電撃30MM情報局 ~加工塗装いっさいなしでヒーローロボを……作ろうとしたら怪物になった~
BANDAI SPIRITSのオリジナルロボット企画「30MINUTES MISSIONS(30MM)」。電撃ホビーウェブでは随時新製品情報を紹介していますが、この電撃30MM情報局では、サクッとカスタマイズした事例を紹介します。
祝!一周年! 30MMも初のリリースからついに一周年を迎えましたね。昨年、『「つくる」のホントを知ってるかい?展』にて大々的にアピールされて以来リリースを心待ちにし、発売日に店頭に駆け込んだのはいい思い出です。当時は連載開始前で完全なるプライベートだったのですが、初期のラインナップであれこれ組み換え遊びをして妄想をふくらませることもできて、楽しかったですよね。今ではTwitterなどを見ればファン活動も盛んだし、ホントに盛り上がってますね~!
というわけで今回は、基本に立ち返り30MMの真骨頂である「組み換え」のみで遊んでみることにしました。これまで色を塗ったり接着したり穴を開けたりしてきましたが、組み換えのみという縛りで自由に妄想してみようかなと。
挑戦するのは、「ヒーローっぽい機体を作る」です。30MMのキャッチは「量産機ファンよ、立ち上がれ!!!!」でありますが、これはある意味、「そこからカスタマイズしようぜ!」というメッセージでもあるのかなと。量産機のカスタマイズでヒーロー的機体が出来上がるのは定番の流れですし(ま、本来はヒーロー機の量産機なので、逆といえば逆ですが)、実は30MMリリース時からやりたかったことでもあります。
問題は、やっぱりプロポーションなんですよね。2019年8月には「30MM 1/144 指揮官機用オプションアーマー」(税込330円)がリリースされて、特にフェイス部分や肩部はヒーロー的な外装は存在していましたが……
- ボディの左右幅を広げたい
- 手足を伸ばしたい
という2点を、ぜひやってみたい。手足はその後の様々なオプションですぐに実現可能になったのですが、いかんせんボディが。やっぱり本体の肩幅をガッツリ広げたいところなのです。アルトのボディを切り離して幅増しすることも考えたのですが、それでは30MMの文脈的に、ちょっとやりすぎかなあとも。
そんな中登場したのが、「オプションパーツセット」の1と2です。BANDAI SPIRITSホビー事業部の開発ブログでも紹介されていますが、このセットは装甲や武装のほか、各種ジョイントパーツが同梱され(1、2共通で同梱)、これが魔法! 組み換えの際のリミッターが解除されたも同然の素晴らしい奴らなのですよ! 30MMシリーズの基礎体力が一気に上がった感があります。
特に肩のボールジョイントが素晴らしいのです。30MMにおいて、ほかのパーツとつながらないのが、首と肩の付け根ですが、この悩みが解消されているのです。なおボディは、肩幅の広さからラビオットを選択しました。
ここに、肩幅を広げるようなパーツを付ければ、いかり肩のプロポーションが実現可能です。そこで……。
「テキトーに幅増しできるパーツはないかなー」と探していたら、オプションパーツセット1の大型ミサイル・ポッドがありまして、それを接続して肩幅を広げたのです。こうなると広がった肩幅に見合うボリュームの上腕が必要。そこで、マルチブースターユニットを接続してみました。これによって、かなりいかつい風貌になりました。
こうなると腕部もそれなりに長くしないと収まりがつかないので、アルトの脚部を使用しました。ただ、単に付けると、30MMを見慣れた目には「脚が腕になってる」的な見え方しかしません。そこで、こちらもジョイントパーツを多用。関節を、脚部で使用されているものと置き換えるだけでかなり印象が違います。
お次は脚部です。これはもう、これまでリリースされたバリエーション機で細長い脚部が存在しているので、組み合わせました。「30MM 1/144 bEXM-15 ポルタノヴァ(宇宙仕様)[グレー]」(税込1,980円)と、新製品「30MM 1/144 eEXM-17 アルト(空中戦仕様)[オレンジ]」(税込1,980円)の脚部を接続。カラーバリエーションが増えるとよいですね!
しかし……なんだかこのままだとサルみたいな……。やっぱり手足を長くしてしまって、バランスがイマイチなんですよね。ボディも伸ばさねば。そこで考えたのです。ここまでの作業で多くのジョイントパーツを使ってきました。ジョイントパーツ、もっと使えないかな? と、そこで思いついたのが、これ。
「あはは、ジョイントパーツは無限接続できるなあ」などと遊んでいたのですがちょっと待て。これ、背骨にみえないか? いやこれ、どう見ても背骨だろ! と。なので、背骨にしました。そして完成したのが、こちらです。
ん~。なんか、ヒーローかなあ……と。なんだか異形感のほうが強いなあと。ちょっとこう、脳をいじられたパイロットが乗ってる感というか。やっぱり背骨を作ったのがアレだったのかも。でも、見慣れてくると、これはこれでアリかも! 的にポジティブ思考も生まれてきて、「いや、背骨にオプションパーツセット1のミニガンか2のスモークティスチャージャーを接着したらもっと骨っぽくなるかも!」みたいに妄想も膨らんできて、このまま採用としました。
さて。ここで終わればよかったといえばよかったのですが、やっぱり30MMはじゃんじゃんパーツを盛りたくなるもの。もともと私もストイックな性格ではないので、もう、「盛りたい!」。
特に肩上に出っ張った軸は、可動によって目立たなくすることはできるものの、ここに何か付けたい! できれば羽根! やっぱり羽根でしょ! というわけで、こちらも新製品となる「30MM 1/144 エグザビークル(エアファイターVer.)[ホワイト]」(税込858円)から翼を持ってきて接続。なんかアンバランス! でも、もうここまで来たらバランスなどは気にせず、異形感あるなら異形感で進んでみようかなと。
これにて、アルトのヒーロー体型改め異形体型の完成です。30MMは武装モリモリが楽しいわけですが、動物を作ったりSD体型にしたりと、ネットでは様々な遊び方が流行っていますので、ジョイントパーツを使ってぜひ挑戦してみてください!
