ガンプラで見る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』(その19)PG 1/60 ユニコーンガンダム/ユニコーンガンダム用 FA拡張ユニット

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作例製作・文●桜井信之/編集●電撃ホビー編集部

 

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本コーナーでは、日曜朝7時よりテレビ朝日系にて放送されている『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』に登場したモビルスーツを、電撃ホビーマガジンやその別冊に収録された作例記事にて紹介します!

 

 

 

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最終回を迎えた『機動戦士ガンダムUC RE:0096』。本連載も、これで最後となります。今回ご紹介するのは、最終回を飾るにふさわしい「PG 1/60 ユニコーンガンダム」と、それをフルアーマーにする「PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム用FA拡張セット」です。桜井信之による、激戦をくぐり抜けた機体を再現するためのウェザリングや、ブラックライトで発光する塗料によるサイコ・フレームの塗装など、みどころ満載の作例をご覧ください。

 

 

PG 1/60 ユニコーンガンダム/PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム用FA拡張セット

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PG「ユニコーンガンダム」を徹底フィーチャー。本体発売と同時に受注が開始された「PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム用FA拡張セット」を使い、「フルアーマー・ユニコーンガンダム」を製作。本体は、サイコフレームがエメラルド色に発光した覚醒版とし、激戦を繰り広げた末のバトルダメージを想定したウェザリング仕上げでの完成となった。

 

 

圧倒的物量とテクニックで再現された、可能性の獣

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▲サイコフレームには、蛍光塗料を塗り、蛍光クリアーでコートしているため、ブラックライトを当てると写真のように、まるでサイコフレームが発光したような状態となる。

▲サイコフレームには、蛍光塗料を塗り、蛍光クリアーでコートしているため、ブラックライトを当てると写真のように、まるでサイコフレームが発光したような状態となる。

 

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▲作例全面。

 

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▲作例背面。

 

▲「FA用拡張セット」は劇中の設定通り、本体の変身に干渉しないように取り付けられているため、ユニコーンモードへの変身も難なく楽しめる。ブースター・ユニットを支えるスタンドも本体の伸縮に対応してスライドする仕組み。

▲「FA用拡張セット」は劇中の設定通り、本体の変身に干渉しないように取り付けられているため、ユニコーンモードへの変身も難なく楽しめる。ブースター・ユニットを支えるスタンドも本体の伸縮に対応してスライドする仕組み。

 

 

今回はフルアーマー・ユニコーンガンダムです。ユニコーン本体について、個人的に思うところがありました。それは、「ユニコーンの基本色はパール仕上げでいいのか?」 という点です。フラットホワイト&ハードウェザリング仕上げの「ユニコーン」も見てみたいという願望が僕の中で湧き上がってきていました。キャラクターモ デルなので、どのように塗装しても“正解”ではあるのですが、プロとして、模型誌として、もうひとつの選択肢も提示するべきだろうと思い、前月の作例完成直後から、間髪入れずに製作を開始しました。

 

最終決戦直前の状態ということで全身にウェザリングを施しましたが、いくつかルールを決めて汚しています。それは(1)フレームはメカサフ(ヘヴィ)+スポンジチッピング。(2)白の装甲はタッチアップ塗装+目の細かいウレタンや歯ブラシ・筆でチッピング。(3)ソールなどダークブルーの箇所はヘアスプレーを用いた“本当に剥がす”チッピングで、それぞれの色と部位で変化を付けています。

 

 


 

最終決戦仕様らしく、ウェザリングを徹底的に施す

短期間のうちに宇宙から地球、そして再び宇宙へと舞台を移し、激戦を繰り広げたユニコーンガンダム。インダストリアル7に向かう最終決戦仕様の際には、そのバトルダメージも相当激しかったはず。そんな想定のもと、様々な手法でウェザリングを施している。運用状況により“汚れ具合が異なる”と判断。それを十分に鑑みながらのウェザリング作業となった。

 

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▲胴体は装甲面にタッチアップ塗装とスポンジチッピング。

▲胴体は装甲面にタッチアップ塗装とスポンジチッピング。

 

▲ビーム・サーベルはストックがなく使い続けていると判断し、より激しいチッピングを施した。

▲ビーム・サーベルはストックがなく使い続けていると判断し、より激しいチッピングを施した。

 

▲シールドは、左右および背面では汚しの度合いを調整。もっとも長く使っていると想定した左腕に装着したものは、より激しいチッピングを施している。

▲シールドは、左右および背面では汚しの度合いを調整。もっとも長く使っていると想定した左腕に装着したものは、より激しいチッピングを施している。

 

▲脚はスタンピングを中心に足先に向かってチッピングを激しく行っている。

▲脚はスタンピングを中心に足先に向かってチッピングを激しく行っている。

 

▲ソールなどのダークブルーの箇所はヘアスプレーを用いたチッピングを行った。

▲ソールなどのダークブルーの箇所はヘアスプレーを用いたチッピングを行った。

 

 

