『ULTRAMAN:RISING』サトウ・ケン役の山田裕貴さんが「日本でめっちゃ広めたいっす!」と意気込みを語る!円谷プロ最新企画の数々が発表された「TSUBURAYA CONVENTION(円谷コンベンション)2023」オープニングセレモニーレポート

更新日:2023年11月27日 20:58

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取材・撮影・文●キャプテン住谷

2023年11月25日(土)から26日(日)にかけて、東京ドームシティで開催された「TSUBURAYA CONVENTION 2023」。この記事では、円谷プロにて進行中の企画を一挙に発表し、イベントの開幕を告げたオープニングセレモニーの模様をお届けしていきます。

 

セレモニーはウルトラ6兄弟の登場からスタート。会場が暗転し、観客の前にマントを羽織った6兄弟が姿を見せ、ポーズを取ると客席からは歓声があがりました。

 

続いては円谷プロ代表取締役会長兼CEO・塚越隆行さんが登壇。2年に1度、円谷作品のファンに向けておくる最大の祭典として、2019年より開始した「TSUBURAYA CONVENTION」の成り立ちについて触れつつ、前回はコロナ禍のためオンラインでの実施だったことを振り返りました。4年ぶりのリアル開催となった2023年は、円谷プロ創立60周年とも重なる記念イヤー。「人間で言えば還暦にあたる」と切り出した塚越会長は、原点に立ち戻り「TSUBURAYA CONVENTION 2023」のテーマを“空想の力”に定めた思いについて語りました。

また塚越会長は、円谷英二監督が幼い頃、家の近くにあった木に登ってパイロットになる夢を思い描いていたというエピソードを紹介。そのエピソードにちなんで制作された、大きな木と少年のシルエットが描かれたシンボルには「人類が空想を楽しむ限り、ファンに楽しんでもらえる作品を創り続けていく決意」を込めたとのこと。

 

ここからは、いよいよ各企画内容の発表へ。『ウルトラセブン』55周年を記念して、「55年前、未来があった」というキャッチフレーズとともに、これまで様々な施策を打ち出してきた円谷プロ。その現在と未来をつなぐイフストーリーとして制作された、55周年記念のコンセプトムービー完成版を公開しました。

上映を見終えたファンの前には、『ウルトラセブン』にてモロボシ・ダン役を演じたことでおなじみの森次晃嗣さんが登壇。コンセプトムービーにも別役で出演していた森次さんは、そのロケ地だった川崎の工業地帯がとにかく寒かったと回想。「(ウルトラセブン第25話の)『零下140度の対決』なんてありましたけどね、この歳になると寒さは厳しいですよ」とユーモアたっぷりに場を温めながら、コンセプトムービーに登場したモロボシ・ダンについて「遠くから見ていると、『若い頃の俺が立ってるじゃないか』と思うくらいソックリで。素敵な方でしたね」と称えました。

またTVシリーズの撮影当時の役作りについて問われると、「宇宙人をどう演じればいいかなんて分からなかったので、あまり考えすぎず(役に)選んでもらった森次の魅力を出せばいいのかなと思っていました」と回想。最後に『ウルトラセブン』が55年経った今でも愛されている理由について質問を受けた森次さんは、「やはりダンをやった森次が良かったのでは」とお茶目な回答で客席を沸かせます。続けて「なんで愛されているのか考えることもあるんですけど、青春をかけましたから。スタッフも、円谷監督も。僕がM78星雲に帰っても、永遠のヒーローになっていくのかなと思いますね」とコメントしてコーナーを締めくくりました。

 

続いては、空想特撮シリーズ『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』(仮題)の発表。60周年を迎え、新たな一歩を踏み出すための企画として、原点である『ウルトラマン』が持つ空想の力を切り口としたドキュメンタリーを制作するとのこと。現時点では、そのためのリサーチやインタビューなどを行っている最中だと塚越会長。セレモニーでは、怪獣好きで知られるギレルモ・デル・トロ監督へのインタビュー映像の一部が公開されました。

 

また、同じく空想特撮シリーズから『ウルトラマン 4K ディスカバリー』を発表。本作は『ウルトラマン』を4K映像でリマスターし、生命・浪漫・仲間・正義という4つのテーマに分けて、その魅力を再発見していく内容になるとのこと。本作には『ウルトラQ』『ウルトラマン』にてナレーションを担当した石坂浩二さんが、世界のあらゆる物語を鑑賞できる「不思議な映画館」の劇場支配人役として出演することも発表。そんな石坂さんもゲストとしてセレモニーに登場し、『ウルトラマン』の4K映像を鑑賞した感想として「4Kって映像の綺麗さや繊細さだけでなく、当時のスタッフの情熱も4Kなんですよ。すごいものだと思いました」と感銘を受けた旨をコメント。また『ウルトラマン』の魅力について「『ウルトラマン』を撮影したスタッフたちの熱気がいまだに受け継がれていて、それがみなさんにも通じているから飽きないんですかね。当時は怪獣との対決にワクワクしていたけど、今見ると込められたメッセージ……空想の力に気づかされます」と話しました。

