神出鬼没連載!?ホロライブプロダクションのメンバーが自分の好きなものについてひたすら熱く語るコラム!~第9回・アルランディス「ルービックキューブとその他パズルキューブ」編~
毎回ホロライブプロダクションのメンバーが登場して、“ジャンルの垣根なし・なんでもアリ”で「自分が好きなものについて熱く語るだけ!」という、オタク全開早口推奨のコラム連載第9回! 今回はあらゆる世界線を旅してきた謎のイタリア人、ホロスターズ1期生のアルランディスさんに「ルービックキューブ」と、その他類似のパズルキューブ商品について熱く語っていただきます!
配信はキューブを回しながらのほうがしやすい!?
ホロスターズ1期生のアルランディスです! 今回は、僕が現在進行形でドハマりしているルービックキューブと、その他パズルキューブについて語らせていただきます!
僕が興味を持ちはじめたきっかけは、配信などでしゃべっているときに、手が寂しい、「なにか手の中で動かすものがほしい」というところからでした。どうも僕は、ものを考えたり話したりするときに手が動いてしまうというか、なにか持っていたほうが落ち着く、考えがまとまるという性分のようで、たとえばゲーム配信ならばコントローラーやキーボードをいじれるからいいのですが、シンプルな雑談だとそうもいかなくて、文字通り手持ち無沙汰になってしまうことがたびたびあったんです。
それで、なにか話しながら手元で動かせるものはないかと探しはじめて、たどり着いたのがルービックキューブでした。といっても、最初からルービックキューブだったわけではなく、それこそ「ハンドスピナー」や「インフィニティキューブ」といった“手を動かしていないと落ち着かない人向きのアイテム”をいろいろ試してみて、そのなかのひとつがルービックキューブだったという感じでしたね。
そういうところから入ったので、最初はカチャカチャ回すだけで満足していたんですが、やっぱりルービックキューブって、そろえるところがメインじゃないですか。なので、「せっかくだからそろえてみようかな」と思って、いろいろ調べてみたんです。そうしたら、実はルービックキューブをそろえる手順って6ステップしかなくて、けっこう簡単そうだったんですよ。
それで、実際に解法にしたがってやってみたら、思いのほかすんなりとそろえられてしまったんです。僕もそうなんですが、ルービックキューブって小さいころに触ったことはあるけど、「そろえられなくて最後は親にやってもらった」とか「そのままなくしてしまった」という方が多いと思うんですよ。なので、はじめて自分でそろえられたときの驚きや達成感がすごくて、そこから一気にハマってしまいましたね。
そろえられるようになってからは、もう、ずっといじりっぱなしです。いつもルービックキューブをパソコンの前に置いているんですが、まじめなオンラインミーティングのときなんかは、手が伸びそうになるのをグッとこらえています(笑)。それから、これは副次的なものかもしれませんが、意外と「俺、そろえられるんだぜ」「いや、実はそんなに難しくなくてさ~」みたいなのが、ひとつのトークになったりするんですよ。そんなところでも、身になってくれていたりします。
あなたの知らないところでルービックキューブは進化している!
そんなふうにルービックキューブにハマっていったわけですが、ルービックキューブって、頭の中でいろいろ考えてたり、たとえば「あと10分で配信がはじまる」みたいなときに、すごいリフレッシュになるんですよ。ルービックキューブをやっているときってほかのことを考えないので、無になれるというか、ギューッと集中して頭の中を一度リセットしてくれるんです。
さらに自分なりに分析してみると、ルービックキューブの「色がそろって完成する」という部分が僕の中でけっこう重要なようで、さきに挙げた「ハンドスピナー」や「インフィニティキューブ」はカチャカチャ動かせるものの、どうなったらゴールというものではないので、「ここが完成だよ」という達成感はないんですよね。そこがルービックキューブとの違いで、自分にはハマらなかった部分なのかなと思っています。
あと、小さいころに「トランスフォーマー」を変形させるのが大好きだったので、指先でなにかをカチャカチャやって「完成させる」のが好きという意味では、いまルービックキューブにハマっていることと、そういう原体験が、もしかしたら紐づいているのかもしれませんね。
そんなルービックキューブですが、知れば知るほどに、奥が深い趣味なんです。まず、キューブを構成するダイスの数だけでも種類がたくさんあるんですよ。ルービックキューブに興味のない方がイメージするのってダイスが3×3×3の正方形のやつだと思うんですけど、4×4×4とか、それ以上にめちゃくちゃ細かいやつもあるんです。僕は一番ベーシックな3×3×3のキューブが好きなんですが、今では3×3×3のキューブだけでも17個ほど持っています(笑)。これは誰にいっても理解されないんですけど、ひとつひとつ微妙に回し心地やサイズ感が違うんですよね~。気分によって回すものを変えたりしています。
“スピードキューブ”の世界記録は3.13秒!
