SFマインドあふれる『ダイアクロン』の世界に、あの『グリッドマン』が降臨!「超神合体バトルスグリッドマン」企画開発担当 高谷元基氏(タカラトミー)スペシャルインタビュー!

更新日:2021年3月11日 13:50

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『ダイアクロン』と『グリッドマンユニバース』のコラボアイテム第1弾! 「ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン」が2021年6月にタカラトミーより発売予定。同社のオリジナルSF玩具シリーズ『ダイアクロン』と『SSSS.DYNAZENON』や『SSSS.GRIDMAN』を中心とした世界観や物語、さらにはモチーフやビジュアルなどを、映像や商品など幅広い形で展開していく『GRIDMAN UNIVERSE(グリッドマンユニバース)』とのコラボレーション企画『ダイアクロンVS.グリッドマン』のストーリーと「超神合体バトルスグリッドマン」のトイについて、本企画のストーリー原案と企画開発担当者であるタカラトミーの高谷元基氏にお話をお聞きした。

 

 

 

 

ストーリー原案:高谷 元基(タカラトミー)
脚色・文:北嶋 博明
企画協力:雨宮 哲
イラスト:坂本 勝
監修協力:円谷プロダクション
     TRIGGER

 

 

――まずはストーリー寄りの部分について伺いたいと思います。今回のコラボレーション企画に至るまでの経緯からお聞かせください。

 

 

高谷:一昨年(2019年)の秋頃に円谷プロさんとの打ち合わせがスタートしました。

 

 

この時点ではどのような商品企画で参加させていただくかはまったく決まっておらず、社内で検討後、いくつかの方向性の企画を提案させていただきました。

 

 

その中のひとつが現行のダイアクロンラインとのコラボレーション企画です。ダイアクロンラインの延長として開発に取り組める為、この企画が社内的にもイチオシだったのですが、ちょっと飛躍しすぎで無理かな、とは思っていました。ところが意外にもトリガーさん、円谷プロさんは快く受け入れてくださりましたので、現在のダイアクロンとグリッドマンユニバースのコラボ企画という方向が決まった次第です。

 

 

――今回のコラボストーリーはどのような流れで具現化していったのでしょうか?

 

 

高谷:コラボ企画のストーリーはこちら側(タカラトミー側)でまとめつつ、進行にあたりトリガーさん、円谷プロさんから、幾つかの注意点や要望をいただきました。

 

 

具体的には、『SSSS.GRIDMAN』で既に展開している多数のコミカライズ等と同じく、アニメ本編に対して「もしかするとあったかもしれない」というような立ち位置にしたいので、ダイアクロン側の世界観をベースとしてダイアクロン世界に何らかの理由でグリッドマンが現れるストーリーにしてほしい、グリッドマンはセカイを脅かす脅威を排除し正常化させる為の存在であり、脅威の元凶は「怪獣」であってほしい、グリッドマンとのコミュニケーションは、これまでのシリーズと同様に何らかのインターフェイスを通してほしい等の要素でした。

 

 

ダイアクロン世界にグリッドマンを実体化させるという一番大きな課題は、力技ではありますが、グリッドマンや怪獣のハイパーワールド次元とダイアクロンの物理的現実次元が交差してダイアクロン世界が、一時的に一種のMR(Mixed Reality)のような世界となってしまうというスーパーフィクションを適用する事にしました。

 

 

これらの要素をベースに、ストーリータイトルを『ダイアクロンVS.グリッドマン』と決め、この機会にこれまで説明していなかったダイアクロン世界の深堀り要素も描きつつ全体のストーリープロットを組み立てています。

 

 

――具体的にはダイアクロン世界のどのような部分を掘り下げたかったのでしょうか?

