NゲージやZゲージなどが一堂に介した「第22回国際鉄道模型コンベンション」事後レポート!KATOやトミーテックほかメーカー製の新商品や、モデラーによる超絶展示などを一挙紹介!

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日本の鉄道模型メーカー・モデラーの夏の祭典、「第22回国際鉄道模型コンベンション」が、2023年は8月18日(金)から20日(日)にかけて、東京ビッグサイト東1ホールにて開催されました。大盛況だった前年に引き続き、今回も多数の鉄道模型メーカーと出展モデラー、そして鉄道模型ファンが有明の地に集いました。

今回電撃ホビーウェブでは、新進気鋭のフリーライターにして、Nゲージを中心に自身も日頃から鉄道模型に親しんでいる若林健矢氏に取材を依頼。3日間全日のスケジュールで、企業ブース・モデラーブースをどちらも巡っていただきました。このページでは、その場内でも話題だった車両や新商品、特に印象に残った展示などをまとめてレポートしていただきます!

 

2023年のテーマは「電気機関車」!鉄道開業150周年だった前年を上回る出展数が集結!

私、筆者の若林健矢は、実車の鉄道も鉄道模型も幅広く取材しています。鉄道模型においては、自宅に小型電車向けのレイアウトを作ったり、自己責任で中古車両の動力を修理したりする程度には親しんでいるつもりですが、実は「国際鉄道模型コンベンション」に来ることができたのは小学生以来。取材とはいえ、久しぶりにこのイベントを見られることを楽しみにしていました。

2023年のテーマは「電気機関車」。これにちなんだ写真展や、鉄道模型の展示、ステージイベント なども開催されました。そんな今回、企業ブースが79社(レールマーケット出展32社を含む)、モデラーブースが69団体となり、昨年を上回る出展数に。フードコートには、「峠の釜めし」のおぎのや、カツサンドのとんかつまい泉など4社が出店しました。

まずは企業ブースから見ていきましょう。最近話題になっている車両や、発売予定、または発売したばかりの新製品などを幅広くご紹介します。

 

まずはKATO、Nゲージ大手の新作展示からチェック

日本のNゲージ(150分の1、一部は160分の1)大手メーカー・KATOからは、「EF55 高崎運転所」(税込15,180円)と、同機が牽引した「高崎運転所 旧型客車」(税込20,900円)が展示されていました。発売はイベントのあと間もなくで、メーカー出荷日が2023年8月29日(火)となっています。

片方の前面が流線形になっているEF55形電気機関車は、特急「燕」「富士」を牽引した実績があり、1964年に一度廃車になるも1986年に復活! 旧型客車や12系客車などを牽引し、時に他の機関車と重連を組むこともありました。現在は大宮の鉄道博物館で保存されています。

Nゲージにおいては、これまでの他社製品が、先台車車輪をダミー表現にしないと半径282mm(R282)のカーブを曲がれなかったところ、ダミーにしなくても半径282mmのカーブを走行できる動力構造を実現。会場では12系客車を牽引した編成でデモ走行を行っていました。

 

他にも、JR西日本283系「オーシャンアロー」の試作品や、歴代の特急「くろしお」車両、開発中の「ポケットライン」専用コントローラーなどを展示していました。「オーシャンアロー」は実車同様の振り子機構を搭載。6両基本セット(税込29,040円)、3両増結セット(税込15,180円)、6両・3両が同時収録される特別企画品(税込43,780円)でそれぞれ11月発売予定です。

 

開発中の「ポケットライン」専用コントローラーは、USB給電によって5V電圧で列車を動かすことができます。通常のNゲージ車両ではパワー不足ですが、「ポケットライン」などの小型車両を動かすには十分でしょう。使い方によっては、Nゲージを始めてみたい子どもの入門用としても活用できるかもしれません。

 

トミーテックは「TOMIX」「ジオコレ」両ブランドの新作を展示

KATOに並ぶNゲージ大手にして、「TOMIX」と「ジオラマコレクション」の両ブランドを手掛けるトミーテックを見ていきます。

まずは実車の開業がイベント後の2023年8月26日(土)に迫っていた「宇都宮ライトレールHU300形HU301 LIGHTLINE」(税込5,500円)。「鉄道コレクション」としても8月25日(金)に発売となりました。3連接の超低床車体で、黄色・黒の個性的な塗り分けや、シャープな前面形状などを再現。島式電停も付属するので、路面電車同士の緩急接続を再現してみませんか。

