「ギアトリンガー -MEMORIAL EDITION-」「S.H.Figuarts ドンモモタロウ」まもなく予約開始!!スーパー戦隊シリーズ ハイターゲット向けアイテムの今、そして展望を語る!!バンダイ企画担当 寺野彰氏×BANDAI SPIRITS企画担当 五月女翔氏 スペシャリスト対談

更新日:2022年5月26日 16:10

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取材●五十嵐浩司/文●赤尾将義/写真●加納遵

『機界戦隊ゼンカイジャー』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』とこれまでの定石を覆す設定やストーリー展開で、スーパー戦隊シリーズにハイターゲットの注目が集まっている。赤ロゴのバンダイからは、ハイターゲット向け変身アイテム「MEMORIAL EDITION」シリーズで「キラメイチェンジャー -MEMORIAL EDITION-」と「ギアトリンガー -MEMORIAL EDITION-」が連続発表。また青ロゴのBANDAI SPIRITSからは今月発売の「S.H.Figuarts ゼンカイザー」に続いて、「S.H.Figuarts ドンモモタロウ」の発売が発表された。今回は、これら注目の新アイテムの企画に携わっているバンダイ企画担当・寺野彰氏とBANDAI SPIRITS コレクターズ事業部企画担当・五月女翔氏にハイターゲット向けアイテムの現在、そして今後の展望についてお聞きした(文中敬称略)。

 

 

――まずはバンダイのハイターゲット向け戦隊商品「MEMORIAL EDITION」についてお聞かせください。

 

寺野:「MEMORIAL EDITION」というシリーズは「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー -VS MEMORIAL SET-」で名称として使われ、単独商品としては『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の「リュウソウケン -MEMORIAL EDITION-」からスタートしたものです。劇中を再現した変身アイテムにBGMやキャストのセリフなどを多数収録して「エモさ」を追求した商品になっています。すでに発表されている『魔進戦隊キラメイジャー』の「キラメイチェンジャー -MEMORIAL EDITION-」は、通常版からBGMボタンやセリフボタンが追加され、付属する「充瑠のスケッチブック」には1年間の放送を通して描かれた30枚以上の絵が掲載されています。

 

――「ギアトリンガー -MEMORIAL EDITION-」はどのような仕様の商品なのでしょうか?

 

寺野:ギアトリンガーは劇中サイズをイメージして、玩具のサイズを130%拡大して新たに作り直しています。サウンドはリュウソウケンなどと同様に、BGMを流しながらセリフを流せるメモリアル仕様です。センタイギアはダイキャスト製のものが5枚付属します。『ゼンカイジャー』放送中に金属製の「ダイキャスト センタイギア」を商品化しましたが、ダイキャストでの成形品のチェックができなかったため「ギアトリンガーには連動していません」と注意書きがしてありました。そのあとに実際に通常版のギアトリンガーに入れて、製品試験を行ったところ読み取ることができましたし、本体やギアを破損することもなかったんです。今回はハイターゲット商品ということもあって、正式にダイキャストギアを付属させることができました。さらに、エンヤライドンの初回特典で付属した「センタイギア 45 ゼンカイジャー(2022ver.)」が付属します。こちら元々はエンヤライドンの初回特典用に作られたセンタイギアだったのですが、番組で登場したことで注目度が上がり、入手が困難になってしまいました。そこで、キャンペーン版と商品仕様もまったく同じ、プラスチック製のものを今回付属させることにしました。

 

▲ギアトリンガー -MEMORIAL EDITION-の商品写真。サイズは劇中に合わせて大型化している。ダイキャスト製のセンタイギア(ゼンカイザー、ゼンカイジュラン、ゼンカイガオーン、ゼンカイマジーヌ、ゼンカイブルーン)5枚入り。

 

 

――BANDAI SPIRITSから発売する「S.H.Figuarts ドンモモタロウ」についてお聞かせください。

 

五月女:手首交換パーツが左右5種類ずつ、武器としてドンブラスターとザングラソードが付属します。ザングラソードの刃の部分はイエロークリアで、ドンブラスター共に玩具や劇中にあるグラデーションをドット模様でプリントして再現しています。本体で注目してほしいのは本体の塗装です。実際のスーツでは額とベルトの桃マークはメッキ処理されています。その部分を塗装で再現するために、見た目の近い塗料を探し、開発に取り組んでいます。またスーツの光沢のある部分とない部分もできる限り忠実に表現してあります。

 

――ドンブラスターの細かい塗装もハイターゲット商品ならではですね。

 

五月女:ドンブラスターは大きなギア部分も回転します。ギアを回すのが魅力的な作品でしたので回転可能に作りました。

 

――股関節部分にある着物の裾のような部分が塗り分けで再現されているのは、可動のための割り切りなのでしょうか?

