素組みでガンプラ!シリコーンバリアーを使ったチッピング表現【後編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回はさらにウェザリングを加えて、リアリティを増すとともに全体的な統一感を演出していきます。
※バックナンバーもあわせてご覧ください。

14 1533 21使用したのはGSIクレオス、Mr.カラー41番「レッドブラウン」と116番「ブラックグレー」です。この2色を用意しましたが、どの色を使用してもいいと思います。肝心なのはグレーとブラウンとブラックを混ぜてサビ色を作ることです。

 

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この何とも言えないダークブラウン・グレーを面相筆などでエッジ部分にチョンチョンと乗せていきます。前回も使用したシルバーもところどころ加えると、よりおもしろい効果を生み出すことができます。脚部は剥がしによるチッピングをしていないので、サビ色を加えることで情報量を増やしましょう。

 

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面相筆で丁寧に描き込んでもいいですが、キッチン用のスポンジなどで塗料を乗せてもおもしろい効果を生み出せます。スピードもスポンジを使ったほうが圧倒的に早いです。

 

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近年はチッピング用のスタンピングスポンジなども発売されているので、こちらも便利でしょう。このツールを使えば手が汚れず、ピンポイントでチッピングを施せます。

 

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ライトグリーンの脚部にチッピングを施した状態。塗装でチッピングを施す場合は、装甲パーツをバラしてから作業したほうが装甲の繋ぎ目部分などにも細かくチッピングが行えます。

 

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上半身のダークイエロー部にも同じようにチッピングを施すと、全体に統一感が生まれるので軽く同じ作業を施すといいでしょう。

 

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脚部にもチッピングを加えた状態。脚部は成形色のライトグリーンのままなので、サビ色のチッピングを加えると全体としての統一感が生まれます。もしデカールなどを貼る場合は、このタイミングで貼り込むといいでしょう。

 

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最後にMr.ウェザリングカラーの「グランドブラウン」でウォッシング(フィルタリング)します。この作業で上半身のダークイエローと下半身のグリーン。さらに通常色とチッピング色のすべての色をなじませて、さらなる統一感とウェザリングを一気に加えていきます。

 

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すべての工程が完了した状態。エアブラシを使わずとも、缶スプレーと筆塗り、スポンジチッピングだけでもここまでキットに味付けをすることが可能です。

 

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最後にマシンガンです。キチンと接着して合わせ目消しを行っても、成形色の関係で合わせ目の跡が見えています。そこでここはガンダムカラースプレーの「ファントムグレー」を吹いて処理することにしました。

 

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ザク本体をせっかくここまで仕上げたので、マシンガンもきっちり仕上げます。「ファントムグレー」をひと吹きしてウォッシングを行えば、このように仕上がります。

 

 

完成!

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これで完成です。本来シリコーンバリアーを使ったチッピングはシルバーやグレーで下地塗装を行ったあと、シリコーンバリアーを保護層として吹き、そのあと基本塗装を行い、最上層の塗装膜を剥がすことでチッピング効果を生み出す技法。本コーナーのテーマである“成形色をできる限り生かす”場合、全身シルバーやグレーのキットでないと使えない技法です。F2型ザクは連邦・ジオン両方のカラーが発売されていますが、ジオンカラーを使えば、“リペイント前の塗装が剥がれて見える”という、一風変わった仕上げをすることができます。

 

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この技法はガンダムMk-IIやリックディアスなど、劇中でカラーリングが変更された機体を再現するには有効な方法でしょう。ほかにも成形色+リペイントという設定で考えれば、迷彩塗装や砂漠戦用塗装、冬季迷彩などの上塗りが剥がれて、オリジナルカラーがのぞき見えているという演出を施すことができます。加えてシリコーンバリアーを使用すれば、色数がとても多い、通常のMr.カラーが使用できるというのは大きな武器となります。もちろん上塗りを筆で仕上げてもいいですし、缶スプレーだけでなく簡易吹き付け器具を使えば、その応用度は無限に広がります。あとはアイディア1つなので、皆さんもいろいろ妄想を膨らませてシリコーンバリアーチッピングを楽しんでみてください。

 

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