と、ここで終わればよかったのですが、翼を転用したエアファイターがポツンと寂しそうにしていたのです。これも利用したいなと。ちなみに、私は30MMの新製品が発売されると「夜中に組み換えしていて、パーツがもっと欲しくなったらどうしよう!」という恐怖心のためにたいてい3個買いしているので、エアファイターもまだまだ持っています。よし! 支援メカだ! と作ったのがこちら。
嗚呼! 30MM! とりとめもない! ひとつ作り上げると、そこからさらに妄想が膨らんでアレもコレもと欲望のままにパーツを組み合わせ続けてしまうのです。そしてコイツには、30MMならではの機能も持たせました。
実は、ラビオットのバックパックをこの支援メカの機体に仕込んでいます。そしてこのバックパックには、「30MM 1/144 拠点攻撃用オプションアーマー[ラビオット用/ダークブラウン]」(税込440円)のアームユニットを接続しています。すると……。
本体を折り曲げることが可能になります。そして! アルトのヒーロー体型の真の姿的なものを作るわけです(このへんになるともう、ひたすら自分だけの世界に浸り込んでしまいますね)。
というわけで、こちらで本当の完成にしました。
そうそう、写真の中に妙なライトが写っているかと思いますが、これは100円均一ショップで購入したものです。過去記事「『機動戦士Zガンダム』名場面再現からディスプレイ台座の製作まで!「Realistic Model Series アーガマ カタパルトデッキ」を遊び尽くす!」を見て、私も光らせたくなったのですが、工作は手間がかかってしまうし……ということで、ポンと置いてなんとかなりそうなものをあれこれ物色した結果なのです。
そして台座についてはもうひとつ。今回、「アクションベース5 クリア」(税込550円)を使用しましたが、これだと高さが足りなくなってしまったのです。「アクションベース4」(税込660円)を使えば解決するのですが、深夜だったので買いにも行けません。そこで、「カスタマイズシーンベース」(税込605円)と組み合わせてみました。カスタマイズシーンベースには各種アームが用意されているので、これを2段重ねにすることも可能です。
※ただしアームは1製品長短2本ずつしか入っていないので、カスタマイズシーンベースは複数必要になります。まあランナーなどで代用してもいいと思いますが。
さてここでワンポイントというか、変形させたときのなんちゃってロック機構を作っているのでご紹介です。この支援メカ、見ての通り重い。つまり、90度機体を折り曲げると、機種部分がカックンカックンしてしまいます。そこで、エアファイターのランディングギアをつっかえ棒として使用しています。
パーツを組み合わせてカスタマイズしていくと、可動がユルくなる部分がどうしても出てくるもの。そもそも、重いものを軸1つでしっかり支えるのはムリがあります。そういう場合は、こうして目立たないところで固定するのも良いのではないでしょうか?
こうして支援メカまで取り付けると、もはや自立は不可能。上記したようにつっかえ棒的なアプローチを取ろうとしても、あまりにも対応せねばならない関節が増えてしまい現実的ではありません。そこで、ディスプレイベースを作ってみることにしました。
厳密にいえば30MMシリーズではありませんが、30MMには最適な「カスタマイズシーンベース」(税込605円)を組み合わせてみます。
現在カスタマイズシーンベースは「砂漠Ver.」、「雪原Ver.」、「情景Ver.」(各税込440円)がリリースされていて、2020年10月には「水中Ver.」(税込990円)も予定されていますが、今回は基地っぽい雰囲気にしたかったことと、固定用パーツが豊富な初代のカスタマイズシーンベースを使用しています。そして、先程紹介した100均ライトも配置しました。
本体の取り付けには、同製品付属のアームを使用し、まずは支援機を固定。
これに本体を取り付ければ、今度こそ! 今度こそ完成です!
ふー! ともあれコレにて完成です。単にプロポーションを変更しようと思っただけなのに、カスタマイズがカスタマイズを呼び、ここまで来てしまいました。これ、すべて接着、加工、塗装なし。つまりプラモデル的な技術は一切不要、誰でも工夫次第でここまで楽しめるというわけです。加工や塗装はプラモデルの大いなる楽しみですが、それ抜きでも楽しめる30MM。まだ遊んでいない方は、ぜひ手にとってみてください!
(C)BANDAI SPIRITS 2019
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