『銀河漂流バイファム』よりRV用オプションユニットについての考察 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.8
今回は、かつて大河原邦男氏の画稿と共に発表されたバイファムのオプション展開について触れた内容を振り返っていきます。各種設定を掘り起こし、ラウンド・バーニアンの拡張性を検証していきます。(電撃ホビーマガジン2015年3月号、2014年5月号掲載)
※これまでのバックナンバーも併せてご覧ください。
RVの腕部(おもにヒジ関節など)についての考察 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.1
RVの腕部、胴体の機構及び内部構造についての考察 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.2
続・RVの腕部、胴体の機構及び内部構造についての考察 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.3
ROBOT魂<SIDE RV>ネオファム監修現場レポート! 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.4
「魂ネイション2015」にROBOT魂ネオファム&トゥランファムが展示! 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.5
ROBOT魂<SIDE RV>ネオファム&トゥランファム監修レポート2 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.6
『銀河漂流バイファム』よりROBOT魂<SIDE RV>開発中のトゥランファムを考察する! 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.7
【電撃ホビーマガジン2015年3月号より】
「スリング・パニアー考証の際にも触れましたけど、大河原氏が描かれた劇中には未登場のオプション装備やバリエーション機がだいぶ発表されているんですよね」
「変り種としては剣のような武器を持つヒロイックな雰囲気のバイファムなどもいます。おそらく準備稿なども含まれているとは思うのですが、埋もれさせるにはもったいないほど魅力的なデザインが多い」
「この設定画から当時、何をさせよう、または何をしようとしていたのか、そんなところを読み解きつつ、これまでの考証から導き出してきた要素と照らし合わせていくと、上手くRVテクノロジーの体系に落とし込めるんじゃないかなと」
『銀河漂流バイファム』放映当時に出版された各種資料本に収録された、本編未登場の魅力的なデザインバリエーションの数々。これらが本編世界と同じ時間軸に存在していたら……という仮定をしながら話はさらに膨らんでいきます。
「一部は型式番号までも設定していますから、準備稿を含むものの何かしら存在したものという位置付けなのかなと。例えばペーパープラン止まりのもあれば、Xナンバーは試作に入っていたものとか」
「すでに生産、運用されているのでは?という物も散見されます。惑星開拓が進みつつある状況で、様々な局面に合わせた強化オプションも用意されたのではないかと」
「惑星開拓に留まらず侵攻も開始して戦闘を重ねることで、RVに多様性が求められるようになったと思うんですよ。地球側RVの戦い方としては中距離戦が主になっていた印象が強いですけど、前衛として距離を詰めての近接戦闘、また後衛としての支援戦闘の必要性が出てきて、それらに対応する装備の開発も進んだと」
「近接戦闘は装甲が厚めのARVのほうが得意そうなイメージがありますね、ガッシュがバイファムを追い込んだシーンのように。バイファムは15歳の少年が盾の必要性を感じるくらいの装甲の薄さで、肉弾戦は基本的には苦手にしていると思います。オプション設定の中には、その対応策と思わしき増加装甲装備も見られますね」
「重力下での重さはデメリットでもあるものの、掴み合いでは圧力も武器になるので実は重量増の利点もある。大型化されたスリング・パニアーを見るに、失われた機動性を補うのに出力も行われていると推測できます」
想定外の運用状況が生じて、ある種の場当たり的な装備がいくつか作られていった……。形状やディテールなどから想像できる機能や運用シチュエーションを思い浮かべつつ、不確定だった存在理由などを固めていく研究員一同。30年越しでパズルに欠けていたピースを嵌めていく、楽しい時間であります。
「劇中で登場した格闘戦武器ってガッシュの棒だけですかね?」
「バイファムが使った鉄骨はカウントしちゃダメでしょうね(笑)」
「ガッシュのは資料本を見るにヒート・ホークらしく、熱で切り裂くタイプだと」
「バイファム用として描かれたもので、ビーム・サーベルみたいなものがあるのですが、これも熱で溶断するような武器なんですかね?」