 

五月女:初期の原型では別パーツで作っていましたが、スカートのように見えて違和感があるうえ、厚みの関係で可動に制限が出てしまいました。なので塗り分けによる再現にして、宣伝ポスターなどでの見栄を切ったポーズも再現できるようになっています。

 

寺野:この部分は、実際のスーツでもタイツ地の切り返しになっていて、張り付いている構造なんですよ。

 

――「MEMORIAL EDITION」や「S.H.Figuarts」など、ハイターゲットに向けた戦隊商品を新たに始めた経緯を教えてください。

 

寺野:MEMORIAL EDITION以前に展開していた「戦隊職人」シリーズでは、過去戦隊の変身アイテムや合体ロボなど幅広く展開していました。そこから一度立ち位置を見直し、番組終了直後に「作品ロス」を感じているハイターゲットに向けたシリーズとして仕切り直したのがこのMEMORIAL EDITIONです。『キラメイジャー』のキラメイチェンジャーは色々な理由で発売のタイミングが1年ずれてしまいましたが、今回『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』が公開されたタイミングで、ギアトリンガーとほぼ同時発表することになりました。

 

五月女:S.H.Figuartsでは2011年に発売した『侍戦隊シンケンジャー』を皮切りに戦隊シリーズを展開してきました。しばらく休止期間があったのですが、戦隊シリーズ45周年となる『ゼンカイジャー』で改めてS.H.Figuartsでの戦隊シリーズを展開することになりました。再始動の商品として「ゼンカイザー」、それに続く第2弾として『ドンブラザーズ』から「ドンモモタロウ」の商品開発が始まったという経緯です。

 

寺野:僕は元々コレクターズ事業部にいたので、S.H.Figuartsでの戦隊シリーズの展開から休止した経緯を体感していました(笑)。「海外展開が難しい」ことや、「戦隊はレッドだけでもなく、他のメンバーも並べたくなってしまう」という事情がありました。仮面ライダーならば主役ライダーだけの商品化も可能ですが、スーパー戦隊はレッドだけというわけにはいきません。しかもパワーアップしてデザインが変わった時には、撮影用のスーツとは違い、ほとんどのパーツを新しく作り直す必要があります。それでは開発のハードルが高くなってしまい、S.H.Figuartsの商品化が遠のいていきました。

 

▲S.H.Figuartsドンモモタロウ。メインビジュアルの大胆な跳躍ポーズが各部関節の可動により再現されている。

 

――『ゼンカイジャー』で、再始動を決めた理由を教えてください。

 

寺野:これまでもなんとか復活させたい思いがありました。でも『リュウソウジャー』や『キラメイジャー』は、やっぱりメンバー全員を揃えたくなりますからね。ところが、僕が商品企画の担当になった『ゼンカイジャー』ならば、ゼンカイザーだけでも成立する作品だと気がついたんです。そこで、コレクターズ事業部に「今回は1人だけでも商品化できそうですよ」とアピールしたところ、コレクターズ事業部の前担当者が乗り気になってくれました(笑)。ちょうどそのタイミングで、『ゼンカイジャー』商品のCM撮影がありゼンカイザーのスーツアクターの高田(将司)さんも現場にいらっしゃいました。この機会を逃すまいと「S.H.Figuartsで発売する気があるなら来たほうがいいよ」とS.H.Figuartsの担当者に声をかけ、普段のように変身後の姿だけでなく、ご本人の写真まで撮らせていただきました。その甲斐もあって、紆余曲折を経てS.H.Figuarts ゼンカイザーが商品化に至りました。続く『ドンブラザーズ』も「ドンモモタロウが一人だけでもキャラが立ってるんですけど」とアピールして……(笑)。

 

五月女:寺野さんから「1人でもキャラ立つよ」と教えてもらい、ゼンカイザーで再始動した戦隊シリーズを続けて行きたいという思いとマッチしたので、「それなら商品化狙ってがんばるべきでしょ!」という気持ちで急ぎ開発をスタートしました!