「鉄道コレクション」は、買ったばかりの状態ではディスプレイモデルですが、対応する動力ユニット(別売)を組み込むことでNゲージ鉄道模型として走行させることができます。会場でも、宇都宮ライトレールのNゲージ車両2編成が路面区間や高架区間を走行するデモ走行が行われていました。

 

そして、宇都宮ライトレール開業に合わせ、宇都宮ライトレール限定の「鉄道コレクション」も発売! 一般販売品にはトップナンバーであるHU301編成の車番が印刷され、行き先表示には「宇都宮駅東口」と表示されますが、限定品はラストナンバーのHU317編成で「芳賀・高根沢工業団地」が印刷されます。詳しい購入方法などは、宇都宮ライトレール公式サイトで発表されるとのことでした。

 

他にもトミーテックブースでは、発売予定製品多数の試作品展示や、最近発売・発売予定の線路・ストラクチャーを使ったレイアウトでのデモ走行も行われていました。特に、165系と「新幹線リレー号」の185系が連結した急行列車は14両編成と非常に長く、築堤上をゆるやかに曲がる編成美や鉄橋を渡る姿は圧巻でした。

 

マイクロエースは「富士山ビュー特急」の試作品などを展示

次はマイクロエースです。JR・私鉄共に多数の車両を模型化している同社から、富士山麓電気鉄道8500系「富士山ビュー特急」(税込22,550円)などの試作品が展示されました。ドーンデザイン研究所主宰のデザイナー・水戸岡鋭治氏による外観デザインや、JR371系時代との違いを的確に再現。1号車「クロ8551」にはテーブルランプも設置されており、模型でもこれが光ります!

 

HOスケールの組立キットで発売される、103系高運転台車の未塗装サンプルや、社員による塗装見本の展示もありました。首都圏主要路線はもちろん、変わり種としては仙石線色や、地下鉄東西線直通列車として活躍した301系も。

また、会場での新情報発表や、会場限定品の販売も行われました。今年の会場限定品は「クハ115 上沼垂運転区控車タイプ」。地味ながら国電ファンに密かに人気を誇ったらしく、初日は9時20分頃から整理券を配り始めて10時前には配布を終了(その日分の販売終了)するほどでした。

 

グリーンマックスはJR九州811系の試作品を大規模イベントにて初公開

続いて、グリーンマックスの展示を見ていきます。2023年7月に製品化が発表され、8月に正式に製品仕様が公開されたJR九州811系の試作品が、関東、そして大規模イベントでは初めて公開されました。JR九州初の転換クロスシート車として1989年から1993年に製造された同形式は、4両編成の通常版(税込24,200円)と、8両編成の初回生産限定仕様(税込43,450円)で12月以降発売予定。

先頭車両にはダミーカプラーが装着されていますが、クロスポイント製品として分売されるカプラーアダプター(初回限定版には当初から付属)を使えば、817系3000番台や813系(KATO製品)といった、他形式の九州通勤電車との混結も可能に!

 

また、2023年8月25日(金)に発売(問屋着)となった近鉄19200系「あをによし」(税込30,250円)や、コメダ珈琲のストラクチャー(10月以降発売予定、税込5,940円)も展示され、こちらも注目を集めていました。展示品にはどちらも室内灯が組み込まれており、内装の再現までしっかり見ることができました。一方で製品に室内灯は付属していないため、そこは別売品や創意工夫でグレードアップさせることをオススメします!

 

アルモデルの動力でDMVが走る!?

真鍮製の小型車両や関連製品をNゲージ・HOスケール共に展開するアルモデルから、DMV(Dual Mode Vehicle)向けの動力が登場しました。トミーテックから発売中の「阿佐海岸鉄道 DMV-931(未来への波乗り)」は、実車同様に鉄道・バスのモードチェンジを実現した意欲作ですが、その構造ゆえ、残念ながら純正動力ユニットが存在せず、自作もすさまじく手間がかかる……と今まで筆者は思っていました。

 

今回アルモデルが展示・販売した「DMV向け動力装置」(税込9,790円)は、バスのゴムタイヤ部分に鉄道用の動力車輪を装着することで本当にDMVが自走できる、筆者の懸念を見事に押し流した一品です。会場の展示では、R140のミニカーブを展示走行しており、小型にもかかわらず滑らかに走っていました。製作に手間がかかったことが価格からもうかがえますが、これでDMVを走らせて遊べますね。

 