「ちょっと切り結ぶ姿が想像できないんですよ。数で押されると対抗できないだろうし、元々の仕様として考えていない武器を急に作り、しかも短期間で高威力に仕上げるというのも難しいのでは?」
「なんとかRVの装甲が溶断できるレベルは達成できても、重装甲のARVに対しての効果は薄そうですね。装甲に大ダメージを与えなくとも、機能停止に追い込めるような武装、しかも既存の技術が流用できるようなものと考えたほうが現実的だと思います」
「例えば電磁スティックみたいなものであれば、内臓機器や中のパイロットにショックを与えて機能停止に追い込むということも考えられるし、既存技術からの流用という要素にも当てはまるのではないでしょうか」
「確かに、それならば短期間で作れるものと考えると説得力がありますし、壊さずに動きを止められるのは、鹵獲などを考えても都合のいい仕様と言えますね」
「大気圏内であればディルファムの転用も考えられますけど、あまり例がないですね」
「ディルファムは拠点防衛向けの機体なので、侵攻には機動性に優れているバイファムなどを用いるのがベストと考えたのでは。それにディルファムはある程度、開拓が進んで施設が整ってから、ようやく運用という具合かと思いますので」
「既存の機体を転用したいという思惑もあったのではないかと。ネオファムの場合はいちおう宇宙、地上用を用意して使ってはみたものの、拡張性に行き詰まりを感じて、性能的に汎用性が高いバイファムでのトライアルが増えていったのでは?」
「スリング・パニアーが各機体ごとに作られた経緯などを見ると、切り捨てたというわけではなさそうですけどね。表には出てこない部分で最適なマッチングなど色々と試していたのだとは思います」
【電撃ホビーマガジン2014年5月号より】
続いて2014年5月号掲載のディルファムの項より、オプションについて触れた内容を抜粋して掲載します。バイファムやネオファムがバックパック部分の換装でスリング・パニアーを取り付ける設定だったことから、ディルファムでも同様の手法があったのではないかとの議論が行われました。
「ディルファムもバックパック部分が交換できる仕様であると想定すると、例えば追加武装がマウントできるとか、状況に合わせたオプション要素を考えるのもありではないかと」
「ディルファムは侵攻用ではないので……という話をしましたけど、ひとつの運用プランとしてスリング・パニアー接続は想定してみたんじゃないですかね」
「前にスリング・パニアーの話をした際に、開発途上なので形状等が同じ方向性での正常進化を辿るのではなく、機体毎にバラバラになっているということにしましたけど、各々の運用状況を考えると、一貫性がないのは逆に良かったのかなと」
「過去の資料を見てみると、大河原さんが色々なスタイルのオプションデザインを描いているんですよ。これらも実際の開発プランにあったひとつと位置付けると、新しい開発系譜が見えてくるんじゃないですかね」
「なるほど、バイファム用のオプションが試しにディルファムに付けられたという考え方も面白いですね。地上でのデータ収集があったりみたいな」
今回はバイファムのオプション中心に振り返りましたが、次回更新では後編としてさらなるバリエーション等の展開について触れていきますのでお楽しみに。
ここからはプラス!として、年末恒例となったクリスマスイベント、および企画進行中のROBOT魂トゥランファム試作の修整バージョンを掲載します。
電撃ホビーマガジン連載中もひっそりと掲載していましたが、12月は海老川氏、NAOKI氏など誕生日のメンバーが多いので、クリスマスも兼ねてケーキが用意されました。今年はバイファム(ツインムーバー装備)の画をあしらったロボラボ特製ケーキを準備。
ハッピーバースデー♪の歌声と共に、プレゼントも用意されました。バイファムファンにはおなじみの“あのマーク”が入ったトートバックが渡されました。
トゥランファムは前回監修時の課題だった足首の可動範囲を高める構造への修正や、ディテールの追加が行われました。まだ微調整が入る可能性はありますが、ほぼ満足のいく内容に仕上がっています。
<ROBOT魂担当コメント>
皆様こんにちは。12月が誕生日のオカモトです。
バリエーション機の展開を探る記事に加え、前回宿題で持ち帰ったトゥランファムの原型修正とクリスマスお誕生日会!
今年最後のROBOラボPLUSも盛りだくさんの内容でした!
前回記事の最後のコメントでは1月発売のバイファム(ツインムーバー装備)についてのお知らせをしましたが、年明けすぐにネオファムのアナウンスをしちゃいます。
これで2機を並べる事ができます!より一層の劇中再現が捗りますね!!
お正月はROBOT魂をさわりながら作品を見直してみるのも素敵な過ごし方ではないでしょうか?
ぜひオススメいたします!
来年2016年のROBOラボPLUSも何卒、宜しくお願いいたします!!!
次回「電撃ロボラボPLUS」は2016年1月8日更新予定です!
<関連情報>
ROBOT魂 バイファム(ツインムーバー装備)|魂ウェブ
魂ウェブ
魂ウェブ商店|プレミアムバンダイ
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