 

寺野:それでできあがったドンモモタロウの試作品を見せてもらったのですが、完全に高田さんの体型で(笑)。ドンモモタロウのスーツアクターは仮面ライダーセイバーと同じ浅井(宏輔)さん。体型がまったく違いますからね。「真骨彫製法 ウルトラマンシリーズ」のように毎回スーツアクターさんをスキャンしたり、ご本人の写真を使うわけではないんですが、そのタイミングでまた都合良くCM撮影がありまして……(笑)。またご本人の写真を撮らせていただきました。

 

五月女:真骨彫製法ではない、仮面ライダーなど通常のS.H.Figuartsでも普段からたくさんの資料写真を使って、細部や体型などを再現していますが、本物を直接見ることができたので、真骨彫製法に近いクオリティーで商品化することができました。資料写真だけでは、必ずしも必要なアングルを確認できるわけではありませんからね。スーツの細かい部分、例えば髷(マゲ)の長さなども実物を見れたことで適切な長さで再現できました。サングラスの縁取りも、写真や映像では段差があるように見えていました。ところが、実際に見てみるとツライチで作られていることがわかりました。こういう部分が再現できたのも間近で本物を確認できたおかげです。寺野さんにCM撮影の現場に呼んでいただけたのが、本当にありがたかったですね。

 

寺野:久しぶりにS.H.Figuartsになるわけですから、「TAMASHII NATION」などのイベントに展示したときにユーザーの皆さんから話題にしていただけるような無茶苦茶カッコいい商品になって欲しかったんですよ。

 

五月女:昨年の「TAMASHII NATION ONLINE 2021」では、五色田介人役の駒木根葵汰さんとジュランの声優の浅沼晋太郎さんが出演する配信番組や、ガオーンとマジーヌとブルーンがそれを見ながらコメントをするクロスオーバー的な配信番組などもやらせていただき、『ゼンカイジャー』ならではの世界観で、S.H.Figuarts ゼンカイザー発売決定を盛り上げられたのでは、と。それがドンモモタロウの発売にもつながってくれたと思っています。

 

――S.H.Figuarts ドンモモタロウは番組放送中の発売になりますが、開発はいつ頃から始めていたのですか?

 

五月女:番組放送前から開発に着手をしていました。『ドンブラザーズ』放送前に登場した『ゼンカイジャー』第42話の放送は擦り切れるほど見て参考にしました(笑)。最終的には撮影会での画像を確認してギリギリまで細部を調整しましたが、先行登場してくれたことで、動いている姿を見ながら開発できたのは良かったですね。

 

寺野:撮影会の画像までギリギリ調整したという話で言えば、ドンモモタロウのトレードマークでもある扇子は、撮影会の直前になって持たせることを決まったアイテムでした。撮影会までは存在しなかったものなんですが、番組が始まってみると、あの扇子はかなり重要な存在になっていました(笑)。でも、S.H.Figuartsは開発スケジュール的には間に合わなかったそうです。

 

五月女:開発側でもどうにかしてあの扇子をつけたいという声は多かったんですが、開発スケジュール的に新規パーツの追加は難しく……。最適なやり方を今後も検討していければと思います。

 

――今後のスーパー戦隊関連のハイターゲット向け展開に、ファンの期待が高まりますね。

 

五月女:S.H.Figuartsは、ゼンカイザー、ドンモモタロウと、ファンの皆さんの反響が大きくなっているのは感じていますので、レッド以外の追加戦士も含めて引き続き商品化の検討や準備を進めていきます!

 

寺野:今後の展開のヒントになるかもしれないですけど、いま企画中のS.H.Figuartsの新商品は、面構成が複雑で悩んでいたのでプレックスにも相談して僕も図面に赤入れをしました。

 

五月女:バンダイで戦隊チームにいらっしゃる寺野さん直々のチェックはありがたいです(笑)。

 

寺野:MEMORIAL EDITIONでは、「テン・ゴーカイジャー」に合わせて「モバイレーツ -MEMORIAL EDITION-」を発売したように、過去戦隊も作品の盛り上がりや、ファンの皆さんの要望の高いアイテムを商品化していきたいです。それから、いま僕のほうで悩んでいるのはMEMORIAL EDITIONでギアダリンガーをどうするか? ですね。ギアトリンガーと同様に130%に拡大してみたところ、かなり大きいんですよ。しかもソードモードの刃もプロップサイズにしてみたら無茶苦茶長い(笑)。どうしてもギアトリンガー以上のボリュームになってしまうのが悩みどころなんです。

 

▲S.H.Figuartsゼンカイザーとドンモモタロウが集合。プロポーションの違いが一目瞭然である。S.H.Figuartsスーパー戦隊シリーズの今後の展開に興味は尽きない。

 

――変身アイテム以外のハイターゲット商品の構想はありますか?