 

 

高谷:大きくは二つの要素がありました。

 

ひとつは、仮に「空白の10年間」と呼んでいる時代についてです。ダイアクロン世界の時間では最初のワルダー防衛線が終結してから再襲来に至るまでの約10年間、ワルダーとの全面戦闘が途絶えた時代があるのですが、その空白の時代のダイアクロンがどのような活躍をしていたのかという部分ですね。

 

 

今回のストーリーでは時代設定をダイアクロン世界の202X年中期という現行最新アイテムの時代設定の約10年前に設定しています。これは今回のコラボストーリー内での出来事が現行のダイアクロン世界に大きく影響しないようにしたかった為でもありますが、この「空白の10年間」に触れるという目的もありました。今回は非常に短い時間の出来事なので「バトルスV1」とか「エウロパ探査隊」とか本当にちょっと触れただけでしたが、機会と余力があれば商品絡みでもっと深堀りしてみたい部分ではあります。

 

 

もう一つはダイアクロンマシンに搭載され人型形態時に起動する「戦闘支援プログラムBIG‐AI」についての説明で、これまでいくつかの商品説明文等に断片的に描いていましたが、具体的にどういうものなのか? という部分です。

 

これはグリッドマン世界の“誰もが皆ヒーローになれる”という概念に非常に近いもの、というか、ほぼ同じ意味と言っても良いので、これを両者を繋ぐ今回のコラボのストーリーの主軸テーマとしました。これを軸にヒカリ隊員の内面的な成長譚と、BIG‐AIの完成という史実を重ね合わせて描くというのが、今回の物語の本筋です。BIG‐AIについての踏み込んだ説明はいつかやらねば、と思っていましたので絶好な機会でした。

 

 

そのほかにもグリッドマン、ダイアクロン双方の要素を色々と詰め込んでいますが、劇中でグリッドマン本来の活躍を知るのはヒカリ隊員とランドマスターのみに絞り込み、最終的には、超MR化した世界をグリッドマンの修復光線フィクサービームで、コラボ状態時のダイアクロン世界の事象を修復させる事を想定していましたので、躊躇する事なく、思いっきりエンターテインメントな方向に振り切ったストーリーにしています。

 

 

――最終的に『ダイアクロンVS.グリッドマン』という物語にまとまるまでの経緯をお聞かせください。スタッフは脚色・文に北嶋博明さん、企画協力に雨宮 哲監督、イラストは坂本 勝さんというようにそうそうたるメンバーですね。

 

 

高谷:いや、もう本当にこれ以上はない最強のドリームチームだと思います。

 

何度かに渡り行われたプロット監修ではその都度トリガーさん、円谷プロさんから諸々とアドバイスをいただき、ブラッシュアップを重ねています。当初のプロットは淡々と其々の事象を追うだけの内容でしたが、雨宮監督から登場キャラクターのバックボーン等のアイディアを色々といただいたおかげで、物語として、より深みのある内容になったと思います。

 

 

最終プロットが完成した段階で、セリフや情景描写等を入れた読み物としてまとめる為に、シナリオライターの北嶋さんにストーリー本文の執筆をお願いしています。その後、何度かの準備稿~監修~修正を経て、最終的に全4部構成のストーリーとして『ダイアクロンVS.グリッドマン』が完成した次第です。

 

 

北嶋さんは、ご存じの様に多くのSF系アニメ等のシナリオを手掛けられており、また玩具についても深い造詣をお持ちの方でしたので、簡単な説明のみでスムーズに事が進み、まるでアニメを観ているかのような臨場感あふれる場面描写と燃えるセリフまわしが炸裂するストーリー本文に仕上げていただき、非常に感謝しております。

 

 

▲第1話に登場するヒカリ隊員のダイアテクター姿。BIG‐AIの筐体を守る際に負傷。

劇中のヒカリ隊員のキャラクターデザイン、ストーリービジュアルは本家本元のキャラクターデザイナーの坂本さんによるものです。新番組の制作で非常にお忙しい状況とは判りつつ 無理を承知でお願いさせていただいたのですが、快く引き受けてくださり大変感謝しております。個人的にはヒカリ隊員のダイアテクターのスタイリッシュなアレンジや、ドラマチックなラストカットがお気に入りです。

▲第4話のラストカット。グリッドマンを見上げて、声をかけるヒカリ。

 