6面をそろえる時間を競う“スピードキューブ”というスピード競技も興味深いんですよ。今年2023年の6月には3.13秒というタイムが出て、4年ぶりに世界記録が更新されました。それでルービックキューブ界隈が大盛り上がりだったのは記憶に新しいです。世界記録レベルの方の映像は本当にすごいので、YouTubeなどでぜひ一度見てほしいですね。どう手元が動いているのかほとんど見えなくて、魔法みたいな速度でキューブがそろっていくんですよ。
ルービックキューブって、僕はこのあたり詳しいわけじゃないんですが最速の理論値が出ていて、3秒を切ることはできないんじゃないかといわれているんですよ。それで今、キュービスト(ルービックキューブ愛好家)たちは、自分の手で理論値に近づける戦いをしているんですが、3.13秒っていったらもう、ほぼ3秒じゃないですか。その前の世界記録は3.47秒で、「目で見たものを脳が処理して、それを伝達して手を動かさなければいけない以上、これ以上は難しいんじゃないか」といわれていたんですが、それを超えてきたということは、これはもう人類が進化しているんですよ! スゲーことなんです!
そういう数学的なお話も奥が深くて、たとえばルービックキューブの配置のパターンって約4300京(4,300,000,000,000,000)あるらしいんですが、それが必ず6つのステップでそろうんですよ。「そんなにあるのに6つの行程で最適化できるなんてすごいね」っていう話なんですが、これヤバくないですか? どうですか? ルービックキューブに興味がでてきたでしょう?(笑)
ほかにもそういう理論体系ができているおかげで、ルービックキューブをそろえるロボットがあるんですよね。キューブにセンサーが仕込まれていて、機械に入れるとカンカンカンってそろえてくれるみたいな。機械工学的なものとか、プログラミングとかでルービックキューブをそろえる機械を作ろうっていうとめちゃくちゃ難しそうに聞こえるかもしれないけど、6ステップって考えると、案外そういったものの練習にもいいんじゃないかなとか、それ以外の分野でもなにか役に立ちそうだなとか、いろんなことを勝手に思っています(笑)。
ちなみに僕が3×3×3のキューブをそろえるのにかかる時間は、はやいときで大体30秒くらいです。ルービックキューブにハマる人って、速さを極める方向にいくのが多いと思うんですが、僕の場合はそちらにはいかず、手の寂しさを紛らわせつつ、ちょっとした達成感を得られるところに喜びを感じているタイプですね。
ルービックキューブの変わり種商品3選!
そんな速さを極める方面に向かわなかった僕が愛してやまないのが、ちょっと変わったかたちをしていたり、ギミックが盛り込まれた“変わり種系”のキューブです。僕はちょっと収集癖があるので、変わったものを見つけるとつい買ってしまうんですよね。
まず、「ルービックキューブインポッシブル」。これは僕の配信内でもチャレンジしたんですが、「キューブの面の色が見る角度によって変わる」という、なかなかとんでもないギミックを搭載したシロモノです。
これも脳のバグを誘発する系かもしれませんが、そろったと思ったのに、角度を変えると色が違ったりして、そういうジレンマがすごく楽しいんですよ。……なんだろう、ちょっと辛いことを経験したいみたいな願望があるのかな(笑)。でも、配信でこれに挑もうと思えたのは、やっぱり「自分なら絶対にそろえられる!」という確信があったからですね。さすがに解法も知らないでやると、本当にインポッシブルになってしまうので(笑)。ちなみに、配信で完成させたインポッシブルはもう崩さない予定です。
それから「ルービックキューブファントム」もおもしろかったですね。これは通常は全体が真っ黒なキューブなんですが、温度が上がると色が出てくるという仕組みになってるんですよ。つまり、手の温度で温まると色が見えてくるけど、触ってない面は冷えてすぐに真っ黒になってしまう。なので、ちょっと「あれ?これなんだったっけ」なんてやっていると、気がつけば真っ黒という、「よくこんなの考えつくな!」というアイテムです。
ちなみにこれは、最終的にお湯にぶちこんで「おら、このやろー!」とかいいながらそろえました(笑)。ルービックキューブって、基本的には解法さえおぼえてしまえばそろえることができるので、開発の方はそれを見越して「こんなの作ったけど、できる?」みたいなプラスワンのアクセントを入れたものを謎解きのように出してくれるんですよ。それがめっちゃうまいなって思います。そうなると、どうしても「やってやる!」という気持ちになっちゃうんですよね。
あと、これは持ってはいないんですが、今年発表された、六面全部に金箔を貼った「工芸ルービックキューブ 金沢箔 金箔」も驚きましたね。合金率で6色の違いが表現されているので、ちゃんとそろえることができるんですよ。飾っておくだけでもめちゃくちゃかっこいいだろうな~と思ったんですが、お値段(税込300,000円)を見てちょっと二の足を踏んでしまいましたね(笑)。
ルービックキューブは2020年に発売40周年を迎えて、かたちは変わっていないけど、こういうふうにその時代その時代の技術を取り入れて進化しているのがおもしろいですよね。
そのほかに、これは変わり種とはズレてしまいますが、ルービックキューブをたくさん並べて、ピクセルアートみたいに絵を描く方もいらっしゃるんですよ。たとえばアニメキャラの顔とかを、色合いで表現したりしていて。そういう方々をYouTubeやTikTokなどで見つけては、「これを作れる人の脳みそはどうなってるんだ!?」と驚いています。本当にルービックキューブって、シンプルがゆえに懐が深くて、持ち手次第でなんでもできるんだなって思います。
ルービックキューブではない他社のパズルキューブにも食指が……!