 

そのほかの進行中企画として、ニュージェネレーション・ウルトラマンの世界観をベースとして「女子高生vsウルトラマン」というキャッチーなテーマを打ち出した『HOLLY HOCK(ホリーホック)』や、MARVELコミック版『ウルトラマン』の4つ目のシリーズが2024年に出版予定であること、ウルトラシリーズの世界観を楽しめる対戦型トレーディングカードゲーム『ULTRAMAN CARD GAME』などが発表。それぞれのPVも公開されました。

 

ここからは、2024年2月23日(金・祝)に全国ロードショーが決定した映画『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』の発表! 壇上にはウルトラマンブレーザーとヒルマ ゲント役の蕨野友也さん、TVシリーズのメイン監督であり、本作でもメガホンを執る田口清隆監督が登場。田口監督からは、TVシリーズの制作発表を行った時点で映画の撮影もすべて終了していたことが明かされました。本作はTVシリーズの後日談となっており、その見どころについて「成長したSKaRDが大きな難局に臨むところや、家族の絆が試される」と蕨野さん。田口監督は「劇場版なので、撮影もたくさん大変なことをやりました。本編も特撮も(スケジュールが)1日足りないという感じで、久しぶりに本番中目を開けたまま寝ましたね」とジョークを飛ばしました。TVシリーズと同時進行で撮影していた点について、気持ちの切り替えが一番大変だったと振り返る蕨野さん。「TVシリーズのゲントと最終回後のゲントを行ったり来たりして、『自分はいったい何なのか』となることもあったけど、それでもゲントでいられたのはスタッフのおかげです」と語りました。

また蕨野さんはクライマックスへと向かっていく『ウルトラマンブレーザー』本編について「今の僕の気持ちは、少しさみしい。今日19話(の放送)を迎えて、残り話数も少なく、終わってしまう。自分たちのやってきたことがみなさんにちゃんと伝わっているのかなと考えると、夜すごく悲しくなることがあります」と率直な胸の内を吐露。続けて「最終回はみなさんの心に、何かやりきれない心の昂りを伝えることができるのは間違いない。どうぞ最後までご覧ください」とメッセージを送りました。

最後に初公開となる『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』予告編がスクリーンに映し出され、「ドキドキしますねぇ。みなさんもジェットパックの姿を久々に見たのではないかと思います」と蕨野さん。田口監督は「最近は様々な怪獣映画が……“怪獣”が描かれています。怪獣映画って、久々にこういうのでもいいじゃないか! というのを本気で作ってみました」とファンの心をくすぐるコメントで会場を盛り上げました。

 

「円谷怪獣は“モンスター”とは異なり、ユニークな存在。そんな魅力的な怪獣たちがひとつの作品に登場する物語を生み出したかった」と話す塚越会長は、『かいじゅうのすみか』を担当する作家・小森陽一さんをステージに呼び込みます。塚越会長直々に本企画の相談をしたという時のことを振り返り、「なぜ『かいじゅうのすみか』に興味を持ってくれたんですか?」と問いかけると、小森さんは「僕は怪獣に囚われて半世紀、ずっと怪獣のことを考えて生きてきたんですよ。作家になったきっかけだって、カセットテープに録音した『ウルトラマン』のセリフをノートに書き写していたからです。そんな人間が『怪獣の住処ってどこだと思いますか?』と言われたら、燃えますよね」と答えました。

そんな『かいじゅうのすみか』ですが、新たな設定が公開される場面もありました。「ワープで遠い地球へ行くとか、太陽の裏側に反地球があるとか、ジオフロントとか……これまでに見てきたことはやりたくなかった」とこぼす小森さんは、恒星の周りを同じように惑星が周っているという仮説「トロヤ惑星」の考え方を引用し、双子の地球が存在している世界が舞台となることを明かしました。また作中で人類が住んでいる地球はアルファではなく、ベータなんだとか。なぜ作中ではアルファ地球が知覚されなかったのか、なぜ人類が住んでいるのはベータ地球なのか……という謎を示唆しながらも、「アルファ地球には隕石がぶつかっていないので、恐竜もいるし、そこに生きている人間もいます」と意味深な発言。また本作にウルトラマンが登場するかどうかについては、現時点では言えないと回答しました。