HOスケールのカツミ、エンドウ、天賞堂

今度はHOスケール(80分の1または87分の1、16番とも)の鉄道模型も見ていきます。まずは、今回が8年ぶりの出展というカツミから。HOスケールの鉄道模型は、最近はプラスチック製の比較的安価な製品も登場しているとはいえ、真鍮製の組立キットも健在。カツミのブースでは、真鍮製キット及びその部品や、組み立てに必要な機材の展示が行われました。

 

続いて、同じくHOスケールの鉄道模型を輩出するエンドウも、プラ製・真鍮製モデルの展示を行いました。小田急ロマンスカー・LSE(7000形)やSE・SSE(3000形、仮塗装で展示)、「ドクターイエロー」がプラ製品、下段の「四季島」や「サフィール踊り子」などが真鍮製品です。同社は3~4年前からプラ製品シリーズにも参入しており、「入門用に安価な価格で」とのことでした。

さらに会場発表として、東武鉄道1720系「デラックスロマンスカー」もプラ製完成品で製品化決定! 2024年末発売予定とのことです。詳しくは公式の続報をお待ちください。

 

銀座の老舗鉄道模型メーカー・天賞堂も出展。近日発売された、スハ44・マシ49時代の特急「かもめ」客車(税込165,000円)や、真鍮製の蒸気機関車C57形11号機「かもめ」牽引仕様(税込396,000円)などを展示しました。「かもめ」客車は、「シロクニ」でおなじみC62形の牽引により、展示走行も行われました。しかもC62形にはサウンドシステムも搭載されており、列車が近づいてきた時の「ドッドッドッド……!」という音が大迫力!

 

HOスケールのディスプレイモデルシリーズ「T-Evolution」で、2023年8月12日(土)に発売されたばかりの東武鉄道6050系(各種・税込14,850円)もありました。これはトミーテック「鉄道コレクション」と同じように、車両を購入後、別売のオプションや動力を組み込むことで走行可能になります。元がディスプレイモデルとはいえ、HOスケールとしてはかなり安価。都市部から郊外を経て山間部までのどんな情景にも似合うので、これを機にHOに触れてみるのも良いでしょう。

 

天賞堂からはZゲージ(220分の1スケール)も発売されています。会場では165系の7両セットと貨客混合編成のセットが販売されていました。

 

Zゲージのロクハンはフルスケール&長さ半分「Zショーティー」の各新作を展示

最後に、Zゲージ鉄道模型を手掛けるロクハンを見てみましょう。「ロイヤルエンジン」ことEF58形61号機電気機関車のバリエーションとして、茶色・小窓のEF58形150号機と青色・小窓の127号機(ともに税込予価19,580円)が発売予定として展示されていました。どちらも関西の宮原機関区に所属した機体で、特に150号機は、「ロイヤルエンジン」の「ため色」とは異なる色調の茶色にも注目です。

 

ロクハンからは他にも、103系の仙石線色や瀬戸内色(税込予価21,780円)、485系初期車の特急「雷鳥」(税込28,380円)、東海道新幹線の開業一番列車仕様で12両編成の0系新幹線「ひかり1号」(税込62,480円)もZゲージで登場します。Nゲージより小さいながらも、12両の堂々たる佇まいはそれに劣りません。

 

フルスケールの半分の長さにデフォルメされた「Zショーティー」シリーズも新製品が続々登場予定。会場では、キハ40形の新潟色・男鹿線色や外国型車両の試作品が展示されていました。さらに、「Zショーティー」初の通勤電車として、205系山手線・京葉線も発表! これらの詳細は続報を待ちましょう。

これだけ小さなデフォルメモデルにもかかわらず、別売の動力シャーシ・トレーラーシャーシに換装すれば鉄道模型の仲間入り。最小通過半径はR45ということで、やろうと思えばテーブルにだって線路を組めちゃいます。フルスケールと「Zショーティー」、お好きなほうでお楽しみください。

 

このほかの企業では、Models IMONがHOスケールの新製品紹介や、これまで製品化してきた車両のギャラリーを展開していました。

 

グリーンマックスのストラクチャーキットやトミーテック「ノスタルジック鉄道コレクション」のイメージイラストを手掛けた小林信夫氏の原画展や、Zゲージよりさらに小さいTゲージ、チェコ共和国の鉄道模型、新品・中古鉄道模型及びその関連部品の販売もありました。

今回掲載した製品以外に、この夏以降も多数の新製品がメーカー各社から展開されます。もっと知りたい場合や、ほしい車両がこの中にあった場合は、各社公式サイトもご参照ください。

 

次ページでは
モデラーによる出展作品や
会場で運行された本物の鉄道を紹介!

 

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