日本で今、「ルービックキューブ」という公式名称を冠して発売されているのはメガハウスというメーカーの商品だけです。ここからは少し、それ以外のパズルキューブについても触れさせてください。
※ここから、次の段落「キューブを題材にしたマンガもある!」はルービックキューブではないパズルキューブの話題になります。
僕が気に入っているのは、GANキューブの「GAN13 MagLev」です。パズルキューブって海外では新しいものがドンドン開発されているんですよ。僕は「新しいスマホが出るような感覚」だと思っているんですが(笑)、毎年のように新モデルが続々と発表されているんです。
こうして発売された新しいモデルのどのようなところが更新されていくかというと、おもに角に仕込まれた磁石だと思います。これが6面をそろえる時間を競うスピード競技(スピードキューブ)をおこなう上で、より最適化されたものに調整されていっているようですね。この磁石が仕込まれていることで、クリンと回したときにキューブの角がズレずにカチッと止まるわけですが、それを「より広い角度をキャッチできるようになりました」とか、あとは「内部のバネが強くなりました」とか、そういうすごく細かいレベルのマイナーチェンジを繰り返しているみたいです。
とはいえ、このあたりはガチでスピードキューブを極める人向けの、本当にマニアの領域だと思うので、僕も1つ持っていれば充分に満足で、毎年買い替えようとはならないですね(笑)。ほかにはそれこそゲーミングマウスなどのように、「プロの〇〇さんが愛用!」みたいなモデルとか、本当にいろいろなアイテムがたくさん出ています。
その中で個人的に欲しいと思っているのが、GANというメーカーが出している「リミテッドエディション コロレ」というパズルキューブです。ぜんぶ同じ色で、「ただクルクル回すだけ」みたいなやつが欲しいなって思っているんですけど、このキューブは全体が涼しげなクリアブルーで成形されていて、ものすごく綺麗なんですよ。これはまだ在庫があるみたいだし、買っちゃいそうだな~(笑)。
キューブはもう家にたくさんあるし、棚もいっぱいなんですが、毎回「これで最後!」といいながら、結局買っちゃうんですよね。配信やTwitter(X)でも買ったよ報告をするんですが、それを見たファンの方からは「また買ったの!?」「これ以上増やしてどうするんだ」「手は2つしかないだろ」と突っ込まれています。これはもう、コレクターのサガというか、仕方ないところですね(笑)。
たとえば僕が持っているものだと、「ミラー エム」というキューブがあって、これはキューブを構成するダイスのかたちや大きさがバラバラになっていて、崩すとガタガタになるんですよ。このキューブは色ではなく、かたちでそろえていくんですが、基本的にはベーシックなキューブと同じ手順で解くことができます。
このタイプのキューブのなにがおもしろいかというと、ベーシックなものとおなじ方法で解けるはずなのに、色でそろえられない=手が覚えていた順序と違うから、脳がバグって手が止まるんですよ。ちょっと屈折した楽しみ方かもしれないんですが、そのバグった感じがすごくおもしろいんです(笑)。また、崩れたかたちも「なにこれ~!」って感じで、なにか幾何学的な美しさがありますよね。これが段々とキューブ状に変形していくさまもまた、すごく好きなところです。
しかもこのキューブ、こんなかたちなのにすごく回しやすいんですよ。やっぱり僕の場合、ハマったとっかかりが「なにか手の中で動かせるものがほしい」というところだったので、回しにくいとそれだけでストレスになってしまうんです。今は紫色のものしか持っていないのですが、色違いもあるので、それも欲しいなって思っています。
ほかにも、6ステップの中の1つの行程だけを練習するためのパズルキューブなんていうのもあって、これもおもしろいんですよ。そろえるための6ステップの中に、側面にアルファベットのTの字を作る行程があるんですが、その行程に必要な部分だけに色がついていて、不要な部分はすべて黒に塗りつぶされているんです。これはビジュアル的にもなかなかカッコいいんですよね。
あとは、もっと変わったところでいうと、現実のキューブとアプリが連動していて、リアルのキューブをカチャカチャ動かすとスマホアプリ上のキューブも同じ動きをして、そろうまでのタイムを計測できるというものもあります。これはなんというか、玩具としてすごいですよね。アプリにはランダムマッチングで世界中の人とタイムを競えるオンライン対戦機能もついているみたいなんですが、ちょっと怖くてやっていません。絶対に猛者しかいないだろって(笑)。
キューブを題材にしたマンガもある!
