鍋奉行の「玩具道」――第6回・ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ(1)~ミニプラにおける超絶可動への挑戦~
またノートパソコンを壊しました。どうも、エンタメライターの鍋奉行です!
家が玩具でパンパンでデスクを置く場所がないせいで、2年に1回のペースでパソコンの上に飲み物をひっくり返してます。ああ、「SMPガオイカロス」や「SMPガオライオン&ガオエレファント」の購入資金が……壊れたノーパソを積み上げたら、そろそろサイドテーブルとして使えそうです。良かったじゃん俺!
さて、本コーナーは2022年の年始に掲載された短期集中連載を経て、めでたく連載(不定期)へとレベルアップ! 当座は引き続き古いミニプラについて書いていきますが、ゆくゆくは1ユーザーの立場からハイターゲットトイや近年の玩具などについても語りたいと思っておりますので、今後ともひとつ良しなに。ちなみに今回(第6回)から第10回まではゴールデンウイーク中に連日掲載される予定です。
ということで今回から全5回にて、2007年に放映された『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の食玩「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」について語っていこうと思います。
15年前の食玩ながら現在もファンの間で話題に上がることが多い本シリーズですが、まずはシリーズ全体の概要からご紹介しましょう!
※文中の金額表記は、発売当時の税抜価格です。
超絶可動に挑戦した異端の食玩「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」
この前年にあたる2006年に展開された「ミニプラ ボウケンジャーロボシリーズ」では、DX玩具と同様のド派手な全合体ギミックと、ミニプラならではの可動を両立させることに成功。ところが『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のDX玩具では一部換装や武装的な合体ギミックは有するものの、合体要素よりも、内蔵モーターによる電動回転&LED発光ギミックに主軸を置くことになりました。
これは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の作品モチーフである「獣拳」=カンフーアクションのイメージを推し出すための措置でしょう。そのためロボの合体ギミックは比較的シンプルで、動物メカ3体が合体するロボ(ゲキトージャ&ゲキファイヤー)をコアとして、その他のゲキビーストをパーツ分解して武装のように装着させるパターンがメインとなっています。
このDX玩具のコンセプトを踏まえて、「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」では全ての動物メカ(ゲキビースト)が立体化され、合体などのギミックもほぼ忠実に再現されました。ただしDX玩具の電動・発光ギミックをミニプラに搭載するのは、価格的にもサイズ的にも無理があります。
そこで本シリーズではこれらのギミックを廃する代わりに、各ロボの可動やプロポーションを向上させる方向へとシフトしました。この路線変更が、「歴代ミニプラ最強クラス」と語り継がれる本シリーズの超絶可動ギミックへと繋がっていくのですが……可動については、回を改めてアイテムごとにじっくりご紹介したいと思います!
ユーザーを飽きさせない発売スケジュール
ということでシリーズ概要に続いて、同年のミニプラ及び関連アイテムの発売スケジュールについて簡単にご紹介していきます!
なお文頭「●」のアイテムはミニプラシリーズの正規アイテム、「〇」は一部ミニプラアイテムを含むなりきり系食玩、「◎」は一部組み立て済みの半完成品アイテムとなっています。
ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ&関連アイテム一覧
- ●ミニプラ 獣拳合体ゲキトージャ(2007年3月発売/全3種・各300円)
- 〇ゲキレンジャーパワーアームズ(2007年4月発売/全3種・各300円)
- 〇ゲキレンジャーエアロアームズ(2007年5月発売/全3種・各300円)
- 〇ゲキレンジャーセイバーアームズ(2007年6月発売/全3種・各300円)
- ●ミニプラ 獣拳合体ゲキファイヤー(2007年8月発売/全3種・各300円)
- ●ミニプラ リンライオン&リンカメレオン(2007年8月発売/全1種・500円)
- ◎獣拳変身ゲキバイオレット(2007年9月発売/全3種・各300円)
- ●ミニプラ 獣拳武装ゲキトージャ(2007年9月発売/全6種・各300円)
- 〇サイダイオー&サイブレード(2007年11月発売/全2種・各500円)
- ●ミニプラ 獣拳合体ゲキファイヤー特別編(2007年12月発売/全1種・1,000円)
ちなみに前年の「ミニプラ ボウケンジャーロボシリーズ」では、季節商品である食玩ならではの買い逃しをフォローするための再販アイテム(シールが銀ピカ仕様に変更された「ミニプラ 超轟轟合体ゴーゴービークル」)が用意されました。
一方、本シリーズではその路線を更に拡充。コアロボとなるゲキトージャとゲキファイヤーの再販だけでなく、武装用ゲキビーストのゲキエレファント・ゲキバット・ゲキシャークは、まずは「ゲキレンジャーパワーアームズ」などのなりきり系食玩の1アイテムとして発売され、その後コアロボであるゲキトージャと一緒に再販される(「ミニプラ 獣拳武装ゲキトージャ」)など、途中参加ユーザーにも配慮されたラインナップとなりました。
なお本シリーズの付属シールは、「ミニプラ 超轟轟合体ゴーゴービークル」と同様に「再販時には銀ピカ仕様に変更」されており、この仕様変更は以後のミニプラシリーズでも恒例となっています。
多彩な連動ギミックで、遊びの幅がワイドに
また1号ロボ・ゲキトージャに関しては再販だけではなく、合体ギミックがオミットされた簡易版フィギュア「アクションゲキトージャ」も発売されました。こちらは「ゲキレンジャーセイバーアームズ」の1アイテムとしてリリースされましたが、他の武装用ゲキビーストなどと同じく「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」の名も同時に冠する、ダブルブランドアイテムとなっています。
ちなみに、通常のなりきり系食玩では主にヒーローの変身アイテムや武器が立体化されますが、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のなりきり系食玩では、それ以外に武装ゲキビーストや(FAゲキレッドなどの)ヒーローフィギュアなどもラインナップされています(例外として、主要キャラの変身アイテムや基本武器のみを集めた食玩シリーズ「獣拳変身ゲキレンジャー」なども存在)。
これは、「武装ゲキビーストは等身大戦と巨大戦の両方で使用する(キャラもロボも装着可能)」という劇中の設定を再現するための措置で、そのため武装ゲキビーストはロボだけでなく、ヒーローフィギュアとも連動が可能となっています。劇中再現の結果ではありますが、この「ミニプラシリーズとなりきり系食玩との連携強化」によって広がった遊びの幅も、「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」の大きな特徴の1つと言えるでしょう。
劇中設定の再現に徹することで、多彩なプレイバリューを獲得した「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」。今回はその全体像を理解していただくため、簡単ではありますが年間商品ラインナップをご紹介しました。
コアロボの超絶的な可動ギミックが目を惹く本シリーズですが、1年を通して振り返ったときに、これほど集めやすくバランスの取れた商品ラインナップは個人的にはそうはないと思います。また、ある意味DX玩具とは異なる魅力を生み出すことに成功した、稀有なシリーズとも言えるでしょう。
ということで、いよいよ次回からは「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」のアイテム紹介に移りたいと思います。それではまた!
【第7回に続く】 ※2022年5月4日(水・祝)配信予定
ライター●鍋奉行
食玩や玩具を買い始めることで、人の心を取り戻したフリーライター。アニメ・特撮・フィギュアなどの記事を中心に、各方面で活動中。ロボ系玩具や可動フィギュアが好物で、食玩では特にミニプラシリーズに思い入れが強い。
(C)2007 テレビ朝日・東映AG・東映
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