特に①のタッチアップ塗装は以前からガンダムに施してみたかったのですが、なかなかこの塗装が似合う機体を作る機会がありませんでした。現用ジェット戦闘機などに見られるタッチアップ塗装は、単色の機体の方が効果的だからです。この塗装はダメージを受けたハゲチョロ場所に、スプレーガンなどで塗装をタッチアップ補修するもの。この際、スプレーを吹き付けた外周部分はスプレーミストでザラザラになっています。このザラザラに汚れが入り込み、新規にスプレー塗装した周囲が汚れるという現象を起こします。この同一色の色味に差が生じる塗装は一見、本末転倒な塗装に見えますが、兵器における塗装は美しさを追求するものではありません。カムフラージュや敵と味方を判別のために行うのが目的です。

 

 

塗装ハゲで地金が露出したままでは金属は酸化→サビを起こし劣化してしまいます。ムラが出ようが汚くなろうが、金属の劣化を防ぐためにタッチアップを行っているのです。しかし……ムラなく単色で美しく塗りあげられた機体よりも、この薄汚い塗装に魅力とリアリティーを感じてしまうのが、モデラーだったりします(笑)。そんな理由で、今回は「ユニコーン」にこの塗装を施してみました。

 

 

基本塗装後、エッジやパネルラインなどハゲチョロが起きる部分に「マスキングゾル」をランダムに塗布。乾燥後グレートーンでマスキングの周辺にシャドーを入れます。塗料が乾燥後、マスキングゾルを剥がすとこのような状態になります。

 


スケールモデルに見るタッチアップ塗装法

現用ジェット戦闘機などに見られるタッチアップ塗装法を簡単に紹介。詳細は小社刊行「プラモ出る技術の引き出し」掲載しているので、併せてチェックされたし!

 

プラモデル技術の引き出し 桜井信之 著 絶賛発売中 定価:2,500円+税 発行:株式会社KADOKAWA

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▲まずは基本色を吹き付ける。基本色を塗ったら、それに黒と赤褐色を少量足した色をパネルラインを中心に細吹きする。

▲まずは基本色を吹き付ける。基本色を塗ったら、それに黒と赤褐色を少量足した色をパネルラインを中心に細吹きする。

 

▲吹き終わった状態。通常のグラデーション塗装のシャドー吹きとは使用した色味が違うので、一見不思議な仕上がりに。

▲吹き終わった状態。通常のグラデーション塗装のシャドー吹きとは使用した色味が違うので、一見不思議な仕上がりに。

 

▲その後、最初に吹いた基本色を先ほど吹いた濃い色のラインの内側に極細で吹いていく。

▲その後、最初に吹いた基本色を先ほど吹いた濃い色のラインの内側に極細で吹いていく。

 

▲次に機体のエッジ部分やパネルラインの上に、部分的にマスキングゾルを塗る。この時付属のハケは使用せず筆を使う。

▲次に機体のエッジ部分やパネルラインの上に、部分的にマスキングゾルを塗る。この時付属のハケは使用せず筆を使う。

 

▲マスキングゾルが十分乾いたら、そのマスキングした部分の周囲にクリアーブラックを吹く。

▲マスキングゾルが十分乾いたら、そのマスキングした部分の周囲にクリアーブラックを吹く。

 

▲クリアーブラックが乾燥したら、爪楊枝やピンセットを使い、慎重にマスキングゾルを剥がしていけば完成。

▲クリアーブラックが乾燥したら、爪楊枝やピンセットを使い、慎重にマスキングゾルを剥がしていけば完成。

 


 

タッチアップ塗装の後、エナメル塗料でチッピングを行っています。ちなみにタッチアップを施す際にもう一つルールを設けました。これらのメンテナンスは〈ユニコーン〉状態の時に行われるはずです。そのためNT-D発動時の〈デストロイモード〉で初めて表面に露出する部分にはタッチアップを行っていません。この部分はメカマンにとっても触ることのできない“ブラックボックス”のはずですから……。

 

ちなみにシールドは通常2枚をローテーションで使用していると考え、1枚はハードにチッピング。もう1枚はタッチアップ後に1回程度使用したと考え軽めにチッピングしています。そして3枚目は未使用のデッドストック品を最終決戦時に初使用と考え、ノンウェザリングにしています。

 

少々手間のかかる塗装をしたので、1日15時間・7日間塗り続けましたが(笑)、完成すると凄い達成感ですね。皆さんも頑張って完成させてください。

 

 

DATA

PG 1/60 ユニコーンガンダム

  • 1/60スケールプラスチックキット
  • 発売中
  • 価格:21,600円(税込)
  • 発売元:バンダイホビー事業部

 

PG 1/60 ユニコーンガンダム用 FA拡張ユニット

※プレミアムバンダイ製品。予約終了しています(2016年9月2日現在)。

  • 1/60スケールプラスチックキット
  • 予約終了
  • 価格:7,020円(税込)
  • 発売元:バンダイホビー事業部

 

 

関連情報

 

(c)創通・サンライズ

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