そしてパズルキューブに興味が出てきたという方にオススメなのが、『ギャルとキューブ』という読み切りマンガです。これはキューブで目立とうとした男の子が、同じ趣味を持つギャルに出会うラブコメなんですが、マンガとしておもしろいだけでなく、パズルキューブの入門編としてめちゃくちゃわかりやすいんです!
僕もはじめて読んだときには「キューブを題材にしたマンガがあるのか!」って驚きましたね。しかも解法に使われる回転記号のお話もでてくるし、人物じゃなくキューブをカラーにしてるし(笑)。「ちょっと気になってきたな」という方はぜひとも読んでみてください。『ギャルとキューブ』を読んで「解けるかも!」と思った次の日には、キューブを買いに走っているはずです(笑)。
そうして、そろえられるようになったら、今度は練習を重ねて、なにも見ずにそろえられるようになっていただきたいです。そうなると、手順を見ながらそろえているときとは違う、1ステップ上の達成感がありますから。そこからの“ハマり”がまたすごいんですよ! ぜひともこの気持ちよさを体験していただきたいです!
いつかオリジナルのキューブを作ってみたい
最近、「工芸ルービックキューブ 金沢箔 金箔」のようなキャッチーなアイテムが発売されたりしているのを見ていると、キュービストがじわじわと認知を広げてきていて、じんわりとルービックキューブが流行ってるんじゃないかな?と勝手に思ったりしています。もっと盛り上がって、また日本にブームがきてくれるとうれしいですね。
ルービックキューブって、いってしまえば崩してそろえてを繰り返すだけなんですけど、そろえたときの達成感は何回やってもあるし、続ければちょっとスピードがあがってきて自己記録を更新できたりするし、そんなところが癖になってるんだろうなぁと思います。ひとりで黙々とやるのが、なんだかすごく楽しいんですよね。
今後、ルービックキューブを使った企画ができるならば、「オリジナルのルービックキューブを作る」とかやってみたいですね。ダイスに自分の指定した写真や絵をプリントして、オリジナルのキューブを作れるサービスがあるんですよ。ダイスにプリントする用の絵を描くところからはじめて、実際に届くまでをドキュメンタリーみたいにしたら、おもしろいんじゃないかなって思ってます。
さらに夢を語らせていただくならば、コラボモデルとかできたら最高ですね。自分をイメージした配色にして、「縦と横はこのくらいの大きさで」「磁石はこのモデルを参考にして」とか、細かく監修させてもらって。そこまでいったら本当に、「夢が叶った!」ですけども。もしそんなことになったら、そのモデルをめちゃくちゃ買っちゃいますね(笑)。
あとは「ルービックキューブインポッシブル」のときのように、超難易度のキューブをそろえる配信もまたやりたいですね。今年発売された「ルービックキューブダブルフォーム」にも注目しています。
ルービックキューブを買いました。これで本当に最後です。
— アルランディス🍕ホロスターズ1期生 (@arurandeisu) July 11, 2023
▲アルランディスさんのとあるツイート。
アルランディス PROFILE
11月11日生まれ、初配信日は2019年9月8日。名探偵、怪盗、教師、侍、スナイパー、悪魔狩り。あらゆる世界線を旅してきた謎のイタリア人。アイドルの夢を託され現在はこの世界線で日々精進中。自称理論派だが何かにつけて最後は筋肉に頼ることが多い。ピザと肉とコーラが好き。
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