『スター・ウォーズ』ファンが愛してやまない“銀河系最速のガラクタ”!ミレニアム・ファルコン!!【趣味でプラモデル】

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“電撃ホビーウェブ編集部員&モデラーたち”が趣味で作ったプラモデルを思い出と共に語るコーナー「趣味でプラモデル」! ロボット、キャラクター、ミリタリー、カーモデルなどの様々なジャンルから自由気ままに紹介していきます!

 

第6回目は2017年12月15日に最新作の上映が開始され、さらなる盛り上がりを魅せる『スター・ウォーズ』から誰もが知っている宇宙船「ミレニアム・ファルコン」をご紹介! 本機体はエピソード4~7で活躍するハリソン・フォードが演じる「ハン・ソロ」と相棒「チューバッカ」が搭乗する宇宙船で、“銀河系最速のガラクタ”の異名を持っています。このミレニアム・ファルコンは元々ギャンブラーのランド・カルリジアンの所有する宇宙艇でしたが、ソロがサバック(作中でのカードゲーム)で勝って巻き上げたものでした。また、ファルコン号は彼が手に入れる以前から、ランドを含む複数の所有者の間を渡っており、代々のオーナーによって合法、時には違法な改造が繰り返されたためパッチワークのようなフォルムになっています。

このファンが愛してやまない本機体を『スター・ウォーズ』キットを作らせたら右に出るものはいないプロモデラー桜井信之氏に語ってもらいましょう!

 

※バックナンバー

 


#5箱目 MPC/ERTL ミレニアム・ファルコン

 

今回は今までと趣向を変え、僕のライフワークでもある『スター・ウォーズ』からミレニアム・ファルコンを作ってみました。使用したキットは近頃バンダイから発売されたスーパーキット(パーフェクトグレード)ではなく、古のMPC製ミレニアム・ファルコンです。

 

さて、いい機会なので『スター・ウォーズ』プラモデルの歴史を振り返りましょう。1980年代の『スター・ウォーズ』キットといえばMPC(後にAMT)から発売されたものがほとんどでした。第1作(『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』)公開時はまだマーチャンダイジングのシステムがきちんと整備されていなかったため、国内でもいくつかのメーカーが数アイテムのキットを発売したり、パッケージロゴに“S”と“W”だけを無理やり使った、似ても似つかぬパチ物キットが出ていた程度でした。でも今見ると幼少時の想い出が蘇り、とても愛おしい……涙。続く『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』公開のころになると、米MPC社がたくさんのアイテムをキット化してくれたので、『スター・ウォーズ』に心を奪われたモデラーたちはこぞって購入したものです。

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本当に嫌な予感がするぜ
~モデラーを苦しめるキットの数々~

このMPCキット、海外輸入品でシュリンクでパックされていたため、店頭で箱の中身を見ることができず、パーツ構成はもちろん、ディテールもキットの出来栄えも全くわからないまま購入するのが通例でした。また、このMPCのキットは後に「開けてビックリ……」と揶揄されるほど、キットによって“当たり外れ”が激しいシリーズでした。秀作キットと呼ばれたものでも、劇中のプロップとはディテールやプロポーションが大きく異なったり、スジ彫りが凸モールドだったり、パイロットなどは『エイリアン』の“スペースジョッキー”のようにシートに体半分が埋まった状態で一体化していたりと(笑)、満足のいく完成品を作るには、それなりの技術と高価な海外製キットを切断する勇気が必要でした。

 

当時は現在と違いプロップ写真などの資料をほとんど入手できず、参考にできるのはパンフレットやムックに掲載された映画のスチールや、洋書のデザイン画集のみの状況。それでも「なんだこりゃ!? 全く違うワ!」とキットのアラが簡単に発見できてしまいます。90年代に近づくと資料もだんだん入手できる環境になり、この不満は増大するばかりで「このキットを大改造して、死ぬまでにいつかは満足できる○○を作ってやる!」と仮組み状態や未開封のキットを押入れにしまい込み、多くのモデラーのMPCキットは“来るべき日”を待つことになります。

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もう邪魔者は消えた!さっさと片付けて帰ろうぜ!
~MPCキットの行き先~

