【短期連載 第2回】『ヘヴィーオブジェクト』超巨大“オブジェクト”の製作工程を追う!

更新日:2015年10月3日 13:17

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■巨大オブジェクトいよいよ製作開始!
電撃文庫作品『ヘヴィーオブジェクト』のTVアニメ化を記念して巨大オブジェクトのジオラマが製作されることが決定! 電撃ホビーウェブではその製作の模様を短期連載としてお届けします。その第2回となる今回は、いよいよジオラマ製作が本格的に始動! しかしオブジェクト本体だけでも50センチは超えようかという今回のジオラマ。桜井信之のもとに集まった百戦錬磨のプロモデラー陣もさすがに苦戦が続く模様です。果たして巨大オブジェクトのジオラマは無事に完成を迎えることができるのでしょうか!?

 

※これまでのバックナンバーも併せてご覧ください。

【短期連載 第1回】電撃文庫『ヘヴィーオブジェクト』アニメ化記念! 超巨大“オブジェクト”を作れ!!

【短期連載 第2回】『ヘヴィーオブジェクト』超巨大“オブジェクト”の製作工程を追う!

【短期連載 第3回】『ヘヴィーオブジェクト』巨大“オブジェクト”の製作は順調!?

【短期連載 第4回】『ヘヴィーオブジェクト』巨大ジオラマ、その製作はクライマックスへ…!?

 

 

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▲こちらがジオラマの配置予定図。1/144スケールのベイビーマグナムとその格納庫を設置することを前提に設計したところ、一辺2メートルにもおよぶ大きなものとなりました。では各要素の進行状況を見てみましょう。

 

■着々進行! ベイビーマグナム本体
ベイビーマグナム本体の製作は、『A.O.Z』シリーズのスクラッチ作例などで名を馳せる空山竜司が担当。ただしさすがに今回ほど巨大なモデルの製作は経験が少ないということで、雑誌表紙用胸像など大型模型の製作を何度も経験しているプロモデラー・岬 光彰がアドバイザーとして特別に参加し、材料や製作方法の選定に協力しています。このサイズの模型には必須の「強度の確保」と「軽量化」を考慮したアプローチが提案されました。

 

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▲第一世代オブジェクト“ベイビーマグナム”は主に球状の本体、七門の主砲、3本の脚から構成されます。

 

 

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▲脚はプラ板で基本部分を製作して、内側にスタイロフォームをはめ込んだ後、側面をエポキシパテで製作して、軽量に作られています。

 

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▲前脚よりもひと回り大きい後ろ脚2つは、軽量化のために複製はせず、左右をそれぞれ製作しています。接続可動部は強度と組み立てやすさを考慮してネジ式の水道管のつなぎパーツを使用しました。

 

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▲太モモから脚首の各パーツ。大きめのパーツが多いものの製作方法自体は、12センチや18センチ大のロボットを作るのと基本的には同じ工作、材料で製作されています。ただし一部の円筒状のパーツにはプラパイプではなく塩ビ製の水道管を使用しています。

 

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▲球体部分はベースとして「30センチ大の地球儀」を使用。ポリスチレン製で軽くスジ彫り等の加工もしやすいです。

 

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▲北極、南極の軸穴をそのまま使用して、ロクロのように回転させながら円状のスジ彫りを入れています。

 

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▲「キラースコール」と呼ばれるレーザー機銃は模型材料「プラストラクト」や計量スプーンの半球部分で本体を製作し、プラ板やパテ、スチール球などを使った小さなパーツを埋め込んで再現。

 

▲ベースは1ミリプラ板の張り合わせから。広い面のしなりを軽減するために内部をプラ棒で補強しています。円筒状のパーツは塩ビパイプやレジンブロックの削り出しから作成しています。

▲ベースは1ミリプラ板の張り合わせから。広い面のしなりを軽減するために内部をプラ棒で補強しています。円筒状のパーツは塩ビパイプやレジンブロックの削り出しから作成しています。

 

大きいだけに、本体はパーツをそろえて形になってくると達成感がありますね。意外とスイスイ進むかも? ……と思わせておいて、待ち構えるのは七門の主砲と本体に無数に並ぶ機銃の群。これをそろえるのは地味で辛い作業になりそうですが果たして……。

 

 

 

■巨体が収まる巨大な格納庫
オブジェクトが収納できるサイズを想定して図面を描き、それを元に格納庫を製作。直線的な構造なので基本は断熱材の箱組みで製作しています。担当は桜井信之。全体の進行の指揮を執りながらの製作となりました。

 

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▲ほぼ形となった格納庫。断熱材「カネライトフォーム」で基礎構造を製作後、各面に2ミリか3ミリのスチロール板で作成した外壁を貼り付けていきました。「カネライトフォーム」同士の接着には発泡スチロール用接着剤を使用。また軸打ちとして竹串を使っており、スチロール板の接着は家具などを固定するのに用いる強力な両面テープを使用。

 

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▲格納庫本体は重量対策と運搬時の取り回しを考慮し、前後2ブロックに分けて製作しています。これ以上大きくなると、部屋からの搬出が困難になるという現実的な理由も……。何から何まで規格外の製作なのです。

 

スジ彫りは組み立てた後では入れるのが困難なので、スチロール板が平板の状態のうちに先に彫り込んでおきました。この後、サーフェーイサーを吹いてキズなどをチェック。表面を滑らかに磨いた後に、プラ材を使ってひたすらディテールを加えていきます。

 

 

■アラスカ基地を構成する構造物
格納庫以外のストラクチャー製作と塗装を岩田トシオが担当。ミリタリー寄りのキャラクターモデルを得意とするベテランプロモデラーの技が冴えます。

 

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▲格納庫以外の基地施設は1/150スケールの「Nゲージ」のストラクチャーを使用しています。ジオラマのスケールが1/144とほぼ同じ縮尺なので便利なアイテムです。ガスタンクやプラント、コンビナートなどの工業用施設をチョイスしました。

 

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▲丸屋根のタービン格納庫は体育館を流用。窓をエバーグリーンプラ板で塞ぎ、生活感を消していきます。

 

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▲塗装ではポップな色は避け、グレー系塗料を複数色使い、無国籍性を強調します。最後にウェザリングを施し完了です。

 

 

こうしてベイビ―マグナム本体、格納庫、ストラクチャー類とジオラマを構成する各要素の製作が進められました。大まかな形出しは終わったので、ここからは細かいパーツをそろえディテールを加える作業に入ります。しかしものが大きいだけにその作業量は膨大! まだまだ完成までの道は遠いようです……。

 

 

<関連情報>
TVアニメ『ヘヴィーオブジェクト』公式サイト
http://heavyobject.net/
電撃ホビーウェブ|【短期連載 第1回】電撃文庫『ヘヴィーオブジェクト』アニメ化記念!  超巨大“オブジェクト”を作れ!!
https://hobby.dengeki.com/news/103591/

 

(C) 2015鎌池和馬/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/PROJECT HO

 

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