ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』(その19)PG 1/60 ユニコーンガンダム/ユニコーンガンダム用 FA拡張ユニット
本コーナーでは、日曜朝7時よりテレビ朝日系にて放送されている『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』に登場したモビルスーツを、電撃ホビーマガジンやその別冊に収録された作例記事にて紹介します!
- ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』HGUC 1/144 ローゼン・ズール
- ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』HGUC 1/144 クシャトリヤ・リペアード
- ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』HGUC 1/144 ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン(デストロイモード)
- ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』(その16)HGUC フルアーマー・ユニコーンガンダム(ユニコーンモード)
- ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』(その17)ジェガン(エコーズ仕様 コンロイ機)
最終回を迎えた『機動戦士ガンダムUC RE:0096』。本連載も、これで最後となります。今回ご紹介するのは、最終回を飾るにふさわしい「PG 1/60 ユニコーンガンダム」と、それをフルアーマーにする「PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム用FA拡張セット」です。桜井信之による、激戦をくぐり抜けた機体を再現するためのウェザリングや、ブラックライトで発光する塗料によるサイコ・フレームの塗装など、みどころ満載の作例をご覧ください。
PG 1/60 ユニコーンガンダム/PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム用FA拡張セット
PG「ユニコーンガンダム」を徹底フィーチャー。本体発売と同時に受注が開始された「PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム用FA拡張セット」を使い、「フルアーマー・ユニコーンガンダム」を製作。本体は、サイコフレームがエメラルド色に発光した覚醒版とし、激戦を繰り広げた末のバトルダメージを想定したウェザリング仕上げでの完成となった。
圧倒的物量とテクニックで再現された、可能性の獣
今回はフルアーマー・ユニコーンガンダムです。ユニコーン本体について、個人的に思うところがありました。それは、「ユニコーンの基本色はパール仕上げでいいのか?」 という点です。フラットホワイト&ハードウェザリング仕上げの「ユニコーン」も見てみたいという願望が僕の中で湧き上がってきていました。キャラクターモ デルなので、どのように塗装しても“正解”ではあるのですが、プロとして、模型誌として、もうひとつの選択肢も提示するべきだろうと思い、前月の作例完成直後から、間髪入れずに製作を開始しました。
最終決戦直前の状態ということで全身にウェザリングを施しましたが、いくつかルールを決めて汚しています。それは(1)フレームはメカサフ(ヘヴィ)+スポンジチッピング。(2)白の装甲はタッチアップ塗装+目の細かいウレタンや歯ブラシ・筆でチッピング。(3)ソールなどダークブルーの箇所はヘアスプレーを用いた“本当に剥がす”チッピングで、それぞれの色と部位で変化を付けています。
最終決戦仕様らしく、ウェザリングを徹底的に施す
短期間のうちに宇宙から地球、そして再び宇宙へと舞台を移し、激戦を繰り広げたユニコーンガンダム。インダストリアル7に向かう最終決戦仕様の際には、そのバトルダメージも相当激しかったはず。そんな想定のもと、様々な手法でウェザリングを施している。運用状況により“汚れ具合が異なる”と判断。それを十分に鑑みながらのウェザリング作業となった。
特に①のタッチアップ塗装は以前からガンダムに施してみたかったのですが、なかなかこの塗装が似合う機体を作る機会がありませんでした。現用ジェット戦闘機などに見られるタッチアップ塗装は、単色の機体の方が効果的だからです。この塗装はダメージを受けたハゲチョロ場所に、スプレーガンなどで塗装をタッチアップ補修するもの。この際、スプレーを吹き付けた外周部分はスプレーミストでザラザラになっています。このザラザラに汚れが入り込み、新規にスプレー塗装した周囲が汚れるという現象を起こします。この同一色の色味に差が生じる塗装は一見、本末転倒な塗装に見えますが、兵器における塗装は美しさを追求するものではありません。カムフラージュや敵と味方を判別のために行うのが目的です。
塗装ハゲで地金が露出したままでは金属は酸化→サビを起こし劣化してしまいます。ムラが出ようが汚くなろうが、金属の劣化を防ぐためにタッチアップを行っているのです。しかし……ムラなく単色で美しく塗りあげられた機体よりも、この薄汚い塗装に魅力とリアリティーを感じてしまうのが、モデラーだったりします(笑)。そんな理由で、今回は「ユニコーン」にこの塗装を施してみました。
基本塗装後、エッジやパネルラインなどハゲチョロが起きる部分に「マスキングゾル」をランダムに塗布。乾燥後グレートーンでマスキングの周辺にシャドーを入れます。塗料が乾燥後、マスキングゾルを剥がすとこのような状態になります。
スケールモデルに見るタッチアップ塗装法
現用ジェット戦闘機などに見られるタッチアップ塗装法を簡単に紹介。詳細は小社刊行「プラモ出る技術の引き出し」掲載しているので、併せてチェックされたし!
タッチアップ塗装の後、エナメル塗料でチッピングを行っています。ちなみにタッチアップを施す際にもう一つルールを設けました。これらのメンテナンスは〈ユニコーン〉状態の時に行われるはずです。そのためNT-D発動時の〈デストロイモード〉で初めて表面に露出する部分にはタッチアップを行っていません。この部分はメカマンにとっても触ることのできない“ブラックボックス”のはずですから……。
ちなみにシールドは通常2枚をローテーションで使用していると考え、1枚はハードにチッピング。もう1枚はタッチアップ後に1回程度使用したと考え軽めにチッピングしています。そして3枚目は未使用のデッドストック品を最終決戦時に初使用と考え、ノンウェザリングにしています。
少々手間のかかる塗装をしたので、1日15時間・7日間塗り続けましたが(笑)、完成すると凄い達成感ですね。皆さんも頑張って完成させてください。
DATA
PG 1/60 ユニコーンガンダム
- 1/60スケールプラスチックキット
- 発売中
- 価格:21,600円(税込)
- 発売元:バンダイホビー事業部
PG 1/60 ユニコーンガンダム用 FA拡張ユニット
※プレミアムバンダイ製品。予約終了しています(2016年9月2日現在)。
- 1/60スケールプラスチックキット
- 予約終了
- 価格:7,020円(税込)
- 発売元:バンダイホビー事業部
関連情報
(c)創通・サンライズ