素組みでガンプラ!ミキシングビルドと缶スプレーを使用したキャンディ塗装【前編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回は「HGUC 1/144 ガルバルディβ」を使用してミキシングビルドを行ってみましょう。

 

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近年『Zガンダム』時代のMSが次々とHGモデル化されています。そのなかでもガルバルディβはファンが長年待ち望んだキットと言えます。ゲルググを彷彿させるデザインもとても魅力的で人気の高いMSですが、『ガンダムZZ』にはガズR/ガズLという親衛隊が使用するバリエーション機も存在。今回は『ZZ』放映当時のキットと組み合わせて、このガズR/ガズLを製作してみましょう。

 

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今回用意したのは『ガンダムZZ』放映当時に発売されていた「1/144 ガズR/ガズL」のキット。30年以上前の商品ですが各関節にはポリキャップが採用され、関節の可動もスムーズに行うことができます。キットはガズRかガズLを選択して製作する仕様のため、当時も今も2個買いが基本の商品です(笑)。

 

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デザインや文字設定からもわかるようにガズR/ガズLはガルバルディβのバリエーション機のため、本キットも『Zガンダム』時代のガルバルディβのキットに追加ランナーを加えた仕様です。そのためノーマルのガルバルディβとしても組めるようになっています。

 

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プロポーションも『Zガンダム』、『ガンダムZZ』シリーズのなかでも屈指のでき栄えで、HGUC版が発売されるまでファンの間では“現役”だったため、再販されると店頭から最初に消えるキットの1つでした。ちなみにこの写真はGHL005号の連載企画<ガンプラバトルロイヤル>で筆者が製作したのを再撮影したものです。関節のタイミングを調整するだけで現在でも通用することがお分かりいただけるでしょう。

 

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前置きはこのくらいにして製作に移りましょう。外見的な差異は肩と前腕の増加装甲、バックパックの大型ビームサーベル、つま先の延長です。まずは肩のパーツを比べてみましょう。左からHGUC・旧ガルバルディ・旧ガズR/ガズLの肩パーツです。内部構造もポリキャップを挟みこむ仕組みのためとても似ています。

 

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内部構造が似ているということは、ポリキャップの径が同じであれば簡単にHGUCに組み込めるはずです。

 

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実際に肩部のポリキャップのサイズは同じで、HGUCの腕ブロックにそのまま装着できました。しかしガルバルディタイプの肩を並べて比べると、肩ブロックの装着位置が違うことがわかります。ディテールにも大きな差があるのが一見してわかりますね。ガズR/ガズLタイプの肩ではデザインが異なるためそれほど違和感はありませんが、よく見ると肩装甲が胴体側(写真左側)に寄っているのがわかります。

 

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そこでHGUCガルバルディβのポリキャップの受け部分をガズR/ガズLタイプの肩に移植することにします。エッチングソーで丁寧に削ぎ取り、底面をヤスリで平らに整えておきます。

 

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切り取ったポリキャップの受け部分をガズR/ガズLタイプの肩に接着します。接着部分の高さを揃えるためにプラ板を貼って調整しています。取り付け位置に注意し接着すればこれで終了。肩と胴体の取り付け方法がHGUCと旧キットでは異なるので、HGUCの腕取り付け基部も同時に移植しましょう。

 

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次は前腕の増加装甲です。サイズ的にはピッタリなのですが、前腕への取り付け方法……、取り付けピンのサイズと形状が異なっているのがわかります。そこでこの取り付け部分の加工を行います。

 

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まずはニッパーで増加装甲のピンを切り取ります。邪魔にならないように切り取るだけなのでニッパーで切除しただけでOK。

 

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切り取ったピンの代わりにHGUCガルバルディβのシールドの取り付け基部パーツを接着します。位置を正しくするために、まずHGUCガルバルディβの腕にシールド取り付け基部を装着。その後シールド取り付け基部の裏側に接着剤を塗り増加装甲を腕ブロックに取り付け接着剤の硬化を待ちます。今回使用したのはウェーブの「黒い瞬間接着剤」です。粘度が高くパテのように使用できる瞬間接着剤なので少々の隙間・パーツの浮きがあっても確実に接着できるマテリアルです。

 

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基本工作はこれで終わりです。これだけでガズR/ガズLへ変更できます(写真は左肩に増加装甲が付いているので、正確にはガズLになります)。ちなみにここまでの作業に要した時間は1時間です。

 

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しかし……です。肩上部のディテールに注目してください。設定画を見てもわかりますがこの部分はガルバルディタイプもガズR/ガズLタイプも同じものが装着されています。ディテールが異なるのはキットの設計の違いな訳です。

 

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このままでも決してダメではありません。しかし、やはり気になるのでHGUCガルバルディβの物を移植することに。まずはガズR/ガズLのこの部分を切り取り、プラ板でフタをしてガルバルディβのパーツを取り付けやすくしておきます。

 

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この部分のパーツはHGUCガルバルディβでは別パーツになっているので接着剤で貼りつければ完了。このパーツの高さ・形状が揃ったことで左右の肩アーマーに統一感が生まれ、より自然な感じに仕上がりました。

 

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これだけの作業で2018年現在のクオリティでガズR/ガズLが蘇りました。追加作業にかかった時間はさらに1時間。合計2時間の作業ですが達成感はとても大きい作業です。

 

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残りはつま先の延長とバックパックの大型ビームサーベルです。この部分も旧キットのパーツを流用します。つま先はそのまま貼りつけてもOKですが、真ちゅう線などで軸打ちを行えば強度も増すでしょう。大型ビームサーベルも旧キットのバックパックからエッチングソーで丁寧に切り取り、HGUCガルバルディβのバックパックに取り付ければ終了です。

 

形状変更はこれで終わりですが、ガルバルディβとガズR/ガズL最大の違いが残っています。それはカラーリングです。次回はガズR/ガズLの特徴でもあるメタリック塗装を行うことにしましょう。

 

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