 

――改めてストーリー全編を通して見返すと、じつに様々な要素が散りばめられていますね。主な要素についての意図などをお聞きしたいと思います。まずは今回のストーリーの主人公であるヒカリ・カイザキ隊員についてお聞かせください。

 

 

高谷:まず、戦闘要員ではなく科学研究員にしたのは、先述のBIG‐AIの開発話を組み込む為です。さらにグリッドマンシリーズで謳われている“誰もが皆ヒーローになれる”という概念を拠り所とすると、ヒーローとなる者に性別や年齢等は関係ないはずなので、ビジュアル面での華やかさと、これまでのシリーズとの差別化という狙いも含め、女性隊員を主人公としています。ダイアクロン史上初の名前が付いた隊員という事になりますね。

 

ヒカリ隊員の喋り方やキャラクター付けなどは、雨宮監督からアイディアをいただいた部分が多いです。北嶋さんの生き生きとした描写表現と、キャラクターデザインの坂本さんの今にも動き出しそうなキャラビジュアルも相まって非常に短いストーリーにも関わらず、とても魅力的な芯の強い主人公としてキャラ立ちされている所が素晴らしいです。

 

 

――グリッドマンについてお聞かせください。

 

 

高谷:真っ先に検討した事はダイアクロンアイテムの統一スケールである1/60の世界におけるグリッドマンの身長設定で、売価設定や投資から逆算すると、フィギュアサイズはせいぜい15から14センチ程度になり、1/60ワールドでは約10メートル以下の設定になります。この設定を正当化する為に考えたのが、高密度と超質量を持つブラックホールの要素を組み込む事でした。

 

 

要は敵はブラックホールの特性を持つ何かで、これと対等に戦う為に、グリッドマンも高密度・超質量の圧縮したスケールサイズで実体化するという事ですね。まあ屁理屈なのですが。

 

 

ヒカリ隊員の過去や弟の為に創った夢のヒーロー「シルバークラティオン」のくだりは、雨宮監督からいただいたアイデアをベースにしております。雨宮監督からは、それに加えてオリジナルグリッドマンがプライマルファイターの姿となる要因に、その夢のヒーロー「シルバークラティオン」のイメージビジュアルが影響していると良いのではないか、という大変、衝撃的かつ光栄な構想もいただきました。最初にこの構想を伺ったときに、今回のストーリーに、これほど大きな要素を組み込んでしまって良いのかという気持ちで、本当に心臓がドキドキしました。これほどのご配慮をいただきまして雨宮監督には感謝の言葉もございません。

 

 

劇中で「シルバークラティオン」の人形に組み込まれ、後に必殺武器サンダークラッシュキャリバーのコアとなる緑色発光クオーツは、オリジナルグリッドマンとプライマルファイターの額のビームランプのクリスタルの色の相違点(オリジナルは青、プライマルは緑)を逆算したものです。

 

 

――次元怪獣ジャイガンターについてお聞かせください。

 

高谷:今回、世界を脅かす脅威は「怪獣」である、という事は当初からの決まり事でしたので、先程のグリッドマンの実体化スケール検討の際、即時に敵はブラックホール属性を持つ超次元怪獣である、となりました。同時にダイアクロン世界内でまとめる必要もあったので、まったく新規の怪獣よりもやはりワルダーがらみにした方が、らしい、と思いワルダー星崩壊の要素を絡めて、ワルダーのプチ再襲来としています。外観については、現行ダイアクロンで「怪獣」と言えば、「ワルダロス・ギガンター巨獣モード」が適任、という流れですね。

 

 

これにグリッドマンシリーズ伝統の生身怪獣をメカで強化して再登場、のパターンを引用する事で、生身の巨大生物版のギガンターとし、呼称は差別化する為に、英表記で同じ綴り、別の和表記の「ジャイガンター」としました。劇中の身長設定は100メートル以上ですので、商品サイズのスケール比は異なりますが、対峙させるにはいい感じのボリュームなので、ぜひともギガンター巨獣モードとバトルスグリッドマンで遊んでいただければと思います。スケールにこだわる方は自らをジャイガンター化させて遊んでいただくと丁度良い対比になると思います。

