鍋奉行の「玩具道」――第2回・ミニプラ パワーアニマルシリーズ(1)~「DX玩具」の方向転換によって生まれた、新たな進化~
頑張って玩具の記事を書いて、頑張って玩具を買ってます。どうも、エンタメライターの鍋奉行です!
もう引き返せない年齢だよなあ……などと考え始めると、ゾッとするほど怖くなるので考えません。ええ、考えませんとも!!
ということで、今回はいよいよ『百獣戦隊ガオレンジャー』放映当時の食玩組み立てキット「ミニプラ パワーアニマルシリーズ」より、第1弾「ミニプラ ガオキング」をご紹介したいと思います。何しろ約20年前の食玩の話なのでどうしても思い出語りっぽい口調になってしまいますが、そもそも書いているのがオジサンなのでご容赦下さい!
※文中の金額表記は、発売当時の税抜価格です。
DATA
ミニプラ ガオキング
- 種類:全5種(ガオライオン、ガオイーグル、ガオシャーク、ガオバイソン、ガオタイガー)
- 価格:各200円(税別・当時)
- 2001年3月発売
ギミック再現とコストパフォーマンスの高さに驚愕!
『百獣戦隊ガオレンジャー』の放映がスタートした、2001年初頭。その頃の僕は「S.I.C.」シリーズや「超合金魂」シリーズなどの、安価で続々と登場するハイターゲットトイ群に心を鷲掴みにされていました。その流れで20数年ぶりにスーパー戦隊の「DX玩具」も購入し、「DX百獣合体ガオキング」のあまりの出来の良さに「良い時代になったなあ」などと感動していたのです。あまりにも買い込み過ぎて、当時は我ながら「これはちょっとハマり過ぎじゃないか? どうかしてるだろ」などと考えたりもしましたが、すぐに気にならなくなりました。思えば、あれからずっとどうかしています。
そんな中、食玩売り場で見かけた「ミニプラ」にも当然のように手を伸ばしました……。無塗装+シールによる色分けだったり、よく見ると大胆に肉抜きされている箇所に当初は物足りなさも感じましたが、それでもトータルで伝わってくる出来の良さに痺れました。本来幼児向けの商品なのに、安易な手抜きが一切感じられなかったからです。
合体後のガオキングに関しては、DX玩具版の若干開脚する「ハの字立ち」ギミックこそ廃されているものの、合体ギミックは(直径5ミリのジョイント軸で)ほぼ完璧に再現しされていて、合体後のサイズ的にも子供から見たら十分な大きさ(現在の『SMPガオキング』とほぼ同サイズ)。可動についてもDX玩具とほぼ同等で、下半身は(脛が一体化しているため)無可動なものの、首と両肩、両肘は軸可動し、右肘と左手首も回転するため、上半身は表情を付けることができます。
何より、このサイズのロボを完成させるのに約1000円しか掛からないというコストパフォーマンスの高さには、心底驚かされました。子供の頃の勝手なイメージで「どうせチャチな作りだろうけど、あえてそのチープさを楽しもう」くらいの軽い気持ちで購入した僕は、予想以上に丁寧に作られていることに感心し、限られた予算の中で格闘する職人の意地を見た気さえしました。パッケージ裏に載っていた次弾予告からこの先の展開にも魅力を感じ、僕は以後もこのシリーズを追いかけようと決めたのです。
こうして僕はミニプラの道へと踏み入ることになりましたが、その道は(後で分かったことではありますが)「ミニプラ パワーアニマルシリーズ」自体にとっても、決して平坦な道ではありませんでした。何しろ、革新的なDX玩具・パワーアニマルシリーズを食玩化するだけでも大変なのに、他にも様々な障害が待ち受けていたのですから……。
【第3回に続く】 ※2022年1月中旬ごろ配信予定
ライター●鍋奉行
食玩や玩具を買い始めることで、人の心を取り戻したフリーライター。アニメ・特撮・フィギュアなどの記事を中心に、各方面で活動中。ロボ系玩具や可動フィギュアが好物で、食玩では特にミニプラシリーズに思い入れが強い。
(C)2001 テレビ朝日・東映
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