素組みでガンプラ!初心者でもできる「フィギュアライズメカニクス ハロ」の攻略法【後編】
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
さて、今回はいよいよハロに外部装甲を取り付けて愛らしいハロを完成させます。
※バックナンバーもあわせてご覧ください。
今回製作する外部装甲は少し特殊な製造法で作られています。それは「アンダーゲート」と呼ばれるゲート形状。このアンダーゲートを用いる利点は、完成後に外から見える場所にゲート跡が出ないことで、大変親切な設計です。このアンダーゲートの処理法を説明します。
まずは通常のパーツと同じようにパーツから少し離れた場所で、ゲートを少し残すようにカットします。残ったゲートが少し外側に飛び出ているのがわかると思いますが、これはランナーからパーツを外すためのカットです。
次に上側に飛び出たゲートをつまむようにニッパーでカット。パーツの接合面にゲートを設置することで、パーツの外側を傷めることがない設計というわけです。
最後にゲートのカット痕を「ヤスリスティック・ハードタイプ」で削り終了。正面側の外部装甲パーツはこの方法で問題ありません。
次は背面側のパーツの処理です。ここは少しだけコツがいるので細かく解説。まずは先ほどと同じようにパーツから少し離れた場所でカットします。ここまでは先ほどと同じですね。
次も同じように、上側に飛び出たゲートを、ニッパーでつまむようにカットします。
異なるのはここからです。階段状になっているディテールの途中にゲートが飛び出ているのがわかります。この階段状のモールドは正面側の装甲パーツがかぶさるための段です。つまりここにゲートが残っていると、正面と背面の装甲パーツが綺麗に合わさらなくなります。
この部分はニッパーではなく、カッターの刃(デザインナイフでもOK)を水平方向に入れ、飛び出たゲートをそぎ取るように取り除きます。基本的にはこれで終了。
カッターでそぎ取った痕がデコボコしている場合は、「ヤスリスティック・ハード」の角部分を使って削ると、より綺麗に仕上げられます。カッター作業が苦手な人は、最初からこの方法でゲートを削ってもいいでしょう。
パーツのカットとアンダーゲートの処理が終わったら、いよいよ外部装甲を取り付けハロを完成させます。外部装甲は背面側から取り付けるといいでしょう。
さてキットには選択パーツとして嬉しいオマケが入っています。まずは正面、上側の装甲です。先ほど取り付けたパーツとは異なり、目の部分に穴が開いていません。このパーツを取り付けると“のっぺらぼう”のような表情になります。裏側からパーツを見ると目の部分のプラの厚みが薄くくぼんでいるのがわかります。ここに秘密があります(その効果は記事の一番下の完成品をご覧ください)。
もう1つのプレイバリューはすべての外部装甲にクリアーバージョンがセットされていること。クリアーパーツなのでヤスリ痕が目立たないように慎重にヤスリ処理を行いましょう。
万が一クリアーパーツにヤスリキズが入ってしまってもリカバー方法は存在します。先ほどから紹介している「ヤスリスティック」シリーズのフィニッシュタイプです。これは表と裏で目の細かさが異なるツールです。まず青い面で全体を磨き、その後、白い面で磨くことでツルツルの表面を取り戻すことができます。クリアーパーツに使用しても効果は抜群で元々の透明度を取り戻せます。
完成!
これで完成です。この「Figure-rise Mechanics ハロ」は手足が可動して収納状態と展開状態を差し替えなしで再現できるモデル。別売りの発光ユニットを使用すれば目も光らせられます。加えて最後に紹介した目の穴が開いていない正面装甲を使った場合、LEDの光が装甲を透過し、穴あきバージョンとは違った表情を楽しめるのも特徴。この場合は内部の目を動かすことで、クリアーパーツにLEDが投影され、その角度によって“哀しい表情”と“怒った表情”を楽しめます。さらに付属のクリアー装甲を使えば完成後も内部メカを堪能可能。装甲裏側のスジ彫りも蛍光クリアー素材のため、グリッド線のように表面に美しく映っています。
さて、今回は初心者の人に向けて、模型作りの初歩の部分から解説しました。初心者向けのハウトゥでは物足りない人もいるとは思いますが、どの時代でも、いつのタイミングでも“一年生”は存在します。それは模型だけの話ではありません。とくに今回のようなキットが発売されたタイミングでは、この「Figure-rise Mechanics ハロ」をきっかけに模型の世界に入られる人もいると思います。そのため今回はこのような企画にしました。
いままでプラモデル製作の経験がない人も、簡単に可愛らしいハロを手にできるので、この機会にチャレンジしてみてください。
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