 

 

――バトルハンガーについてお聞かせください。

 

 

高谷:初代Vシリーズの「ダイアバトルスV1」という設計段階のマシンの装甲部をベースに、グリッドマンの持っていたアシストウエポンのデータを掛け合わせて作り上げた機体という設定です。

 

 

この時代のダイアクロン隊は銀河系進出を目的とした惑星開発等の任務に移行しつつあるので、「ダイアバトルスV1」は、対ワルダー用の戦闘特化マシンというよりも惑星探査マシン寄りの複合可変機体というイメージですね。

 

ストーリーの準備稿ではバトルハンガーにグリッドマンが飛び乗って戦うライドアタックの描写があったのですが、合体するタイミングの切迫感の方を優先させた為、泣く泣くカットしています。ぜひとも商品で再現していただきたいと思います。

 

 

――ランドマスターの設定についてお聞かせください。

 

高谷:今回のストーリーは若い世代のダイアクロンユーザーの方々や、今回のコラボストーリーで、初めてダイアクロンに触れる方を前提として書かれていますので、文面通り、ランドマスターはダイアクロン世界の守護神的なスーパーコンピューターであり、そのサイバースペース内でのアバターは変幻自在に姿を変えられるクリスタルボディーのメカニカルなヒューマノイドの外観である、と捉えていただければ良いかと思います。

 

 

また、かつての「SFランド」シリーズや玩具史的な要素について深い造詣をお持ちの方は、あのくだりを読んだ瞬間に、あのキャラクターが浮かび、かつて体験したような驚きを再び体感できる仕掛けになっています。さらに今回のストーリーを「外装装着型(=着せ替え)パワーアップコンセプト」の遺伝子を持つ最古のキャラと、最新のキャラが邂逅し、共闘する、という玩具的メタ・シチュエーションのドラマとしても見られるのではないでしょうか。造詣が深ければ深い程、様々な知識がクロスオーバーし、イマジネーションが一気に炸裂すると思いますが、当時のように純粋に驚き、楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

現行ダイアクロン世界の中心は生身の人間(=ダイアクロン隊員)であり、ランドマスターはあくまでも彼らの成長を助け、彼らの戦いを支援するアシスト的な存在であるのですが、そのバックボーンについては、遊び手の方々のイマジネーションやお好み次第で、あれこれと自由な発想や解釈をされても良いかと思います。

 

 

ちなみに、今回の物語では展開の都合上省略していますが、ストーリープロットの段階では、ランドマスターが作業を実行する際のシーンで「本来、ランドマスターが行う“作業”はマクロゾーン評議員会の決議承認を経て実行されるが、今回は緊急事態の為、ヒカリ隊員1人の承認のみで実行された」というくだりがありました。これはダイアクロン世界でのランドマスターの立ち位置を表したくだりで、重大な結果に繋がる“作業”の実行については、必ず「人」が決断を下すという事になっています。

 

 

――ランドマスターの設定は今回のストーリーの為に用意されたものなのでしょうか?

 

 

高谷:ランドマスターの電脳空間での基本仮想外観の考え方は、無限に広がるクリスタルの未来都市イメージも含め、既に再起動開始前からそういうビジュアルの想定でした。

 

ちょっと今回のコラボの話から外れてしまいますが、80年代におけるランドマスターの表現は、“世界を管理する都市型コンピューター”といった、ほぼ名称だけの描写で正体不明の存在でしたが、折角の設定ですので、続編となる現行ダイアクロンストーリーの時代からは、明確に“人類を助ける守護神的な電子頭脳”に位置付け、また、ダイアクロンマシンと連動するBIG‐AIとして活躍するアクティブな存在にバージョンアップさせています。

 

 

