ステップバイステップで究極の「ビルトビルガー」を作る!<第5回>【電撃スパロボ No.056】
「ビルトビルガー 高機動型」を徹底的に改造中の「電撃スパロボ!」。第49回に続いて、次に手を加えるのは……? 今回は皆様の予想通り、あのパーツの工作です!
※これまでの製作の過程は、以下のバックナンバーをご覧ください。
第1回:ステップバイステップで究極の「ビルトビルガー」を作る!【電撃スパロボ No.041】
第2回:ステップバイステップで究極の「ビルトビルガー」を作る!<第2回>【電撃スパロボ No.043】
1/144 ビルトビルガー⑤ 重装型パーツ改修
製作・文:KuWa(FRAMEOUT MODELS)
前回まででようやく高機動型改修が終了したところですが、やはりというか?重装型パーツが待っていました。
被せられるならかぶせて見せたいのは人情よねぇ。というわけで、ここからは削ってはかぶせ削ってはかぶせの単純なお仕事です(嘘)。
ビルトビルガー重装型は高機動型を遡ること3年前の2004年、コトブキヤのキットとしては最も初期に発売されたものの一つで、高機動型とは共通部分が一切ない別商品となっています。
したがってかぶせるといっても形状修正も含んだ一定以上の加工が必要になります。またどこまで実際にかぶせるか、それとも差替えにするかなど、悩みどころも盛り沢山です。
㉑重装型パーツ 上半身の加工
1.胸
まずは面倒そう&懸案になりそうなパーツの一つ、胸の装甲から。
設定では薄い装甲一枚がピッタリかぶっている胸部ですが、大きさも形状もかなり異なるのでキットパーツを胸の形に合わせつつ薄く削る必要があります。
さて、削る作業に使うのはリューターです。自分は随分前に買った浦和工業のミニツールを使っていますが、現在販売されているものはミニツールIIにバージョンアップしているようです。
ある程度パワーがあって、スピードコントロールできるものが使いやすいように思います。
外装裏を削るのには、ほとんどこの2本のビットを使いました。一つは奥まで直角に彫り込め、もうひとつは曲面をキレイに削るのに適しています。
ちなみに、この商品はグリップ部にオンオフスイッチがないので、市販のフットスイッチを入れて足でコントロールしています。
一旦裏側をおおまかに削ってかぶせてみると胸中央の幅が足りないようなので、真ん中でカットして2mmほど幅増しをしつつ、裏側にプラ板貼ってボディとの隙間を埋めていきます。
最初からピッタリに削るのは困難なので、現物合わせて整えていきました。
ざっとですがかぶせるところまで来ました。この写真だと隙間を埋めているのがよく分かるかと。
ここからボディ形状に合わせて外側から削り込みます。
さらに足し削りをした結果、このようになりました。
裏から貼ったプラ板が表から見えたり、中央脇の青い部分がほとんど残っていなかったりと、かなり際どい削りこみですね。全体的に0.7mm厚ぐらいになったような感じです。
こうしたプラ板貼り合わせ部分に強度が必要なものは、瞬間接着剤などより普通の接着剤をしっかり付けて、よく乾かす必要があります。
自分はプラ板同士の接着は、可能な限り流し込み接着剤を使用して、瞬間接着剤などの使用は最低限としています。愛用しているのはクレオスの”Mr.セメントS 流しこみタイプ“です。
2.腰
腰回りはフロントとリアのスカートが装甲に覆われています。キットパーツは形状が似ているので小改造で済みそうです。
フロントスカートは、白いパーツと青いパーツの接線の形状を少し角ばったラインに変更しつつ接着。装甲後も見える基部を切り取りました。裏側は薄く削りつつ、中身のディテールに合わせたくぼみも付けて、できるだけ密着させます。
リアスカートは内側に0.5mmプラ板を貼り足して、裏側を中身の形に切り抜けばOKでした。
3.頭部
頭部にはひさしの部分に薄い装甲板が覆っているのですが、頭部形状の修正をしたこともあり、キットパーツを加工してかぶせるのは難しそう。またここは薄さを大事にしたいので差替えで行こうかと思います。
オデコにフィットする薄いパーツを作るために、今回はヒートプレスをおこないます。
ヒートプレスとはプラ板を熱で柔らかくして型や対象物に押し付けて密着させることで、対象物に沿う形状のパーツを作る方法です。
まずクリップなどの固定具で自立できるようにした顔面に向けて、適当なサイズに切り出した0.5mmプラ板を、ライターで熱した後押し付けます。
※作業の際には、火をプラ板に近づけすぎて燃やしたり、軍手などをしつつやけどしないように気をつけます。
うまくいけばこのようになります。
プラパーツに熱したプラ板を押し付けることになりますのでパーツへの影響が気になりますが、特に熱で歪むようなことはありませんでした。
オデコの形にプレスされたプラ板から、必要なサイズに慎重に切り出します。まずは左右を繋げた状態のまま、ひさしと合うように装着します。
同じ要領で再び0.5mmのプラ板でヒートプレス。ひさしカバーには中央に段差があるので、コレを再現します。
その後ちょんまげのある部分をカットしたら、頭部になじむように薄く削り込んで完了。
ひさしとプラ板は流し込みタイプの接着剤で固定していますが、それでも強度的にはギリギリですね。
完全硬化するまでは慎重に取り扱う必要があります。
4.肩
肩は上半分のみかぶせるような形なので、下側を切り取ったのち、大きさを合わせるため下方向にプラ板を足します。
中身の形状に合わせるため、内側にも少し足して外側を削りました。肩付け根方向に少し絞る感じです。
かぶせつつもあまり大きくならないように、どう足すかは頭をひねるところです。
かぶせるときに当たるので、図の赤丸部分の幅をギリギリまで狭めました。
実際にかぶせたところ。パーツの当たるところは何度も確認しながらリューターで削って確かめるので、1個目を製作するのは意外に時間がかかります。
さて、出来たパーツをひとまず(右半身に)かぶせてみました。
重装型といいつつ、着膨れしないようできるだけ薄くコンパクトになるよう加工しました。
……削ってかぶせての単純なお仕事?でしたが、上半身だけで結構なボリュームとなってしまったので、今回はここまで。
次回は引き続き下半身の加工をおこないます。
DATA
ビルトビルガー 高機動型
- 1/144スケールプラスチックモデル
- 全高:約150ミリ
- 価格:3,200円(税抜)
- 発売中
- 発売元:コトブキヤ
※現在店頭在庫のみ
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