 

寺野:MEMORIAL EDITIONシリーズは、音声などの「メモリアル」な付加価値をつける必要があるので、ロボット関連商品は「DX DX」みたいに別のブランド感を出した別のシリーズになると思います。「DXドンオニタイジン」がハイターゲットも反応してくれるデザインに仕上がりましたが、「対象年齢3歳以上」の子ども向け商品なのでコレクターズ事業部の商品のようには作れません。2月に発売した「DX METAL APPEND ゼンカイオージュラガオーン」のようにダイキャスト版を出すのも可能性の一つとしてはあるかもしれません。ただ、それが正解なのか? あるいは、可動部分を増やしてアクション性を良くしたほうがいいのか? むしろ彩色を増やしたほうがいいのか? という部分はユーザーの皆さんの要望を見ながら考えていこうと思っています。

 

――バンダイ、BANDAI SPIRITSそれぞれが、戦隊だからこそできる商品展開はどのようなものだとお考えでしょうか?

 

寺野:BANDAI SPIRITSの考えを僕が代弁してしまいますが(笑)、47年間連綿と続いてきたスーパー戦隊は、どこから商品化すればいいのかわかりにくいシリーズですよね。その点、今回のゼンカイザーは切り口としてやりやすいキャラクターだったと思います。仮面ライダーならば「昭和」「平成1期」という感じで分類して商品化を考えられますが、戦隊は一年ごとに続いていて、熱心なファンもそれぞれいますからね。

 

五月女:それでは僕は逆に、バンダイからBANDAI SPIRITSへ異動しているので、バンダイ側のことを代弁します(笑)。先ほど話題に出た「DX DX」のロボという展開を聞いて、僕はとてもいいなと思いました。仮面ライダーシリーズは劇中に出ているベルトが、ほとんどそのまま「対象年齢3歳以上」の玩具として再現されています。一方で、戦隊ロボは「DXドンオニタイジン」でデザインや変形ギミックを頑張っても、対象年齢による制限がどうしても出てきてしまうと思います。その制限を「対象年齢15歳以上」にして、作ったらどういうものができるのか? 僕は見てみたいですし、ファンの方々も興味があると思います。だから「DX DX」は実現してほしいと思っています。

 

寺野:奇しくも、お互いの商品展開についてエールを送るような形になりましたね(笑)。

 

▲DXドンオニタイジン、そしてS.H.Figuartsドンモモタロウ。いずれもスーパー戦隊シリーズの新たな商品展開の萌芽となることに期待したい。

 

バンダイの「ギアトリンガー -MEMORIAL EDITION-」は2022年5月25日予約開始、 BANDAI SPIRITSの「S.H.Figuarts ドンモモタロウ」は2022年5月26日予約開始。スーパー戦隊シリーズのハイターゲット向けアイテムから目が離せない!

 

DATA

ギアトリンガー -MEMORIAL EDITION-

  • セット内容:
    ギアトリンガー本体…1
    ダイキャスト製センタイギア…5
    センタイギア45 ゼンカイジャー(2022ver.)…1
  • 商品サイズ :
    ギアトリンガー本体…H約190mm×W約360mm×D約150mm
    ダイキャスト製センタイギア…H約50mm×W約50mm×D約10mm
    センタイギア45 ゼンカイジャー(2022ver.)…H約50mm×W約50mm×D約10mm
  • 商品素材:
    ギアトリンガー本体…ABS・PC・POM
    ダイキャスト製センタイギア…ZnDC・ABS
    センタイギア45 ゼンカイジャー(2022ver.)…ABS
  • 発売元:バンダイ
  • 価格:13,200円(税込)(送料・手数料別途)
  • 予約期間:2022年5月25日(水)16時~2022年7月25日(月)23時予定
  • 商品お届け:2023年1月発送予定

 

DATA

S.H.Figuartsドンモモタロウ

  • セット内容:
    ドンモモタロウ本体
    交換用手首左右各5種
    ドンブラスター
    ザングラソード
  • 発売元:BANDAI SPIRITS
  • 価格:7,150円(税込)
  • 2022年5月26日(木)予約開始
  • 2022年10月発売予定

 

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