具体的には、中枢電子頭脳ランドマスターの電脳空間での基本的な仮想外観は、クリスタルボディーのメカニカルなヒューマノイドの姿であり、BIG‐AIプログラムとなって機能する際には、各マシンに搭載された端末を経由して、搭乗するパイロットに適応したバディ・インターフェイスとして変幻自在に姿を変え、マシン、隊員が三位一体化して共に闘うという捉え方です。

 

 

今回「バトルスグリッドマン」に付属する半透明のダイアクロン隊員は「超精度を要する特殊ミッション時にランドマスタープログラムがマシンに直接乗り込んだ状態」をカタチにしたもので、初のランドマスターアイテムとなります。

 

 

現行ダイアクロンラインは、リアルタイムで進行している最新の「SFランド」シリーズですので、80年代のダイアクロンラインは勿論、オリジナル展開玩具の膨大なデーターバンクとも言える歴代の「SFランドシリーズ」が育んできた商品展開方式やプレイパターン等、様々な要素を何かしらのアップデートを施した形で組み込み続けています。これは、既に固定された過去に回帰するという事ではなく、新たなカタチとして未来に遊びを繋ぎ広げる為の手法の一つとして捉えていただければと思います。もちろんその出処や蘊蓄を知らなくても何ら問題はありませんし、また、知っていれば違った視点や遊び方でも楽しめるかと思います。

 

 

――続いて商品寄りのお話をお聞かせください。まずは「超神合体バトルスグリッドマン」のコンセプトをお聞かせください。

 

 

高谷:グリッドマンとダイアクロンのコラボ企画という事で商品的にも両方のイメージを明確に表現できるアイテム、というのが商品の位置付けとしての基本コンセプトです。

 

各モードでそれぞれの要素を部分部分にミックスするような考え方もありましたが、中途半端でどっち付かずになってしまう危険もあったので、最終的には、明確に合体前と合体後という分け方にしています。合体前のバトルハンガー状態ではカラーリングも含め、ダイアクロンのマシンらしさを押し出したデザイン、合体後のバトルスグリッドマン状態では、かつてのアシストウエポン(サンダーグリッドマン)を想起させるようなグリッドマンらしいデザインという事ですね。

 

 

――バトルスグリッドマンはどことなく「電光超人グリッドマン」を想起させるデザインですね。

 

物語の設定は「電光超人グリッドマン」と「SSSS.GRIDMAN」の中間にあたる時期をイメージしているとの事なので電光超人グリッドマンの時代寄りのデザインを意図的に組み込んでいます。

 

付属する必殺武器・サンダークラッシュキャリバーも当時のグリッドマンソードの多用途機能を踏襲しつつ再構成したものですね。

 

 

バトルハンガーはダイアクロン側のイメージでまとめていますが、なんとなくキンググリッドマンのキングジェットの要素も入れていたり、バトルスグリッドマンはストレートにサンダーグリッドマンを意識しています。と言ってもあくまでも外観のイメージを踏襲しただけで、まったく異なるプレイパターンのアイテムですので、リメイクとして開発した訳ではありません。

 

 

――バトルスグリッドマンはシステマチックな装着合体プロセスが話題です。

 

高谷:当初は「サンダーグリッドマン/ゴッドゼノン」のような多角的合体要素の組み込みという方向も当然検討しましたが、ざっと考えても、現在の仕様に彩色ありの可動フィギュアをもう一体追加するのと同様の仕様になりますので、関節可動を抑えた最低の仕様にしても現状のコスト/売価の1.5倍を超えるアイテムになってしまいます。

 

 

この方向はコラボ第1弾としてはちょっと現実的ではないので、今回は各部のアーマーユニットをいちいち付け外さないでグリッドマンに外さないで装着させることもできるという、現行ダイアクロンのアイテムでも採用した、システムの合体のプレイパターン方向でまとめています。

 

 

この合体システムの装着プロセスはプロモーションムービーとして公開されている動画「グリッドマンユニバース第1弾:超神合体!バトルスグリッドマン!!」を観ていただくと良く理解できると思います。ケレン味の塊のような高揚感あふれるムービーの制作は一連のダイアクロンPVを手掛けていただいているランドックスタジオさんです。