10年ほど前、ファインモールドが『スター・ウォーズ』の商品化権を獲得したニュースが流れた時はスター・ウォーズファンは狂喜乱舞しました。そして発売された第1弾「X‐ウイングファイター」を手にした瞬間に、誰もがMPCキットがその役目を終えたことを確信します。さらに、ファインモールドの攻勢は続き、夢のようなキットが続々と世に送り出されることになります。そしてついに「1/72 ミレニアム・ファルコン」までが発売されました。そのころになると「X‐ウイングファイター」を手にしたスター・ウォーズファンの“確信”は“不安”に変化していきます。「あの押入れの大量のキット、どうするかなぁ」と……(笑)。

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外見はボロだが中身で勝負だぜ!
~簡単フィニッシュの本質とは~

以前から相棒でプロモデラーの岩田トシオ氏とお酒を飲むたびに話していることがあります。それは「成形色を活かした簡単フィニッシュっていうけど、最初から塗装しなくてもそれなりに仕上がるように成形色にまで気をつかったキットだもの……。そりゃ塗装しなくてもそれなりに仕上がるよな」ということです。タミヤのMMシリーズのように、塗装前提で作られているものの、メーカーとしての最低限の責任としてダークイエローやダークグリーンで成形されたキットを使って簡単フィニッシュしてこそ、本当の“簡単フィニッシュ”なのではないか? それはMPCの『スター・ウォーズ』シリーズでも同じことでしょう。

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悪党だからホレたんだろ?君の周りにいなかった
~MPCキットの持ち味~

完全版のキットが発売されてしまった以上、『スター・ウォーズ』コレクターならば未開封のキットを保管しておくのもMPCキットの活用法です。しかし“『スター・ウォーズ』モデラー”ならば、押入れで眠り続けるヤツらを製作してこそキットを成仏させることでしょう。あの当時夢見たように、このキットを元に“切った貼った”の作業を行い、完全版となるような大改造は行わず、当時の想い出とともに、問題のあるディテールやプロポーションすら“味”として楽しむつもりで完全素組みしようと思いました。

 

そのため、キット製作にあたりテーマとしたのは “余計な色気は出さない”ということでした(笑)。1カ所修正すると、ここも、あそこも……と無限地獄に陥るだけなので、工作に関しては徹底的に割り切ってストレート組み(それでもパーツの合いが悪い部分などは、きちんと組めるように修正はしますが)。そして、余力は全て塗装につぎ込む。それが今回の製作テーマです。

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もちろん簡単フィニッシュなので機体の基本色は成形色を利用しています。機体各所の塗り分け部分はジャンクパーツのデカールの中から、ベタ面積の大きいものを利用して塗り分け。努力の70%以上をウエザリングに投入しました。そのため今回製作にかかった時間は、工作が1日4時間×3日。基本のウォッシングとしてエナメル塗料の塗布に2時間、拭き取り作業と微調整に4時間。そしてシャドウ、チッピング、ストレーキングなどの汚し塗装に8時間。それで完成です。

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すげぇ女だぜ!生意気だけど気に入った!
~短時間で最高の仕上がり~

模型が完成してみると、当時あれほど気にしていたプロポ―ションやディテールに関しては気にならず、むしろこんな短時間で組み上げ心からウエザリングを楽しんだのは久しぶりだったという達成感でした。これは本当に意外で、恐らく完全版のバンダイキットが押入れでスタンバイしているからかもしれません。しかしこの“保険”があるからこそ、割り切った製作が可能になり完成までたどり着くことができたのでしょう。

 

さて、模型が完成したら写真撮影です。スター・ウォーズプロップ風のライティングで撮影してみると、その雰囲気は抜群で、先ほどの達成感はますます強くなっていきます。ここまで掲載してきた写真がそれです。しかしせっかくなので通常のライティングでも撮影したので掲載しておきます。

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フォースと共にあらんことを

今回試してみたMPCキットの活用法は思っていたより面白く、想像以上の満足感を得ることができましたが、全てのMPCキットが同じようには仕上がらないでしょう。しかし、アイテムを選んで製作すれば予想外の結果が得られると思います。90年代にはMPC以外にもギミック入りキットや、レベルの塗装済みキットなども発売されていました。それらのキットも押入れの中に眠っているので機会を見てチャレンジしてみようと思っています。完成の暁には、また本コーナーに掲載しますのでお楽しみに! ではまた。

 

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