鍋奉行の「玩具道」――第7回・ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ(2)~税別300円×3機合体でこの可動!「獣拳合体ゲキトージャ」の充実ぶりを振り返る~
久々にお花見に行きたいです。どうも、エンタメライターの鍋奉行です!
中野通りの桜が満開なのですが、このご時世知り合いも誘いにくいし、オジサンが1人で昼間っから飲酒してたら通報されそうな予感しかしません。仕方ないので、通報されないよう真夜中に1人でコソコソ行くしかなさそうです。……生きづらい世の中のアホー!
ということで今回は、2007年に発売された「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」より、「ミニプラ 獣拳合体ゲキトージャ」をご紹介します!
※文中の金額表記は、発売当時の税抜価格です。
DATA
ミニプラ 獣拳合体ゲキトージャ
- 食玩
- 全3種(ゲキタイガー、ゲキチーター、ゲキジャガー)
- 価格:各300円(税別・当時)
- 2007年3月発売
DATA
ミニプラ 獣拳武装ゲキトージャ
- 食玩
- 全6種(ゲキタイガー、ゲキチーター、ゲキジャガー、ゲキエレファント、ゲキバット、ゲキシャーク)
- 価格:各300円(税別・当時)
- 2007年9月発売
電動機能の代わりにシリーズ最強の可動を実現!
当時のミニプラシリーズは、2004年の『特捜戦隊デカレンジャー』や2007年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』などで「DX玩具のギミック再現だけでなく、可動もこなす」と、一部戦隊ファンの間で話題になっていた時期。ただし可動ギミックは、仕込むにしても本来の変形・合体ギミックを優先する必要があるため、ミニプラに落とし込むには価格やサイズなどの縛りだけでなく、元デザインとの相性も非常に重要でした。相性が悪ければ入れたくても関節を組み込めないわけで、これはスーパー戦隊シリーズのロボをミニプラ化する以上、常に避けて通れない問題でもあります。
そんな中、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のDX玩具では電動回転および発光ギミックが採用されましたが、ミニプラシリーズではこれらのギミックはサイズ的にも価格的にも再現できません。そこで前回でもお伝えした通り、「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」ではプロポーション向上と可動ギミックに力を入れることになりました。要はDX玩具に内蔵されていた電動・発光ギミックを省けたことで、スマートなプロポーションや豊富な可動ギミックを実現できたわけです。
何より可動の充実は、カンフーアクションを得意とするゲキトージャの劇中イメージと相性バッチリでした。その意味では、「可動ギミックを充実させる」という進化の方向性はまさに英断だったわけですが……問題はその充実度にありました!
高度な技術と食玩らしさを融合した、驚異の可動ギミック
ということで前置きが長くなりましたが、ゲキトージャのレビューに移りたいと思います。まずは、主な可動ポイントを箇条書きでご紹介!
- 首:左右へ軸回転+変形の恩恵により上方へ軸可動
- 肩:腕の回転+前方へスイング可動
- 腕:肩下で軸回転+肘が軸可動
- 胸部:横方向へ軸回転+若干だが前方へ傾く
- 股関節:前後左右へ180度開脚が可能
- 膝:軸回転+変形の恩恵による二重関節で、幅広く可動
- 足首:内部のボールジョイントで前後左右に傾斜するが、構造上の都合で接地性はそこまで高くない
元デザインの都合もあって若干可動域が狭い箇所もありますが、トータルでは「超絶的」とも言える可動域を実現。膝下部分が大きいため片足立ちでも安定しやすく、派手なアクションポーズも決まります。
そんな中でも特に注目していただきたいのが、両腕の可動構造と形状。肩のスイング機構も、当時のロボフィギュアとしてはかなり珍しい可動ギミックだったのですが、個人的に一番感心したのは肘から手首までの前腕部の形でした。
肘関節を(腕の中心部ではなく)思いっ切り内側へずらして配置することで、一軸可動とは思えないほどの広い可動域を実現。しかも前腕パーツの独特な形状によって、肘を曲げた際にも腕のラインが繋がって(肘が突き出て)見えるよう配慮されているのです。この「肩のスイング機構」などの新たなギミックと、ある意味チープで食玩らしい「見立て」技術のハイレベルな融合こそ、ミニプラならではの進化と言えるでしょう。
このほかにも、多彩な手首パーツ(本アイテムに付属する2種の他、後続アイテムに別形状のものも付属)の交換により、様々なアクションポーズを再現可能。カンフーアクションを得意とするゲキトージャの劇中イメージを、さらに超えるポージングが楽しめる逸品となっております!
ということで、今回は「ミニプラ 獣拳合体ゲキトージャ」の魅力をご紹介しました! この後発売された「ミニプラ ゲキレンジャーロボシリーズ」のコアロボとして機能する本アイテムですが、単体でも充分過ぎるプレイバリューを持つことは、ご理解いただけたと思います。
ちなみに発売当時は、当然ながらその後の商品展開の全容は不明で、「去年は全合体が売りだったけど、今年はどうなるんだろう?」とワクワクしたのを覚えています。その後は、可動&武装に振り切った予想外の商品ラインナップに「食玩でこんなこともできるのか!?」と驚かされましたが、このような嬉しい裏切りもミニプラシリーズの醍醐味かも知れません。
それでは、続きはまた次回!
【第8回に続く】 ※2022年5月5日(木・祝)配信予定
ライター●鍋奉行
食玩や玩具を買い始めることで、人の心を取り戻したフリーライター。アニメ・特撮・フィギュアなどの記事を中心に、各方面で活動中。ロボ系玩具や可動フィギュアが好物で、食玩では特にミニプラシリーズに思い入れが強い。
(C)2007 テレビ朝日・東映AG・東映
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