングしやすい部分だけエアブラシ塗装をし、細かい部分は筆塗りで仕上げています。

 

広い面積を塗ろうとすると難しいですが、このくらいの範囲であればエアブラシとの色の差も出にくいので、無理せず楽な塗り方をしたほうが気分も楽です。

 

今回、成型色を活かすために赤部分は塗装していません。が、キットでは下の赤丸部分のように塗分けが必用になる部分があるので「成形色の赤」を作っていきます。

 

ガイアノーツのエナメル塗料を使用しました。シアン、マゼンタ、イエローの純色、白、黒、蛍光色とバリエーションが豊富なので、混色のコツがつかめればほとんどの色が作り出せます。今回はこの4色を使いました。

 

でき上がりはこんな感じ。マゼンタ、イエロー、ホワイトで色を決め、蛍光レッドで発色を上げて成形色に似せました。混色のコツは「色相環」で検索すると色の混ぜ方などを紹介しているサイトがいくつも出てくるので、苦手な方は調べてみるとよいと思います。

 

続いて、できた色をパーツに塗っていきます。

 

ある程度乾燥したらエナメル溶剤で不要な部分を拭き取っていきます。エナメル塗料の種類が増えたことで「塗ってから拭き取る」という作業が非常にやりやすい環境になりました。

 

武器を持たせる手首も、同じ要領でフレームの整形色に似せたグレーで塗り分けていきます。ここで前述したフィンガーパレットを使ってみました。使うまで「そんなに近くにパレットがあっても意味なくね?」と訝しんでいましたが、塗りたい対象の近くにパレットがあるのはとても便利でした。

 

画像のような目の縁取りなど細かい塗分けをする際は集中して作業しますが、卓上パレットだと塗料を補充するたびにパーツを持ち直して集中力が途切れたりしがちです。しかし、手元にパレットがあれば一気に塗装できるので、失敗してはみ出すリスクを減らせます。

 

フィンガーパレット自体は複数のメーカーから出ていたりするのですが、このM.S.Gは「カラー/溶媒ポケット」「吸収材ホルダー」「穂先スリット」などいくつかの機能を付加させているのが魅力です。その中でも、個人的にはこの「穂先スリット」が非常に便利でした。スリットに通すだけである程度穂先が整うので筆の先端を使った塗装がしやすくなり、作業後の洗浄時もサッと穂先を整えられるのでメンテナンスが楽になります。

 

細かい塗分けが終わったらデカール貼りです。貼る対象が膝当の微妙な曲面と位置合わせが必要な旗印バインダーとややコツがいります。

 

膝当は貼る面が曲面になっているため、そのまま貼ると馴染みづらくシワができます。最初に位置決めをし、マークソフターを使用してデカール自体を柔らかくします。

数十秒置いて、ソフターが馴染んできたら濡らした綿棒を表面に転がしてパーツに馴染ませます。このとき、とても破れやすくなっているので軽い力で注意して馴染ませましょう。

 

旗印状バインダーは平面なので貼りやすいですが、左右の位置を合わせないと完成したときに格好悪いので、片面貼ったらもう片面を隣に置き、常に位置を確認しながら貼っていきましょう。

 

デカールを貼る様子は動画後半で確認できるので、貼っている順番や位置合わせなど、参考にしていただければ幸いです。

 

全ての塗分け、デカール貼りが終わったら艶消しスプレーを吹いて全体の色調を統一します。乾燥後、最終組み立てをしていきます。

 

組立て時塗装したパーツが擦れて剥がれないようにグリス代わりにメンソレータムを塗っています。

 

干渉している部分を中心に塗りながら組み立てていきます。これだけの作業で「遊んでいて塗料がはがれた」ということが起きにくくなるのでオススメの作業です。

 

このような作業を経て、簡単フィニッシュでの信玄は完成となります。ここまで何度かお見せしていますが、改めて何枚か完成状態の画像を置いておきます。

 

第2回目の記事から完成状態をお見せしているので淡々と作業説明が続いた回にはなりましたがいかがでしたでしょうか? 個人的には「今まで画像と文章だけでは伝えにくかった作業」が動画でお見せできるようになったので製作記事としての有用性は上がったんじゃないかなーと思っております。見ていただいた方の何かの参考になれば幸いです。

 

ということで、信玄の記事はもうしばらく続きます。もうキットも発売しているということで、次回からは改造作例を紹介していきたいと思いますのでもうしばらくお付き合いいただければ幸いです。

(C) KOTOBUKIYA

関連情報

 

関連記事

上に戻る