ガンプラのスクラッチ技術を紹介!側面インテークの製作方法【『ガンダムホビーライフ010』拡張版】

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発売中の『ガンダムホビーライフ010』(以降『GHL10』)ではスクラッチ技術紹介連載「すくすくスクラッチ」を掲載中! 今回の誌面では作例で製作した「GP00」の頭部を題材とし、センター分割法による左右対称な形状の製作方法を紹介しています。ここではその出張特別版として、本編記事の補足として側面インテーク部分の製作方法を紹介しましょう。

 

_MG_1400岬 光彰氏により15年ぶりに復活した幻の試作機「RX-78 GP00ガンダム試作0号機“ブロッサム”」のスクラッチ作例も掲載!

 

※バックナンバーも併せてご覧ください。

 

引き続き電撃ホビーウェブでは頭部側面のインテーク部分の製作方法を紹介しましょう。ぜひ『GHL10』の誌面と合わせてご覧ください。

 

 

インテークの穴をスタンピングで左右対称に入れる

ガンダムタイプの頭部の造形で、難しい部分のひとつが頭部のインテークです。GP00の場合は、RX-78に比べると単純なデザインなのですが、それでも左右を同じ形に、同じ位置に削り込むというのは、なかなか難しいもの。そこで、今回は『GHL10』で紹介した、トースカンを使った3次元計測で使用した「パーツハンガー」の構造を応用して、スタンピング方式で左右のインテークの穴を入れてみました。

 

1:インテークの穴の形状をプラ板で作る
1製作した頭部パーツのインテーク部分の形状に合わせて、現物合わせでインテークの穴の形状に0.3mmプラ板を切り出しました。

 

2:製作したスタンプ
2 3「1」で作ったインテークの穴の形のプラ板を参考にして、画像のように両端の断面が同じ形のスタンプを、角プラ棒から削りだして製作しました。上下の穴のスタンプを0.8mmのプラ板を挟んでつないでいます。

 

3:穴を掘る
4左右のインテークの部分をやや大きめに穴を掘ります。

 

4:スタンピング用のパーツハンガー

5 6『GHL10』の誌面記事で紹介したパーツハンガーの応用で、床の面にスタンプのスライド用の溝を入れた、スタンピング用の治具を製作しました。直角に立てられた2mm板の左右に、分割した頭部パーツを装着し、床面にはプラ板でやや斜めに溝が入るようにプラ板を貼っています。

 

5:治具の構造①
7治具の縦板に頭部をセットして、床面の溝にスタンプをセットします。

 

6:治具の構造②
8治具の床面の溝にセットしたスタンプを頭部の方向にスライドさせることで、スタンプ加工を行います。スタンプを前後両サイドを使って同じ加工をすることで、反対側のインテークにも同じ位置に左右対称なスタンプ加工が行える……という構造です。

 

7:シリコンバリアーを塗る
9スタンプの表面にシリコンバリアーを塗って、乾かしておきます。

 

8:インテークにポリパテを流し込む
10頭部パーツのインテーク部分に開けた穴に、溶剤(スチレンモノマー)を混ぜ合わせてやや粘度を下げたポリパテを流し込みます。

 

9:スタンプ加工
11治具の床にスタンプをセットして、頭部の方向にスライドさせ、ムニュっと奥までインテークの穴に、スタンプの先端を押し当てます。治具の横の溝には左右の同じ位置に「ストッパー」を入れてあるのでインテークの穴の深さも同じになります。

 

10:脱型
12ポリパテが硬化したら、スタンプを外します。

 

11:削り出し
13油分な部分を削り落として、インテークの穴のスタンピングの完了です。バルカン砲の入る部分の丸いくぼみも、スタンプできれいに入りました。

 

12:反対側の加工
14反対側も、スタンプを前後逆側で使って同じように加工します。

 

13:完成したインテーク部
15両端を使うスタンプと、スライド治具を使うことで、同じ位置・同じ深さに左右のインテークの穴を入れることができました。パーツのサイズに対してやや大掛かりな治具でちょっと面倒くさそうに見えますが、左右対称の位置合わせを、盛り削りを何度も繰り返しながら調整するよりも結果的に手早く加工ができるのでオススメです。

 

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『GHL10』の記事と合わせて読んでいただけると、よりわかりやすいと思いますのでぜひご覧ください!

 

 

COVER

  • カバーモデル:RX-78 GP03ガンダム試作3号機“ステイメン”
  • 製作:NAOKI

 

DATA

ガンダムホビーライフ 010

  • 2017年2月15日発売
  • A4判
  • 定価(本体1,800円+税)
  • 発行:KADOKAWA

 

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