 

 

 

――合体状態は、迫力のPVそのままの、非常にヒロイックなプロポーションですね。

 

高谷:合体後の形態、バトルスグリッドマンのプロポーションは今回特に気を使った部分です。

 

 

フィギュア内蔵式の合体システムの致命的なウイークポイントはフィギュアが露出する部分が貧弱になってしまうという部分で、腕や脚はガッチリしているのに、腿や腕が妙に細く目立ってしまうというギャップの問題です。

 

 

当時のサンダーグリッドマンでは、あらかじめフィギュアの腿部分のボリュームを出したり、腰アーマーでカバーするなどして、なんとかギャップを緩和する工夫をしていました。グリッドマンの肩アーマーを二の腕に被さるようなデザインにしたのも、このギャップを緩和する為でした。

 

今回は大人ターゲットという事もあり、フィギュア側には合体用の調整等を入れずにグリッドマンフィギュア単体としてベストな外観とプロポーションを保ったまま、装着するアーマー側で合体後のプロポーションを整えるという方向でまとめています。

 

 

具体的には、腿の露出は脚アーマーから繋がる関節内蔵の外骨格アーマーが腿にぴったりと覆いかぶさって、物理的に腿を一回り太くするという機構にしています。肩アーマーにもフリーに可動する二の腕を覆う小さなアーマーが内蔵されていますので同様の効果が得られます。

 

 

その他のポイントとして、腰アーマーは胸アーマーと独立していますので、フィギュアの腰可動を活かした腰のひねり等が出来る仕様になっています。

 

 

また、腕アーマーにはフィギュアの肘部のジョイントに装着する動きと連動して拳が露出し、アーマーを外すと拳が収納されるという機構を内蔵しています。

 

 

――当時の装着合体システムからかなり進化している訳ですね。コアになるグリッドマンフィギュアも単体フィギュアとしての完成度が高いと思います。

 

 

高谷:バトルスグリッドマンの合体方式を確定する前に、真っ先に作った試作は、重いアーマーを装着してもヘタらない関節強度を持つフィギュアの機構試作でした。

 

 

これも、合体したアーマーの重量をフィギュアの関節強度で支えきれなくなるというフィギュア内蔵式合体物のウイークポイントで、解決しなければならない部分でした。

 

 

今回は数パターンの異なる機構の試作を作り、その中で最も可動と保持強度が優れ、尚且つ摩耗による緩みも低減させる機構を今回のフィギュアで採用しています。

 

このグリッドマンフィギュアはダイアクロンブランドでもありますのでダイアクロンアイテムで定評の集光機構や指部の可動機構等も勿論組み込んであります。眼光は非常に綺麗に輝く設計になっており、グリッドマンの生命感をも感じさせる効果を醸し出せます

 

 

また、遊ぶ際の塗装削れの気遣いを可能な限り解消する目的で、グリッドマンの細かいカラー配置を極力細分化した成形パーツで再現するという設計になっています。特に赤色部のパーツ分割が凄い事になっています。

 

 

カラーリングでのポイントはアニメ等でソリッドなライトブルーで表現されている部分をメタリックカラーで表現しています。これは、光の加減とメタリック粒子の反射で深みのあるライトブルーに見せる、という立体物ならではの効果を狙った表現です。

 

 

――ダイアクロンブランドと言えば別売りのシリーズとの連動遊びが楽しめるのもファンが注目すべき部分ですね!

 

 

高谷:既存アイテムとの連動は破綻しない範囲で極力組み込むようにしています。バトルスグリッドマンの飛行/砲撃ユニットの接続ジョイントはヴァースライザーの規格と共通にしていますので背部にヴァースライザーアイテムを直接取り付ける事ができます。

 

 

その他、色々なアイディアを駆使して様々なカスタマイズにチャレンジしていただきたいと思います。

 

 

――1993年に登場した円谷プロ創立30周年記念作品『電光超人グリッドマン』の玩具開発にも携わっていた高谷さん。あれから約28年、再び『グリッドマン』の流れを受け継ぐ商品を作り上げたご感想は?