そんな『かいじゅうのすみか』は今後の展開として、αプロジェクトなる企画を推進。そのフェーズ1として、小説化の決定が知らされました。塚越会長と小森さんは「トークショーをやりましょう」「設定集も出しませんか」など、まるでステージ上で企画会議をしているかのようにトーク。時間の許す限り、怪獣談義に花を咲かせました。

 

ここからは『DARKNESS HEELS』の発表パート。まずは、LDH DIGITALが手がけた新感覚ダンスアプリ『キャラだん』にて、オリジナル楽曲とダンスをプロデュースしている世界さん(EXILE/FANTASTICS)が登壇し、イーヴィルティガのダンスを生披露しました。そんな世界さんは『DARKNESS HEELS』について「どのキャラクターもラスボスのような風格で、特にイーヴィルティガはミステリアスでカッコいい。説得力のあるカッコよさについて、僕も勉強させてもらっています」と円谷作品ファンとしての一面をのぞかせました。

そんな『DARKNESS HEELS』の次なる展開は、なんとアニメ化! 発表を受け、声優としても活動しているという世界さんは「ステージで(仕事が)決まることも多いと聞いたので……」とアニメ出演を直談判。「もちろんですよ!」と塚越会長が承諾すると、満面の笑みを見せました。最後の挨拶では「僕はネクサスがお気に入りで、みなさんにも好きなキャラクターがいると思います。愛されるコンテンツを作っていけるように頑張ります」とコメントしました。

 

セレモニーのトリを飾るのは、2024年にNetflixで配信される映画『ULTRAMAN:RISING』。シャノン・ティンドル監督とジョン・アオシマ共同監督が登壇しました。本作の企画発足の経緯について、塚越会長と初めて会った際に「自分は(日本の怪談を世に広めた)ラフカディオ・ハーンになりたい」と語ったというシャノン監督。塚越会長は「『日本の文化と日本人、ウルトラマンが大好きで、世界中に紹介したいんだ』という熱意が素晴らしかった」と、シャノン監督の情熱に胸を打たれたことを振り返りました。またステージではギレルモ・デル・トロ監督からシャノン監督に向けたビデオメッセージも公開。それを受けたシャノン監督は「尊敬する監督から心遣いのあるコメントをいただけて光栄です。監督が語ってくれた要素は本作にも反映できたと思っており、嬉しく思います」と応えました。

 

ここで本作のウルトラマン、サトウ・ケンの声を担当する山田裕貴さんが登壇。大きな拍手に迎えられた山田さんは「僕は小さい頃、ヒーローと野球選手になるのが夢でした。この作品がその夢を一気に叶えてくれました」とコメント。さらに「僕は“とある海賊のヒーロー”でデビューして、今は“とある怪獣”と戦っているんですけど……」と自身の経歴を引きあいに出しながら笑いをさらうと、「僕の父親は野球選手で、子どもの頃はそれが嫌でした。“僕は僕なのに”という思いがあって……」と、葛藤した過去についても言及しました。また、そんな自分だからこそ「(サトウ・ケンと)気持ちがシンクロする場面が多くて、色んなものを表せると思いました。あの寡黙な父親からもらった愛を、自分の声に込めて演じたい。(本作を)日本でめっちゃ広めたいっす!なにとぞよろしくお願いします!」と意気込みを語りました。

そんな山田さんとはこのステージが初対面となるシャノン監督は「(山田さんの)お父さんが野球選手であることは知っていたし、だからこそ作品に一層の深みが増すのではと思いました。また、私たちはサトウ・ケンをイケメンに作ったつもりでしたが、(山田さんが)それ以上にイケメンでドキドキしています」とユーモア交じりにトーク。照れた様子の山田さんが「ノーノーノーノーノー!」と受ける場面もありました。ジョン共同監督は、山田さんが出演しているドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』を最近見始めたそうで、「そのほかにも出演作は様々拝見していますが、非常にきめ細やかで、キャラクターの水面下の感情を伝えるのが上手いと思います」と山田さんの演技を絶賛しました。

 

最後は、本作に登場する怪獣・ジャイガントロンも登場してフォトセッション。「ウルトラマンが世界に羽ばたいていくことを背負って、監督やスタッフ、関わる人全員の気持ちを背負って、日本のみなさんに愛の物語を届けられるように、マジで気持ち込めて声を届けたいと思います! 楽しみにしていてください(山田さん)」「この作品は愛の結晶のようで、長い旅路でしたがやっとみなさんに届けられるのを嬉しく思います(ジョン共同監督)」「日本のファンのみなさんはウルトラマンとともに生まれ育った方が多いと思います。そこに敬意がありますし、すべてのフレームとコマに愛を込めて、みなさんの期待にそえるよう作ってきました(シャノン監督)」とそれぞれにメッセージを送り、セレモニーの幕を引きました。

 

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