 

 

高谷:じつは現行のダイアクロンラインは、私にとって久々の変形合体物で、それ以前に担当した変形合体物は二十数年前の「電光超人グリッドマン」ラインまで遡ります。

 

 

製品化された変形合体アイテムの開発順で言うと「超神合体サンダーグリッドマン」の次に開発した変形合体アイテムが「ダイアバトルスV2」という事になります。

 

 

そういう経緯もあり、グリッドマンとダイアクロンは、私にとっては非常に近しい存在であり、今回のコレボレーション企画は何か不思議なリンクのようなものを感じています。

 

 

また今回のバトルスグリッドマンにも適用している「フィギュア内蔵式の合体システム」は、入社直後から「電光超人グリッドマン」を含め何度か形を変えて手掛けてきた非常に長い付き合いの合体システムです。折角の長い付き合いですので、これからも機会があればブラッシュアップを加えつつチャレンジして行きたいテーマのひとつですね。

 

 

――今後の展開についてお聞かせください。

 

高谷:「GRIDMAN UNIVERSE」コラボの第3弾となる「グリッドスーツ」が控えています。これはストーリー第2話に登場した202X年当時のパワードスーツをベースとしてグリッドマンが実体化した姿です。

 

 

製品としては完全新規金型使用のアイテムとなります。

 

付属アイテムは1/60スケールの等身大で実体化したグリッドマンフィギュアです。ダイアクロン史上初となるキャラクターフォーマットのダイアクロンフィギュアですね。関節可動は従来の可動部に加え頭部可動も加えた仕様となります。

 

 

ところで、これまでのパワードスーツ系の商品展開パターンをご存じの方は、もう察しがつくかと思いますが、今回も間違いなくそういう事になりますので、ご期待ください。

 

 

――それでは最後に『ダイアクロン』ユーザーへのメッセージをお願いします!

 

 

高谷:ホームページ等に掲載している「ダイアクロンストーリー」は便宜的に“ストーリー”と表記していますが、正確にはダイアクロン世界の様々な事象を時系列にまとめた言わば「年代記」的な物であり、明確な主人公や、起承転結のある「物語」ではありません。

 

 

だからと言ってダイアクロン世界にはヒーローは不要である、という事ではなく、むしろ逆で、数えきれない程のヒーローが活躍する世界なのだと思います。皆さんのイマジネーションで創り出された無数のキャラクターやヒーローも含め、様々なミッションをこなし、歴史を築いて来たヒーロー達が存在し、彼らが活躍する無数のドラマチックな物語が日々展開され、それらが集まった世界がダイアクロンワールドなのだと思います。

 

 

今回のコラボストーリー『ダイアクロンVS.グリッドマン』もそのような、数あるダイアクロンワールドの物語の一篇であると捉えています。

 

 

今後も機会があれば、このようなコラボレーションという形、あるいは単独で、ダイアクロン世界の一部を切り取ったイマジネーション溢れるダイアクロンの物語を観てみたいと思っています。

 

 

最後に、この場をお借りして、今回の夢のコラボレーション企画の実現に向けてご協力いただいた多くの皆さま方に、心より感謝申し上げます。

 

 

――本日はお忙しいところ、ありがとうございました!

 

 

【PROFILE】

高谷元基(たかや・もとき)
1963年生まれ。1988年にタカラ(現・タカラトミー)入社。『電脳警察サイバーコップ』『トランスフォーマーZ』『機甲警察メタルジャック』『電光超人グリッドマン』『ミクロマン(マグネパワーズ編)』などの商品開発に携わる。現在は“大人の男玩”『ダイアクロン』の企画開発を担当。

 

DATA

ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン

  • 対象年齢15歳以上
  • 発売元:タカラトミー
  • 価格:24,200円(税別)
  • 2021年6月26日(土)発売予定

 

 

 

(C)TOMY (C)円谷プロ

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